【耳鼻科医監修】子どもの夜のいびきは鼻づまりが原因?いびきの原因や注意が必要な場合とは

受診の目安や治療法などもあわせて紹介

【耳鼻科医監修】子どもの夜のいびきは鼻づまりが原因?いびきの原因や注意が必要な場合とは

夜の子どものいびきや鼻づまりが気になることはありませんか?いびきの原因やどのような場合に受診が必要か気になることもありますよね。今回の記事では、夜のいびきの原因や、いびきや鼻づまりが子どもの成長に与える影響の他に、受診の目安や治療法についても解説します。

子どもの夜のいびきが気になる

いびきは、鼻から口、のどにかけての空気の通り道が狭くなることで起こる雑音のことをいいます。夜に寝ているとき、子どもがいびきをかくことがあるかもしれません。

いびきの音が大きかったり、鼻づまりで苦しそうにしたりする様子があると、心配に思うママやパパもいるのではないでしょうか。体が疲れているといびきをかく場合もありますが、他の病気が隠れている場合もあるので注意が必要です。

今回は、子どものいびきの原因や影響、受診の目安や治療法について解説します。

いびきの原因

どのような場合に子どもがいびきをかくのでしょうか。考えられる原因や病気について解説します。


口蓋扁桃の腫れ

口蓋扁桃は、舌の付け根の両側にあるこぶのように発達したリンパ組織です。呼吸によって体内に侵入するウイルスや細菌などの病原菌から体を守る働きがあります。

扁桃腺が腫れると、のどの痛みを感じたり、発熱することがありますが、場合によって、いびきをかくこともあります。


アデノイド増殖

鼻とのどがつながる上部分に、アデノイドというリンパ組織があります。このアデノイドが風邪などの原因で大きくなり、鼻や耳にさまざまな症状を起こす場合をアデノイド肥大といいます。

アデノイドは、成長とともに大きくなり、その後少しずつ小さくなっていきます。アデノイドが大きいと、いびきの原因になる場合があります。



鼻の病気

鼻風邪を引いた女の子
ryanking999- stock.adobe.com

アレルギー性鼻炎や、副鼻腔炎など鼻の病気、風邪による鼻づまりが、いびきの原因になっている場合もあります。鼻づまりは、自然に治っていくこともありますが、気づかないうちに慢性化して悪化することもあるので注意が必要です。

子どもの様子を普段からしっかり観察しておくようにしましょう。

いびきや鼻づまりによる影響

いびきや鼻づまりがひどくなると、子どもの成長に影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。どのような影響があるのでしょうか。


睡眠不足

いびきによって、睡眠が浅くなったり、夜に何度も起きたりすると、じゅうぶんな睡眠が得られなくなってしまいます。鼻づまりによってなかなか寝つけず睡眠不足になる場合もあるでしょう。

幼児期の成長に大切な成長ホルモンは、深い睡眠時に分泌されるため、睡眠不足にならないように注意が必要です。


口呼吸になる

鼻づまりになると、鼻で息ができないことから口呼吸になってしまいます。夜に口を開けたまま寝ていると、口腔内が乾燥してのどが痛くなる場合もあるでしょう。

子どもの口呼吸は、感染症のリスクが高まるだけでなく、顎の形成や歯並びなどに影響したり、姿勢の悪さにつながるなど、さまざまな問題を起こす可能性があります。


落ち着きがなくなる

夜のいびきによる睡眠不足や、鼻づまりが原因による口呼吸の慢性化によって、日中の子どもの落ち着きがなくなる場合もあります。

それとは反対に、無気力になる子どももいるため、子どもの様子をしっかり確認しておくように心がけましょう。

子どもの日中の様子がいつもと違うと感じるときは、子どもの夜の様子を観察することも大切です。

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受診の目安

病院で診察を受ける子ども
Monet- stock.adobe.com

いびきをかいていても、夜に寝苦しそうな様子がなく、睡眠がしっかりとれて日常生活に支障がなければ、様子をみても大丈夫です。睡眠時に苦しそうにしていたり、無呼吸になっている場合は、脳に酸素を送る量が少なくなっている恐れがあるため注意が必要です。

いびきが続く、夜に何度も起きるということがあれば、病院で早めに受診をしましょう。耳鼻咽喉科の他に呼吸器外来、いびき外来などで、受診をする場合があります。受診の前に、子どもの夜のいびきの様子を動画撮影しておくとスムーズに診断ができるでしょう。

口蓋扁桃やアデノイドの大きさは、個人差があり、3歳から7歳をピークに少しずつ小さくなっていきます。特に問題がなければ気にする必要はありませんが、鼻づまりが続く、いびきが続くなどといった症状がある場合は、一度受診をするとよいでしょう。

いびきの治療法

アデノイド増殖症の場合には内服薬によって縮小できる場合があるので症状が軽い場合にはおすすめです。それでも症状が改善しなかったり、無呼吸がある場合には手術で切除することもあります。

口蓋扁桃肥大でも同様にいびきや無呼吸がひどい場合には切除することがあります。

アレルギー性鼻炎は、抗アレルギー薬を使って治療します。治療薬は、粉薬、錠剤の他に、子どもが飲みやすいシロップなどさまざまあります。

鼻づまりや副鼻腔炎の治療として、薬物治療のほかに、吸入や鼻洗浄などをして鼻をきれいにする治療を行なう場合もあります。

いびきが気になる場合にはクリニックもしくは病院に受診して無呼吸検査を受けて実際にはどれくらいの重症度なのかを確認するとよいでしょう。

その程度によって治療法が変わってきます。

夜の子どもの様子を確認しよう

寝ているときの子どもの様子
metamorworks- stock.adobe.com

子どもが夜、いびきをかく原因には、扁桃腺の腫れやアデノイド肥大、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などさまざまな鼻のトラブルが考えられるでしょう。

鼻づまりや鼻のトラブルによって口からのどにかけての呼吸の通り道が狭くなると、夜にいびきをかく場合があります。一時的なものであれば特に注意は必要ないですが、無呼吸になっていたり、睡眠不足などで日常生活に影響があるときは、早めに病院で受診をしましょう。

子どもが風邪をひいて鼻づまりになったり、夜のいびきや日中の口呼吸が気になるときは、夜の子どもの様子をしっかり確認することが大切です。


監修:三塚沙希(エムズクリニック白金 院長)

Profile

三塚沙希(エムズクリニック白金)

三塚沙希(エムズクリニック白金)

エムズクリニック白金 院長。 わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。

2019.11.12

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