いきなり「少しお静かに」は絶対にダメ…「あたりのいい人」がお願いの前に付け加える"声かけフレーズ"
相手に気持ちよく動いてもらう作法
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お願いごとをするのが上手い人は何をしているか。元JALのCAで研修コンサルタントの香山万由理さんは「お願いごとをするときは、いきなり切り出してはいけない。人あたりの達人は『あいさつ』『お願いごと』『お礼』の3点セットを心がけて、相手を身構えさせることなく動かしている」という――。 ※本稿は、香山万由理『仕事ができる人は、「人」のどこを見ているのか』(光文社)の一部を再編集したものです。
お願いごとをする前に「距離」を縮める
仕事ができる人は、「頼み方」を見ている
人と人とのコミュニケーションには、大きく分けて2種類あります。
ひとつはチャット(おしゃべり)です。目的は楽しい時間を過ごすことであり、おしゃべりをすることそのものに価値があります。
もうひとつは、マニピュレート(manipulate)です。
マニピュレートとは、「〔手で〕操作する、巧みに扱う、操る、コントロールする」「〔問題・情報などを〕巧みに処理する」という意味の言葉で、コミュニケーションにおいては、自分の意図に従って相手を動かすということです。
そういうと難しそうに聞こえますが、実は私たちは生まれたときから、マニピュレートをしています。たとえば赤ちゃんが泣くこと。これは、泣くことで、ミルクが欲しい、おむつを替えてほしいという気持ちを相手に伝えているのです。また、私たちは大人になってからも、日々仕事やプライベートで自分の意図することを周りの人に伝えています。
メールの返信が欲しい、レストランでオーダーを取りに来てほしい、美容院でこういう髪型にしてほしい、人を紹介してほしい、片付けてほしい……。これらはすべてマニピュレートです。
このように、私たちは一日の大半をマニピュレートして過ごしているといっても過言ではありません。そして、できるならば自分が意図する通りに相手に動いてほしいと思っています。
では、どうしたら自分の意図通りに相手が動いてくれるのか。それは「頼み方」が上手かどうかです。マニピュレートの上手な人のほうが、願いは叶いやすいのです。