分娩時間は、いつからスタートしていつまでを指すのでしょうか。出産の流れや分娩時間が初産婦と経産婦でどのように違いがあるのかについて具体的にご紹介します。また分娩時間が短いときと長引いたときの注意点を解説します。
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前駆陣痛か本陣痛かの見極めは、陣痛がくる周期が10分以内に規則的になったり、1時間に6回陣痛がくると本陣痛とみなします。
分娩には分娩第1期から分娩第3期と流れがあります。出産にかかる時間や特徴を詳しく見ていきましょう。
分娩時間が短いと、陣痛やいきみに長時間耐えなくてよいですが、出産後の子宮収縮が上手く行われず、出血量が多くなる可能性があります。
初産婦は30時間、経産婦で15時間以上かかるとお産時間が長いと言われています。
ママの骨盤と赤ちゃんの頭の大きさが合わず、産道をなかなか通り抜けられなかったり、赤ちゃんが成長して巨大児になっている、多胎児などが原因で分娩時間が長引くと考えられます。
お産の時間が長引くと微弱陣痛が続き、ママの体力が消耗するので、陣痛促進剤を使って陣痛を強めたりします。
場合によっては赤ちゃんが苦しい状態になって緊急帝王切開で出産することになるかもしれません。
また病院によって変わってきますが、お産が長引くと時間外や深夜料金など時間外加算されるケースがあります。
分娩をなるべくスムーズにすすめるために以下のようなことを心がけましょう。
出産時にママが緊張している状態だと体力を消耗し、微弱陣痛が続いて分娩時間が長引く場合があるため、なるべくリラックスすることが大切です。
お気に入りのアロマの香りをかいだり、好きな音楽を聴いて落ち着いてお産に臨めるようにしましょう。
妊娠中はホルモンバランスの影響で体温調節ができずに、身体の末端に冷えを感じる人も多いようです。
子宮口が開きやすいように食べ物や飲み物も温かいものを選んで、身体を冷やさないことが重要です。
呼吸法を習得しておくと、お産の進み具合に合わせて呼吸ができて身体に力が入りすぎず、赤ちゃんにもしっかりと酸素が送れます。
身体が硬くならず、落ち着いて出産に臨めるでしょう。
分娩時間は、本陣痛が始まった分娩第1期からカウントし、胎盤が外に出された分娩第3期を指します。
分娩時間は初産婦と経産婦で変わってきますが、分娩第1期が最も長く、初産婦で10~12時間程度、経産婦で4~6時間程度が平均です。
出産にかかる時間は、初産婦で平均11~15時間程度、経産婦の場合は、6~8時間が一般的な時間ですが、個人差があります。
分娩時間が短いと、子宮収縮が上手くいかず、出血量が多くなる場合があります。反対に分娩時間が長引くと、赤ちゃんが苦しくなって緊急帝王切開になったり、陣痛促進剤を使用しての出産になるかもしれないので注意が必要です。
分娩がスムーズに進むように、身体を温めたり、呼吸法を習得して、自分に合ったリラックス方法を見つけて出産に臨みましょう。
ママと赤ちゃんが向き合って共に頑張る分娩時間を大切にしてください。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
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2019年07月11日
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