叱らなくても子どもが自ら動く「松村式 子育て仕掛学」が刊行
「仕掛学」に基づいた、子どもが自分から片づけたくなる、整理整頓したくなる、お手伝いしたくなるような楽しい仕掛けを提案する1冊
「主婦の友社」から、大阪大学教授・松村真宏氏の著書「松村式 子育て仕掛学」が刊行。
「おもちゃで遊んだら片づけずに出しっぱなし」「ゴミをゴミ箱に捨てない」「玄関でくつをそろえない」など、子どもの生活習慣、片づけ、整理整頓面での保護者の悩みは尽きないもの。
「やらないとおやつ抜きだよ!」などと、ついつい罰を与えるようなやり方で子どもを動かそうとしがちだ。
そこで、保護者がガミガミ言わなくても、子どもが自分から片づけたくなる、整理整頓したくなる、お手伝いしたくなるような楽しい仕掛けを提案しているのが「松村式 子育て仕掛学」。
この書籍の仕掛けは「仕掛学」という学問に基づいているが、この言葉を初めて耳にした方も多いかもしれない。
仕掛けとは「ついしたくなる」ように間接的に伝え、結果として問題を解決するというもの。人の好奇心を刺激し、興味を持たせることで行動の変化を促すことができるのが最大の特徴だ。
例えば、ゴミをゴミ箱に捨てずに、いつも床にポイ捨てしてしまう子どもがいるとする。
著者はそんな悩みに対して、ゴミ箱の上にバスケットボールのゴールをつける仕掛けを提案。子どもはゴールにゴミをシュートするのが楽しくて、ゴミをポイ捨てしなくなるという仕組みだ。
子どもは叱られたからゴミ箱に捨てるのではなく、楽しんでゴミをゴミ箱に捨てる習慣が身につくようになるという仕掛け。床も散らからず、保護者にとっては一石二鳥と言える。
整理整頓はしなければならないとわかっているけれど、行動に移すのに苦労するもののひとつ。大人でさえ苦手意識を持つ人が多く、子どもができないのは当たり前とも言えるが、ただちょっとした工夫で悩みを解消できる分野でもある。
机の上や棚にファイルボックスを並べて、プリントや教科書を整理している家庭は多いだろう。常にきれいに並べられればいいが、出し入れの際に順番が入れ替わってしまったり、ガタガタに置いてしまったりしがち。
そこで著者が提案しているのが、ファイルボックスを3~4つ並べ、背表紙の端から端まで斜めにテープを貼る仕掛け。
こうすると、順番どおりにボックスが置かれていないとテープのラインが乱れてしまうため、ラインがそろうようにボックスを並べたくなる。不協和音が苦手な人間の心理を利用した、よく考えられた仕掛けと言える。
このほかにも「松村式 子育て仕掛学」では、たくさんの仕掛けアイデアを紹介。
長引くコロナ禍でステイホームが続き、子どもを叱るのに疲れてしまった方も多いことだろう。この書籍で紹介している仕掛けをぜひ取り入れて、親子で楽しくおうち時間を過ごしてみては。
松村式 子育て仕掛学
著/松村真宏
主婦の友社刊 1,496円(税込)
問い合わせ先/主婦の友社