【産婦人科医監修】母乳はいつからいつまで出る?母乳の出をよくする方法

【産婦人科医監修】母乳はいつからいつまで出る?母乳の出をよくする方法

いつからちゃんと出るように安定するかなど紹介

2018.12.17

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杉山太朗

杉山太朗

田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

赤ちゃんが生まれたら母乳をスムーズにあげられると思っていたけれど、「母乳が充分に出ていないかも…」と、悩んでいるママはいませんか?母乳はいつから安定して出るのでしょうか。母乳の出る量が安定する時期や母乳を出やすくするための方法をご紹介します。

母乳はいつから出る?

赤ちゃんが生まれたらすぐに母乳が出ると思っている人もいるかもしれません。

母乳は一般的に産後2~5日くらいに出る人が多いようですが、なかには妊娠中から少量の母乳が分泌される人や、産後数週間経ってから出る人もいるなど、母乳がいつから出たかについては個人差があります。また、安定して母乳が出るまでには、そこからまた少し時間がかかります。

母乳が出始めてから安定する時期まではどのくらいかかるのでしょうか。

母乳が安定する時期

入院中に助産師さんから「母乳が出づらいかも…」と言われたり、授乳させても赤ちゃんがぐずることが多く、「赤ちゃんがおなかいっぱいになるほど母乳が出ていないのかも…」と悩む人も少なくありません。

「いつからちゃんと出るのだろう?」「母乳はいつから安定するの?」と不安になるママもいるでしょう。

個人差がありますが、母乳の分泌が安定するまで1~3カ月くらいかかるようです。焦らず、腰を据えて母乳が出るまで待ちましょう。

母乳のために心がけていたこと

母乳が安定して出るようにするためにはどうしたらいいでしょうか。さまざまな対策法の中からすぐに取り組みやすいものをピックアップしてご紹介します。ただし、ここで紹介した方法が万全ではないので、やってみても手ごたえが感じられない場合は、母乳外来や助産師さんに相談してみてください。


食事

和食
iStock.com/kazoka30

脂肪分の多いものや糖分が多いケーキやお菓子などは、母乳の出方や味に影響することがあります。ママは栄養バランスのとれた食事を心がけるようにしましょう。


水分をたくさんとる

母乳は、炭水化物やタンパク質、水分などからできています。そのなかでも水分の割合が8割以上を占めているので、ママは意識をして水分をとることが大切です。

コーヒーやお茶などカフェインが含まれている飲み物は、1日に1~3杯程度なら問題ないですが、大量に摂取すると赤ちゃんの寝つきが悪くなる場合があります。

また、アルコールも母乳の分泌に影響を及ぼす可能性があり、母乳を通じてアルコールを赤ちゃんが摂取することになるので、授乳中の飲酒は避けてください。

麦茶や黒豆茶、ハーブティー、ルイボスティーはノンカフェインなのでおすすめです。一気に飲んでもおしっことして出てしまうので、飲む回数を増やしこまめな水分補給を心がけましょう。


おっぱいマッサージ

母乳がなかなかスムーズに出なくて悩むときは、お風呂などでおっぱいマッサージをすると、血液の循環がよくなり母乳の出方がよくなるかもしれません

乳首は、マッサージをして柔らかくしておくと赤ちゃんが吸いやすくなることがあります。「いつから母乳がちゃんと出るの?」と思っているママは試してみるとよいでしょう。


身体を冷やさない

身体が冷えると、体内の血の巡りが悪くなり母乳も出にくくなります。室内でも靴下を履いたり、意識をしてなるべく長めの丈のズボンやスカートを着たり、ひざ掛けを使用するなど対策をして体を冷やさないようにすることが大事です。


適度な運動

母乳は血液からできているため、血液循環をよくするためにも適度な運動は望ましいでしょう。ただし、産後直後にいきなり運動をするのは、体にとってかなりの負担になり、産後の体の回復を妨げる場合も考えられます。激しい運動ではなく、体操やストレッチなどの家庭内でも手軽にできる運動を取り入れるとよいでしょう。

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おっぱいを与えるママ
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根気強く飲ませる

「初めは母乳が出ているのかもはっきり分からず飲めていると思っていましたが、赤ちゃんの体重がしっかり増えていなかったり、母乳が足りずお腹が空いて赤ちゃんが寝ないことが続いたので助産師さんに相談しました。赤ちゃんの体重が全く増えていないわけではないので、様子をみながら進めることになり、赤ちゃんが母乳を欲しがるときに根気強くあげていると2週間後くらいに母乳がたくさん出るようになり、赤ちゃんの体重も増えました」(40代ママ)


搾乳してその都度、量を計測していました

「生まれてすぐから母乳育児を始めたのですが、何度飲ませても寝てくれず、なぜだろうと数日悩みました。その悩みを助産師さんに相談したところ『充分な量が出ていないからおなかが空いてしまっているのかも』と言われ、ビックリ!勝手に子どもを産むとちゃんと充分な量が出ていると思ったので…。その日から搾乳して母乳の量をきっちり測り、あげるようにしていました。搾乳しているうちに刺激されたのか、母乳の量もたくさん出るようになり、子どもも授乳後にぐずることも少なくなりました。(30代ママ)

母乳が出づらい、安定しないと感じたときは

母乳が出づらい、いつから安定するのだろうと感じたときは、母乳外来のある産婦人科か、助産院に相談すると、アドバイスがもらえるでしょう。

母乳外来は、母乳育児や乳房や乳首などおっぱいのトラブルや相談、ケア方法などのサポートをしてくれます。母乳の出が悪いときのおっぱいマッサージをしてくれたり、ママが自分でできるようにおっぱいマッサージの方法も教えてくれます。

母乳外来は予約制のところが多いので、受診する前には確認することが重要です。

母乳がいつから安定するのかにはそれぞれのペースがある

赤ちゃんを見つめるママ
iStock.com/Yagi-Studio

初めは母乳の出が悪く、母乳が思うように出なくて「ほかのママは母乳がいつから出たのだろう」と悩むママもいるようです。母乳が上手く出ないと、いつからちゃんと出るのか、いつからたくさん出るのか心配になるママもいるかもしれません。

赤ちゃんが生まれたらすぐに母乳が出るわけではなく、一般的に母乳が出るまでには出産後2~5日程度かかるようです。ただし個人差があるのであくまでも目安と考えてください。安定した量がでるようになるには、出産後約1~3カ月かかるようです。

母乳の出がよくないときには、バランスのよい食事や水分をこまめにとるように意識したり、適度な運動やおっぱいマッサージなど母乳を出やすくする方法を積極的に取り入れてみるとよいでしょう。

焦らずゆっくり時間をかけて、自分に合った方法とママ自身のペースを大切にして授乳できるとよいですね。


監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

Profile

杉山太朗

杉山太朗

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

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