【小児科医監修】O157の予防法とは。死滅温度やアルコール消毒について解説

【小児科医監修】O157の予防法とは。死滅温度やアルコール消毒について解説

気温が上がってくると、食中毒に特に注意が必要な季節になってきます。O157は、食中毒を引き起こす菌のなかでも感染力が強く、日頃の予防が大切です。O157とはとはどのような症状なのか、O157の潜伏期間や死滅温度、加熱やアルコール消毒による予防対策、家庭でできる2次感染予防法をご紹介します。

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

O157とは

O157の正式名称は、腸管出血性大腸菌O157です。大腸菌の一種で、食中毒の原因菌として知られています。通常の食中毒は100万個単位の菌で感染しますが、O157は50~100個程度の菌でも感染するほどの強い感染力が特徴です。

食中毒は、初夏から初秋に起こることが多いのですが、O157は気温の低い時期にも発生する可能性があり、1年を通して注意が必要です。

お腹痛い 女の子
iStock.com/kwanchaichaiudom

O157の症状

O157に感染すると、主な症状として腹痛や下痢の症状がみられます。潜伏期間を経たあと、激しい腹痛を伴った下痢が頻繁に起こり、その後、血便が出ることが特徴です。吐き気や嘔吐、発熱を伴う場合もありますが、発熱があっても一時的で高熱にはならないケースがほとんどです。

O157の感染経路

O157はどのように感染するのでしょうか。

食物から

O157は、菌に汚染された食品を、食べることで感染してしまうことがほとんどです。

人から人に感染

感染経路 ドアノブ
MIA Studio/Shutterstock.com

飲食物以外にも、O157にかかった子どもの便や嘔吐物から出る菌に触れたり、感染した人が触ったドアノブやおもちゃなどに触れた手で食事や調理をしたりすることなどで人から人への二次感染をしていきます。

咳やくしゃみを介したり、同じ空間にいたりすることだけではO157には感染しません。

O157の予防法

O157にかからないためにどのようなことに気をつければよいでしょうか。厚生労働省の食中毒予防の3原則をもとに具体的な予防法を見ていきましょう。

つけない

調理の前や帰宅時、トイレやオムツ交換のあとなどには、必ず石鹸を使って手を洗い、菌をつけないことが大切です。

ほかにも、まな板やお箸などの調理器具や食器は、使う度に洗い、清潔に保ちましょう。肉や魚などの生もの用と野菜、調理済みのものに使用する、まな板、包丁などの調理器具を使い分けることも菌をつけない対策になります。食品を保管するときは、菌が付着しないようにラップや密封できる容器で保管することで菌から守ることができます。

増やさない

購入した生ものなどの食品はなるべくその日の内に使いきるようにしましょう。菌は高温多湿な環境で増殖するため、どうしても使いきれなかった食材は冷蔵庫などの低温で保管することが大切です。また購入直後の食材もできるだけ早く冷蔵庫に入れるように心がけましょう。

やっつける

キッチン 料理
iStock.com/miya227

O157の細菌は熱に弱く、死滅温度は75℃です。75℃以上の熱で1分以上加熱することで菌を消滅させることができます。O157の死滅温度での加熱が行われていなかったために、感染が広がった事例として過去に、牛肉や牛肉の加工品、サラダなどが原因の集団感染がありました。肉や魚は死滅温度の75℃を意識して、中心部まで十分に加熱しましょう。

またO157は75℃で1分以上の加熱で死滅しますが、食べ物を電子レンジで温めるだけでは菌は死滅しないので注意が必要です。

出典:腸管出血性大腸菌O157等による食中毒/政策について/厚生労働省

家庭内でできる、O157の2次感染予防

O157に感染したときに家庭内で2次感染しないための予防対策を紹介します。

タオルの共有はしない

O157は、菌のついたタオルを共有すると感染の可能性があります。家族間でもタオルの共有はせずに分けるようにしましょう。

タオル 交換 赤ちゃん
KPG_Payless/Shutterstock.com

オムツ交換には手袋を使う

O157に感染すると、便からも菌が排出されるため、オムツ替えの際に便に触れないように気をつけましょう。直接便に触れてしまわないように手袋の着用が予防につながります。

もし触ってしまった場合には、石鹸を使ってよく手を洗い、アルコール消毒をすることが有効です。

ドアノブの殺菌

O157の菌がついたドアノブを触り、調理や食事をすると家庭内で感染が広がります。ドアノブなどの家族みんなが触れる場所はアルコール殺菌するとよいでしょう。

お風呂はシャワー

子どもに下痢の症状がある場合にはシャワーのみにしましょう。温度の高い湯船でO157が増殖する可能性があるからです。家庭内で感染が広げないために、O157の患者の入浴は最後にし、入浴後は掃除や消毒をするとよいでしょう。O157の流行シーズンには、普段からお風呂の水は毎日変えるようにしたいですね。

正しい予防対策でO157を防ごう

ママ 子ども 笑顔
iStock.com/kazoka30

O157は普通の食中毒よりも感染力が強いため、普段の食品の扱い方や保管の仕方などに十分注意が必要です。O157の正しい予防法とは

手洗い、うがい、アルコール消毒を徹底すること
食品を死滅温度で十分に加熱すること
調理器具や食器の消毒
食品の低温保存、殺菌する

など食中毒にならないために心がけて感染を防ぎましょう。

また家庭内でO157の感染があった場合には、タオルの共有は避けて、ドアノブは殺菌する、感染者のお風呂は浴槽に浸からずにシャワーにするなどの対策で家庭内での感染を広げないように注意しましょう。

監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)

No Image

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

眞々田 容子の監修記事一覧(バックナンバー)

台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。

症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。

お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。

クローバーこどもクリニックのブログ
クローバーこどもクリニック

2018年06月27日

専門家のコメント
20
    いちぽ先生 保育士
    食中毒怖いですよね。食事を作るときは手洗いをしっかりするだけでなく必ず除菌スプレーを手につ
    じゅん先生 保育士
    食中毒は怖いですね!手指消毒や生物の加熱は大切ですね!予防法や対処法を学ぶ事は、感染を広げ
    ぷん先生 保育士
    O157は怖いですよね。手洗いうがいや調理器具の使い分けで防げる病気はしっかり防いでいきた
    のんの先生 保育士
    とりあえず食べる前の手洗い・うがい消毒はてっていしています。
    こどもが多いと、ひとり観戦す
    すー先生 保育士
    食中毒は怖いです。1歳の娘はなんでもすぐ口にいれ、時には手も舐めます。家の中はアルコール消
    めい先生 保育士
    基本的な手洗いうがいに合わせて消毒が有効ですね。調理の際は、中が煮えていなかったということ
    ひよひよ先生 保育士
    怖いですね。
    手洗い、うがいをきちんとすることですね。
    また、うちの園では、夏場などは、手
    いちぽ先生 保育士
    食べる前の手洗いうがい、消毒は大事ですよね。
    癖付けをすることで、習慣になるので、食べる前
    なつまる先生 保育士
    食べる前の手洗いうがいに気をつけていました!ちゃちゃちゃっと洗った風の子もいましたので、手
    まい先生 保育士
    食中毒は目に見えないのでかなり慎重にしないといけないですよね
    特に今の時期はむしむしとして
コメントをもっと見る

トラブルの関連記事

  • 子どもの急な発熱やのどの痛み、もしかしたら「溶連菌感染症」かもしれません。実際に自分の子どもがかかった経験がなければ、詳しい症状などを知らない人も多いのではないでしょうか。「猩紅熱(しょうこうねつ)」ともよばれる、溶連菌感染症の原因と症状、特に流行しやすい時期、検査方法、注意したい合併症、治療方法や家庭でできる対応、登園目安や予防法などを医師に伺いました。

    眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

  • 保育園や幼稚園で冬場に集団流行しやすい病気のひとつ「おたふく風邪」は就学前の子どもがかかりやすい病気のひとつ。今回はおたふく風邪の流行時期や症状、そしてワクチンの重要性とホームケアや登園許可、予防法などについてご紹介します。

    金髙太一(おひさまクリニック)

  • 非常に強い感染力を持ち、空気、飛沫、接触など、人から人へとうつっていく麻疹(はしか)ウイルス。免疫を持っていなければ発症率はほぼ100%といわれています。今回は麻疹(はしか)と、混同されがちな風疹の症状や原因、感染経路や予防方法などについて解説します。

    金髙太一(おひさまクリニック)

  • 家庭内で過ごす時間が増えた今、子どもの猫背が気になることはありませんか。猫背は子どもの体にどのような影響を及ぼすのでしょう。今回の記事では、子どもの猫背で起こる影響や受診の目安、家庭でできる対処法について解説します。

    千葉直樹(上高田ちば整形外科・小児科)

  • 誤飲、口呼吸、歯並び、口内炎、口臭……こどもの口周りの悩みは意外と多いもの。そこで今回は医師監修のもと、口周りのトラブルの原因と対処法を解説した記事をピックアップしました。いざという時のため、長期的な子どもの健康のために、子どもに起こりやすい口周りのトラブルについて備えては。

  • トイレトレーニング(以下、トイトレ)は終わったのに、夜はおねしょが頻繁でまだオムツが手放せない…そんなお悩みはありませんか?そもそも何歳までおねしょをするものなのか、どこに相談していいのかも分かりませんよね。そこで今回は、おねしょと夜尿症の違いや、夜尿症の治療について解説します。

    保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)

  • 中耳炎は幼児期の子どもがかかりやすい病気のひとつ。子どもが耳を痛がる場合は、もしかしたら中耳炎にかかっているかもしれません。今回は、中耳炎の症状や早期発見のポイント、治療法と予防について解説します。

    金髙清佳(おひさまクリニック)

  • 「男性不妊」「男性の妊活」という言葉が一般的になりましたが、具体的に何から始めればよいのか、病院でどんな検査や治療をおこなうのか不安…という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、厚生労働省の妊活に関わる調査結果、男性不妊の主な原因、病院での検査内容や治療の流れについて解説します。

    杉山力一(杉山産婦人科)

  • WHOが2030年までに15歳以下の女子の接種率を9割まで高めることを新たな目標にし、注目されているHPVワクチン。しかし日本では、副反応に対する不安などから、ワクチン接種を控える保護者も多くいます。そこで今回は子宮頸がんの予防に有効なHPVワクチンの効果と、副反応について解説します。

    保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)

  • 初めて子どものけいれんを目にした場合、多くの保護者が焦りでパニックに陥るもの。とくに乳幼児に多い熱性けいれんは何故起きるのか、原因と対処法についてご紹介します。

    保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)

  • 子どもの便の量や頻度は人それぞれですが、子どもの便秘は放っておくと悪化して、治療が必要な慢性便秘症におちいることも。そこで今回は、子どもの便秘の原因と対策、さらには慢性便秘症になった場合の治療方法について解説します。

    保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)

  • 「新しい生活様式」が呼びかけられ、長引くマスク生活。マスク着用により、子どもたちに影響はあるのでしょうか?マスク着用の習慣がもたらす健康被害と口呼吸の危険性、マスク選びのポイントやマスクの作り方をまとめました。

カテゴリ一覧