【小児科医監修】新生児のしゃっくりが多いのは病気?原因と対処

【小児科医監修】新生児のしゃっくりが多いのは病気?原因と対処

新生児のしゃっくりの回数が多い理由

生まれたての新生児がしゃっくりをする姿をかわいらしいと感じる一方、しゃっくりの回数が多いと何かの病気ではないかと心配になるママやパパもいるのかもしれません。新生児のしゃっくりの回数が多い原因や、気になるしゃっくりの受診の目安、新生児のしゃっくりの対処法について小児科医監修のもと解説します。

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

新生児のしゃっくりが多いのはなぜ?

iStock.com/kuppa_rock
何もかもが生まれて初めての新生児を見ていると、少しずつできることが増えていったり、日々新しい発見があったりと新鮮ですよね。

ママやパパは、新生児がしゃっくりをする姿を可愛らしいと感じることがあるでしょう。しかし、新生児のしゃっくりの回数が多いと心配になることがあるかもしれません。

大人と同じように新生児のしゃっくりも、腹部と胸部を隔てている「横隔膜」が無意識にけいれんすることで起こります。しゃっくりが起こる原因はわかっていませんが、横隔膜を含む呼吸器系が刺激を受けることで起こっているのではないかとされています。

しゃっくりをすると出る「ヒック、ヒック」という音は、横隔膜がけいれんし声門(声帯の間にある隙間)が素早く閉じるときに出る音です。

新生児は大人よりもしゃっくりが出やすい場合がありますが、なぜ新生児のしゃっくりが多いのか詳しく見ていきましょう。

新生児のしゃっくりが多い原因

生まれて間もない新生児のしゃっくりが多い原因はいくつかあります。

呼吸器系の未発達

大人が行なっている胸式呼吸とは違い、呼吸器系の未熟な新生児は横隔膜を使った「腹式呼吸」を行なっています。そのため、何らかの刺激が加わることで横隔膜がけいれんし、大人よりもしゃっくりが起こりやすいとされています。

また、大人が1分間に12~18回呼吸をしているのに対し、新生児は倍以上の40回も呼吸をしています。呼吸をする回数が多い分、大人よりもしゃっくりが発生しやすくなります。

ミルクといっしょに空気を飲み込む

新生児がしゃっくりをするタイミングとして多く挙げれらるのは、母乳やミルクを飲んだ後でしょう。

生まれたばかりの新生児はミルクを飲み慣れていないため、いっしょに空気を飲み込んでしまいます。ミルクと空気で膨らんだ胃が、横隔膜に刺激を与えることでしゃっくりが出やすくなるとされています。

ミルクを飲むことが上手になるにつれて、しゃっくりの頻度や回数は減っていきます。

些細な刺激に敏感

体温調節が苦手な新生児は、急な温度の変化や、おしっこで塗れたおむつが冷えることにより、体が冷えて横隔膜が刺激を感じ、しゃっくりが出ることがあります。

室内の温度に気を配り、おむつをこまめに換えたり、沐浴でリラックスをすることでしゃっくりが改善されることがあります。

気になるしゃっくりをするときの病院受診の目安

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新生児のしゃっくりの回数が多いと、病気ではないかと心配になることがあるかもしれません。

基本的にはしゃっくりは自然に止まります。しゃっくりの回数が多い場合でもしばらく様子を見ていれば問題がないことがほとんどです。

ただし、しゃっくりの多さに加えて注意が必要な症状もあります。
  • 発熱があり、ぐったりしている
  • ミルクや母乳を吐いてしまう
  • しゃっくりが2、3時間以上継続している
以上のような場合は、病院で相談しましょう。

しゃっくりが多いと何かの病気?

しゃっくりが多いときや、以下のような症状がみられるときには注意が必要です。

逆流性胃腸炎

体の機能が未熟な新生児は、胃から食道への逆流が起こりやすく、胃酸が食道に流れて炎症を起こしてしまうことがあります。

しゃっくりの回数が多いことに加えて、嘔吐や酸っぱい匂いのよだれが過剰に出る場合は「逆流性食道炎」の可能性が考えられるため、病院で診察を受けましょう。

食物アレルギー

新生児の場合は、ママの食べた物の中に何らかのアレルギー反応を起こす食べ物があり、アレルギー反応を起こししゃっくりが出ることがあります。しゃっくりに加えて、「ヒューヒュー」する呼吸音で息苦しそうだったり、蕁麻疹や顔のむくみが出た場合は、病院で受診しましょう。

授乳後に新生児のしゃっくりが頻繁に起こる場合はアレルギーによりしゃっくりが出ている可能性があります。どの食べ物に対してアレルギーを起こしているのか特定するため、授乳前に何を食べたかメモするとよいでしょう。

新生児のしゃっくりの対処法

基本的にはしゃっくりが自然におさまるのを待つことが対処法として挙げられます。
しゃっくりを止めたいときに、大人の対処法をそのまま体の小さな新生児に当てはめると危険な場合があります。

新生児のしゃっくりを止めたいときに、よい対処法と危険な対処法をそれぞれ解説します。

新生児のしゃっくりを止めるときのよい対処法

ミルクや母乳といっしょに空気を飲みこみ、しゃっくりが出ている場合にはゲップを出すことでしゃっくりがおさまる場合があります。ミルクを飲んだ後に、背中をやさしくトントンするとゲップが出てミルクの吐き戻しを防ぎ、しゃっくりが止まることがあります。

体の冷えなどから横隔膜が刺激されてしゃっくりが出ている場合には、ミルクや白湯など温かい飲み物を飲むとおさまることがあります。

新生児には危険な対処法

新生児をうつ伏せに寝かせてしゃっくりを止めるという方法は危険を伴うため避けましょう。新生児を含む赤ちゃんのうつ伏せ寝にはSIDS(乳幼児突然死症候群)が発症する可能性があり、窒息のおそれがあります。

大人の場合は急に驚いたり、鼻に刺激を与えくしゃみをすると、しゃっくりが止まるといわれていますが新生児の場合は当てはまりません。急に強い刺激を与えることは、呼吸が一時的に止まるなどの危険があるため、新生児に行なうのは避けましょう。

大人の場合は水を飲むとしゃっくりが止まることもありますが、消化器官の未熟な新生児にとっては負担となる場合があります。水を一度沸騰させ適温まで冷ました白湯や、母乳、ミルクを飲ませてしゃっくりを止めるとよいでしょう。

しゃっくりの回数が多いときは新生児の様子を見守ろう

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呼吸器系がまだ未熟な新生児は、大人よりもしゃっくりが出やすいとされています。

温度の変化などの些細な刺激にも敏感なため、横隔膜が刺激を受けやすいことが新生児のしゃっくりが多い原因となっています。母乳やミルクを飲むときに空気をいっしょに飲み込んでしまうことも原因の一つです。

基本的にはしゃっくりは自然におさまりますが、しゃっくりが多いことに加えて新生児の元気がないときには様子を見守りましょう。発熱や嘔吐がある場合には、特に注意が必要です。

大人のしゃっくりの対処法は新生児にそのまま当てはまらないため、ゲップを促したりミルクなどを飲ませるなどの対処をするとよいでしょう。

監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)

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眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

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台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。

症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。

お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。

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クローバーこどもクリニック

2020年01月22日

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