妊娠6ヶ月である妊娠22週目は、胎動をよりはっきり感じたり、超音波(エコー)検査で赤ちゃんの性別が分かる時期です。元気よく動き回るためこの時期逆子となることも。お腹の大きさ、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
妊娠週数22週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
妊娠6ヶ月になると、経腹エコーに比べて子宮頸部を細かいところまで見ることができる経腟エコーを使用することがあるでしょう。妊娠22週の経腟エコー検査では、胎盤の位置や頸管長を確認します。内診台にあがるため、検査がスムーズに行えるように、健診時には上下に分かれている服や、ワンピースにレギンスを履くなど検査しやすい服装を心がけることが重要です。
妊娠6ヶ月である妊娠22週は、お腹が一気に大きくなります。
お腹が急激に大きくなると、皮膚が伸びてひび割れ、妊娠線ができやすくなります。妊娠線は、ほとんどの場合、痛みやかゆみなどを伴わないため、ケアをしない人もいるようですが、一度できると完全にはきえないため日々の保湿ケアが大切です。
妊娠中期になると、女性ホルモンが多く分泌され、腟炎を防ぐためにおりものの量が倍近くまで増えることがあります。
おりものが増えることは妊娠中によく見られる症状ですが、蒸れて気持ちが悪いと感じる場合は、通気性のよい下着を選んだり、おりもの用のナプキンを使ってもよいでしょう。おりものが多いときにはシャワーを浴びたり、下着を清潔に保つことが大切です。
妊娠7ヶ月ともなると、ほとんどの人が超音波(エコー)検査で赤ちゃんの性別がわかったのではないでしょうか。男の子か女の子か性別が分かると、赤ちゃんグッズを揃えることもできそうですね。
またこの時期にはママの入院グッズは揃えておけるとよいですね。臨月に慌てて用意するということがないよう、余裕をもって準備しましょう。
地域や産院によって開催している時期は変わってきますが、妊娠22週ごろから母親学級が始まったり、申し込みが開始されることが多いようです。
母親学級では、出産の流れや産後の赤ちゃんのお世話について教えてくれるので、これから出産し、ママになるのに役に立つでしょう。事前に申し込みが必要なことが多いため、それぞれお住まいの地域や産院に確認してみましょう。
妊娠22週になると、超音波(エコー)検査で性別が分かる人も増える時期です。生まれてくる赤ちゃんの名前を考える時間もワクワクしますよね。性別が分かったら名前を考えてもよいでしょう。
一生子どもが付きあっていく名前。ぜひ素敵な名前をつけたいですよね。妊娠6ヶ月ごろから考えても早すぎる、ということはありません。
生まれた季節や漢字や読み方、画数、響きなどママやパパたちは、さまざまな由来から子どもの名前を考えているようです。下記の記事も参考にしてくださいね。
妊娠22週になると、胎動があまり感じられなくなったという妊婦さんもいるようです。今まで胎動があったのに急に感じられなくなると不安になりますよね。
この時期の赤ちゃんは寝たり、起きたりを繰り返しているので胎動が感じられるときとおさまっているときに差が出ます。様子をみて今までの強さを感じられなかったり、だんだん弱くなってきていると感じたときには早めに受診しましょう。
妊娠6ヶ月の妊娠22週は、赤ちゃんの骨や皮膚の形成が進んでいます。赤ちゃんの成長を補うため、たんぱく質を積極的に摂取することが大切です。しかし、リンを多く摂取するとむくみの原因になるのでお肉の摂り過ぎには注意が必要です。
魚や豆、お肉などからバランスよくタンパク質を摂るようにしましょう。
風邪を引いたり、頭痛があるときに手軽な市販薬に頼りたくなることもありますよね。しかしこの時期、お腹の赤ちゃんは薬の影響を受けやすいです。むやみに市販薬を飲まないように注意しましょう。
体調がすぐれないときには、水分を多めにとって、身体をゆっくり休めることが大事です。どうしてもつらくて、薬を飲みたいときには必ず医師に相談するようにしましょう。
葉酸やビタミンといったサプリを飲んでいる人もかかりつけ医に確認することが必要です。
日々保湿をしていても、妊娠中にかゆみを感じる妊婦さんは全体の2割近くいます。じんましんやアトピー性皮膚炎などによるかゆみも含まれますが、とくに妊娠後期にみられることの多い「妊娠性皮膚掻痒(そうよう)」を発症する妊婦さんもいます。
妊娠性皮膚掻痒(そうよう)は、治療の必要な皮膚トラブルです。虫に刺されたような発疹ができ、かゆみを伴います。主に腹部や妊娠線の周りにできやすいようですが、全身にできることもあります。
塗り薬のなかにも妊婦さんに適さないものもあるので、自己判断で市販薬を使用するのではなく、かかりつけの産婦人科や、皮膚科で相談しましょう。
妊娠6ヶ月である妊娠22週は、胎動を感じられたり、超音波(エコー)検査で見ると、赤ちゃんの動きや表情がよりはっきり見られるようになります。
赤ちゃんがお腹のなかで活発に動き回る時期なので、胎動で痛みを感じたり、健診で逆子といわれるかもしれません。まだこの時期に逆子でも臨月には正常な位置となることが多いので、痛みがあるときはしっかり休み、様子をみるようにしましょう。
また、性別もはっきりすることが多いので、赤ちゃんのグッズを揃えたり、名前を考えたりしながら過ごすのも楽しいでしょう。母親学級に参加してみるのもよいですね。赤ちゃんの成長や家族が増える喜びがいろいろな場面で実感できるでしょう。
一般的に安定期といわれている妊娠22週ですが、お腹が一気に大きくなってお腹の張りや足の付け根などに痛みなどを感じやすくなるときでもあるので、無理をしないことが大切です。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
2019年05月29日
「子どもがほしい」そう考える夫婦が妊娠・出産を目指して取り組む「妊活」。晩婚化が進む日本では、比例して妊娠・出産を希望する年齢も高くなり、「不妊治療」を受ける方も年々増加傾向にあります。そんな妊活や不妊治療を検討する際に役立つ、基礎知識から不妊治療の課題、海外の事例などを紹介した記事をまとめました。
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宋美玄(ソンミヒョン)
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杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
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平山史朗
治療ステップによっては高額な医療費がかかる不妊治療。現在日本では人工授精以降の治療ステップは自己負担だが、2022年春をめどに保険適用の範囲を拡大する動きがある。実現すれば、経済的な理由で不妊治療をあきらめていた方たちにとって一つの転機になるが、海外では不妊治療の多くをすでに保険適用としている国も少なくない。いくつかの国を挙げ、不妊治療の経済的支援の事例をみていく。
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妊娠中はホルモンバランスの乱れやつわりなど体にさまざまな変化が現れますが、なかでも気になるのが体重の増加。急激に体重が増えた場合、ダイエットをするべきか迷うこともあるのではないでしょうか。今回は、妊娠中に体重が増える原因や影響、体重管理のコントロールについて解説します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
子どもを出産したいと思ったときに後悔しないように、今から知っておきたい妊娠・妊活の正しい知識。前編では、妊娠・妊活にまつわる誤解についてお伝えしました。後編では、結婚適齢期がなくなっても、妊娠適齢期は変わらずにある現状をテーマに、新しい不妊治療の技術などについてお伝えします。
浅田義正(医療法人浅田レディースクリニック理事長)