1世帯あたりの年間支出額は約10万円…「コメ離れ」の裏で日本人の食卓の主役になった「パン」ではない食べ物
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コメ価格の高騰が続いている。流通経済大学教授の白鳥和生さんは「単なる不作が原因ではないい。制度・物流・流通構造にほころびが生じた結果だ。その根底には日本人の食生活の変化がある」という――。(第1回) ※本稿は、白鳥和生『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか』(朝日新書)の一部を再編集したものです。
日本人の「牛肉離れ」が加速している
農林水産省「令和5年度食料需給表」によると、牛・豚・鶏を合わせた「肉」の1人あたり消費量は、この30年で2割増、さらに遡さかのぼった1960年度と比べると10倍に増えた。長らく豚肉が鶏肉を上回って推移していたが、2012年度に鶏肉が逆転。2023年度の1人あたり消費量では、鶏肉は14.4キログラム、豚肉は13.1キログラムと差が広がった。
一方、牛肉の消費は2001年のBSE(牛海綿状脳症)問題などで激減し、2023年度は6.1キログラムと、2000年度のピーク時に7.6キログラムに達した勢いはない。

牛肉と鶏肉の国内消費は好対照をなしている。2024年度の牛肉の出回り量は、前年度比3.3%減の約84万トンだった。コロナ禍が本格化する前の2019年度までは増え続けたが、2020年度から5年連続の前年割れ。一方、2024年度の豚肉は0.4%増の約185万トン、鶏肉は1.7%増の約234万トンだった(*1)。特に鶏肉の伸びが際立つ。





























