【調査】対面かオンラインか。広がる「ハイブリッド授業」保護者の声は?
緊急事態宣言下、2学期に投入した全国の小学校。新型コロナウイルス感染対策を強いられる中、各校ではさまざまな対応がとられている。今回は、各家庭で「対面授業」「オンライン授業」を選択できる「ハイブリッド授業」の導入について、小学生の子どもを持つ保護者に話を聞いた。
新型コロナによる緊急事態宣言を受け、9月1日の新学期以降も休校を延長する学校や、対面授業を行う学校など、対応はさまざまだ。
そんな中、各家庭で子どもを登校させるか、オンラインで授業を行うかを選択できる「ハイブリッド授業」を行う学校も増えている。
教室にいる生徒と自宅のタブレットで授業を受ける生徒。教える側も教わる側も不慣れな状況下を、保護者はどのように感じているのか、話を聞いた。
「オンライン授業」を選択した、意外な理由
茨城県取手市に住む小学2年生の男の子の保護者Aさん。自身が在宅ワークなこともあり、できれば日中、子どもを学校に行かせたい。しかし感染対策に加え、意外なハードルにより、オンライン授業を選択した。
Aさん
通常と異なる授業形態となったことで、オンライン授業へと踏み切る形になった。
「ハイブリッド授業」気になる内容は
東京都多摩地区在住、小学5年生の息子を持つBさんは、日によって対面とオンラインの授業を使い分けているという。基本的には登校させているが、大人数での合同授業の日や、まわりに感染者が出たという情報が入った場合はオンラインに切り替えている。
しかし、オンライン授業と言っても「ただ子どもをパソコンの前に座らせておけばよい」というわけにはいかない。
Bさん
前述のAさんの学校では、先生が日々、授業内容の試行錯誤を繰り返しているという。
Aさん
Twinsterphoto/Shutterstock.com
知らなかった家族の一面を知るきっかけに
授業をオンラインに切り替えることによる不安のひとつに「クラスメイトとのコミュニケーション」が挙げられたが、子どもたちなりに、新たな環境に適応しようとしている姿がうかがえる。
Aさん
また、在宅ワークをする保護者の姿も子どもの目には新鮮に映っているようだ。
Bさん
しかし、このままオンライン授業が続くことへの不安も抱いている。
ハイブリッド授業、いつまで続くの?保護者の不安
Bさん
Aさん
また、日々状況が変わる不安定な環境が終わりの見えないままで続くことで、子どもの精神状態が心配だという声もあった。
「ハイブリッド授業」を実施していない小学校に子どもを通わせる、東京都北区在住のCさんからも話を聞いた。
対面授業のみの学校、完全リモートの私立小学校。それぞれの保護者の声
Cさん
また昨年の自粛期間からいち早くリモート授業を取り入れた都内の私立小学校に、子どもを通わせるDさんにも取材を実施した。
子どもたちは慣れた様子でオンラインでの授業に取り組んでいるという。
Dさん
学校によって、対応が大きく異なる実情がうかがえる。
取材を通して印象的だったのは、Aさんのある言葉だった。
Aさん
諦めることに慣れ始めている子どもたち
リモートワークが長く続き、自分たちの仕事もままならない中、日々めまぐるしく変わる授業形態に対応する保護者、そして子どもたち。
かつてのような「皆が足並みを揃える」教育から、「自らで学び方を選択する時代」へ。過渡期が来ているのかもしれない。
また今回、記事の取材にあたり、10名近い小学校教諭へとアポイントを試みたが、期日内に回答が可能だという教諭はいなかった。そのような状況自体が、いかに現場がひっ迫しているかを物語っていると痛感する。
<取材・執筆>KIDSNA編集部
2021年09月10日
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