子どものおねしょは何歳まで?夜尿症との違いと治療法

子どものおねしょは何歳まで?夜尿症との違いと治療法

トイレトレーニング(以下、トイトレ)は終わったのに、夜はおねしょが頻繁でまだオムツが手放せない…そんなお悩みはありませんか?そもそも何歳までおねしょをするものなのか、どこに相談していいのかも分かりませんよね。そこで今回は、おねしょと夜尿症の違いや、夜尿症の治療について解説します。

保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)
トイトレを始めて子どものオムツが取れるのは、3歳前後が一般的。この3歳という年齢には子どもの発達が大きく関わっています。

2歳頃までの子どもは膀胱におしっこをあまり溜めておくことができず、反射的に出てしまいますが、3歳頃になるともう少し長い間おしっこを溜めておくことが可能になります。

もちろん、この年齢はあくまで一般論であり、4歳、5歳までオムツがとれない場合もありますが、いつかは必ずとれるものなので、周りと比べ遅くても心配することはありません。

今回はトイトレ後のお悩みとして多い、子どものおねしょについて解説します。

おねしょと夜尿症の違いは?

トイトレの成功は乳児から幼児への成長の第一歩。オムツ替えの手間も消え、ママとしては少しほっとします。

しかし、昼間はオムツが外れても、お昼寝や夜の就寝中だけはおしっこを漏らしてしまうというお子さんは意外と多いもの。

「何歳まで夜のオムツをはかせるべき?」
「おねしょは治せるの?」

とお悩みのママたちのために、まずはおねしょと夜尿症の違いみていきましょう。
基本的には、子どもの年齢と頻度によって、おねしょか夜尿症かを区別することができます。
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おねしょとは

乳幼児期(0~4歳頃)の夜間の尿を指します。膀胱が未発達のため、膀胱におしっこを溜めておける量が少ないことが原因です。
この時期のおねしょは普通のことであり、治療の対象ではありません。

4歳頃までのお子さんで、昼間はトイレで成功しているのに夜間におねしょを頻発してしまう場合は、夜間だけオムツをはかせましょう。子どもが嫌がる場合は、
  • 子どもが寝てからオムツに履き替えかせる
  • パンツにつけるタイプのおねしょパッドを使用する
などの対策があります。

また、この年齢の子どもを無理に夜中に起こしてトイレに連れて行くのは、その場しのぎなうえに、成長の観点からみても望ましくありません。

夜尿症とは

一方、5歳以上で月1回以上のおねしょが3カ月以上続く場合、夜尿症と呼び、治療が必要な場合もあります。

子どものプライベートな問題のため、人に話せず抱え込んでいるママもいるかもしれませんが、5歳になってもおねしょがある子どもは全体の約20%、小学校低学年で約10%と決して少なくありません。

年齢が上がるとともに減少していきますが、小学校高学年や成人になっても続く場合も少数ですが存在します。夜尿症はアレルギー疾患に次いで多い慢性小児疾患のひとつですが、医療機関を受診し、治療を受けているのは患者の約5%とかなり少ないのが現状です。

夜尿症のメカニズム

寝ている間におしっこが出てしまう原因は、体の発達が大きく影響しています。
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夜尿症の原因と抗利尿ホルモン

夜尿症のおもな原因は、
  • 尿の量が多いこと
  • 膀胱に尿を溜められないこと
です。

大人になると夜間はあまりトイレに目覚めることはありませんが、これは尿を濃縮して尿の排泄を抑える「抗利尿ホルモン」の働きによるもの。

抗利尿ホルモンは睡眠を妨げないよう、睡眠中に腎臓で尿を濃縮して作る量を控えてくれます。抗利尿ホルモンの分泌が大人同様に多くなっていけば、自然とおねしょもなくなっていきます。

小児科での夜尿症の治療法は?

前述したとおり、夜尿症は体の発達にともない自然と治っていくものですが、個人差があるため、いつまでに治るとははっきりいえません。

濡れた衣類やシーツの洗濯など、長引けばママの身体的、心理的負担も大きくなるもの。分かっていてもつい叱ってしまうことで、子どもにもプレッシャーを与えてしまいます。

学童期になると夜尿のために子どもが自信をなくし、心理面や社会面、生活面に影響を及ぼすこともあります。5歳を過ぎて夜尿症に該当する場合は、まずはかかりつけの小児科医に相談してみましょう。
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尿検査でホルモンの数値を確認

小児科ではまず、おねしょの頻度や生活習慣などの問診をおこなうため、最近のおねしょの回数などをメモしておくとスムーズです。

尿検査では前述の抗利尿ホルモンの数値を調べますが、ホルモンの分泌が正常であっても、おねしょの頻度が多い場合は治療を受けることが可能です。

生活改善+投薬で夜尿を改善

子どもの夜尿治療はいきなり投薬ではなく、まずは以下のような生活改善から入るケースが一般的です。
  • 早寝早起きする
  • 夕食後就寝までを2時間空ける
  • 夕食後の水分はコップ1杯までにする
  • 塩分を制限した食事 特に夕飯時
  • 便秘に気を付ける
  • 寝る前にトイレに行く
  • 夜尿があったときに叱らない
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生活改善を1カ月程度おこなって改善が見られない場合は投薬をおこないます。

夜尿症の薬には
  • 尿の量を調節し尿の量を減らす薬
  • 膀胱の収縮を抑え尿をためる薬
がありますが、年齢や症状によって処方される薬は異なります。

服薬を始めたら、夜尿があったか、量がどの程度だったかを細かく記録し、1か月程度で定期的に受診し、改善があったかどうかを確認し、その後の薬の量や治療方針を決めます。

「たかがおねしょで治療は大げさ」と感じるかもしれませんが、年齢が上がれば子どもの自尊心にも大きく影響してくることが分かっています。

夜尿症の治療は5歳を過ぎてからでOK

子どもは決しておねしょをしたいと思ってしているわけではありません。

眠っている間の排尿は無意識であり、自分の力ではどうすることもできず、多くは成長とともに改善していきます。

叱ることなく、おねしょシート、オムツなど、まずはできうる対策を講じましょう。

薬を用いた治療では半年以内に70%の子どもの症状が改善したというデータもあるため、5歳、6歳を過ぎても頻繁におねしょをして夜尿症が心配という場合は、かかりつけの小児科や夜尿症外来を受診してみましょう。

監修:保科しほ

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保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)

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日本小児科学会専門医・指導医。麻酔科 標榜医。久留米大学医学部卒業後、横浜市立大学附属病院、国立成育医療研究センター、東京女子医科大学八千代医療センター、国立感染症研究所勤務を経て、医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック院長に就任。専門は小児感染症、小児救急、アレルギー。

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2021年02月27日

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