子どもを感染症から守るために、予防接種は大切です。しかし全てのワクチンを把握し、赤ちゃんの体調を考慮しながらスケジュールを立てるのは忙しいママには大変なことです。0歳、1歳の年齢別、接種の時期順に一覧でご紹介。同時接種や副反応についても小児科医千葉智子先生監修のもと解説します。
予防接種には、定期接種と任意接種があります。
定期接種は、予防接種法で定められ、一定の条件を満たした子どもは自己負担なしで接種ができます。任意接種は、全額自己負担で接種するワクチンがほとんどです。
定期接種と任意接種の詳しい接種条件については、各自治体によって違いがあるので、それぞれお住まいの地域の役所のホームページなどで確認してください。
0~1歳の赤ちゃん期に予防接種法により接種が定められている定期接種ワクチンと一般的な任意接種ワクチンを合わせると10種類を超えます。このうちのほとんどが2回、3回と複数回の接種や追加接種を推奨されています。
病気にかかりやすい時期や、高い効果が得られる年齢などを考慮して、種類によって、接種する月齢、年齢や、回数、接種間隔が決められています。
予防接種はしっかりとスケジュールを立て、決められた時期に忘れず接種することが大切です。定期接種と任意接種のワクチンを接種時期の順にみていきましょう。
0歳児での予防接種開始が推奨されているワクチンを接種開始の順に解説します。
1歳児で予防接種開始が勧められているワクチンを、接種開始の時期順に解説します。
感染した豚の吸血をした蚊が人を吸血することにより感染します。発症率は少ないのですが、脳炎になると、「発熱」「頭痛」「嘔吐」などの症状が見られ、けいれんや意識障害がおこり、知的障がいや運動障がいなどの後遺症が残ることもあります。
日本脳炎のワクチンの推奨接種開始年齢は3歳です。生後6か月から受けることができますので、かかりつけ医と開始時期の相談をするとよいでしょう。
初回接種をした後、6~28日までの間隔をおいて2回目を接種し、2回目の接種から大体1年後に1回追加接種するのが一般的です。その後、9~10歳までの2期に1回接種します。
赤ちゃん期に接種が定められているワクチンは何種類もあります。赤ちゃんの体調のよいときを狙って、予防接種の期間に何度も病院に行くのは大変ですよね。
種類が多いため、行政から届く予防接種のお知らせなどでは2種類以上のワクチンを同じ日に接種する「同時接種」が推奨されているでしょう。同時接種による安全性と効果は証明されていますが、同時接種の副反応が気になる場合には、どの組み合わせで同時接種をしてよいか、かかりつけ医と相談するとよいでしょう。
予防接種後の副反応が気になるママもいるでしょう。予防接種後の副反応と注意点についてご紹介します。
薬を飲んだときに、薬の効果以外の症状が出ることを薬の「副作用」といいます。ワクチンを接種したあとに、何かしら反応が出る場合は、ワクチンの「副反応」といいます。
予防接種の副反応では、「発熱」や「接種部位が赤みや腫れ、しこりのように硬くなる」などの症状が特に多く見られます。
特に、接種直後に起こりうる「全身が腫れる」「けいれん」「呼吸困難」などのアナフィラキシーの症状は、すぐに対処が必要なため、ワクチン接種直後は、医療機関にとどまり、よく様子をみることが必要です。
ほとんどの副反応は、2~3日で落ち着くことがほとんどですが、「熱が続く」「高熱」などの症状があらわれた場合には、すぐに受診しましょう。
予防接種後に普段と変わった症状(副反応)が出たときには、すぐに病院でみてもらえるように予防接種を受けたあと30分程度は、受けた医療機関の近くにいるほうがよいでしょう。また、予防接種後にお風呂に入るのは問題ないですが、注射を打った箇所をこすったり、もんだり、ゴシゴシ洗うことは控え、安静を心がけましょう。
定期接種の予防接種予診票は自治体から事前に届きます。任意接種のワクチンの場合は医療機関で予防接種を患者側が申し込む形になります。
予防接種の予診票は、生後2カ月のワクチンデビュー前には各家庭に郵送で届くことがほとんどです。
転居して住所が変更になった場合は、接種票は使用できません。新しい住所の役所や保健所で、以前の居住先での予防接種歴を確認してもらい、新しい接種票を発行してもらいましょう。
予防接種予診票をなくしてしまったときには、再交付の手続きが必要です。該当の地域の役所や保健所に予め連絡し、母子手帳など子どもの年齢とワクチンの接種歴が分かるものを持っていくと、再交付してもらえるでしょう。
再交付は無料ですが、予防接種予診票が届いたら時期を逃さず接種するためにもしっかり管理しておくことが必要です。
予約が必要なワクチンや同時接種で進めなければならない予防接種もあるので、スケジュールを含め、医師に相談するとよいでしょう。
予防接種の種類は数多く、接種時期や接種回数など全て把握するのは大変ですよね。赤ちゃんや子どもの体調や予定を加味して予防接種のスケジュールを立てるのは大変です。しかし、予防接種は赤ちゃんを重症化しやすい病気から守るためにとても重要です。
予防接種には、予防接種法によって接種が定められている定期接種ワクチンと任意で接種する任意接種があり、ワクチンによって、0歳から接種できるものと1歳以降に接種が推奨させられているものがあります。
時期をしっかりと把握し、同時接種をしながら、それぞれの予防接種を受けるのに最もよいタイミングを逃さずに接種することが大切です。
予防接種で大切な子どもを病気から守りましょう。
千葉智子(上高田ちば整形外科・小児科)
上高田ちば整形外科・小児科 副院長。
小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。
2019年02月07日
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