「べらぼう」で生田斗真演じる一橋治済が黒幕か…オランダ人が書き残していた田沼意知殿中刺殺事件の「真相」

「べらぼう」で生田斗真演じる一橋治済が黒幕か…オランダ人が書き残していた田沼意知殿中刺殺事件の「真相」

「意知が吉原の花魁・誰袖を身請け」は史実なのか

1784年3月、田沼意次の息子、意知は江戸城内で佐野政言に刺殺される。歴史評論家の香原斗志さんは「斬殺事件の動機については当時から私怨説と公憤説があり決着はついていない。そんな中で、オランダ商館長が残した記録に興味深い内容が書かれていた」という――。

人気花魁・誰袖と田沼意次の息子の関係

このところNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」では、父の田沼意次(渡辺謙)以上に、長男の田沼意知(宮沢氷魚)がクローズアップされている感がある。江戸城中では、父のすぐ後ろにいつも姿が確認できる。そして、花雲助という狂名(狂歌を詠む際の号)で、吉原をはじめ市井にも現れる。それも遊んでいるように見えて仕事をしている。

第26回「三人の女」(7月6日放送)では、蔦重こと蔦屋重三郎(横浜流星)のもとを訪れた。商人なら米の値をどうやって下げるか、聞きにきたのだ。その前に、吉原の十文字屋の花魁、誰袖(たがそで)とともに過ごす姿も描かれた。

この「吉原遊び」は、蝦夷地(北海道)を幕府領にして、幕府がロシアと交易する条件づくりのためのもの。すなわち、松前藩から蝦夷地の支配権を奪うために、松前藩が禁制の抜け荷(密貿易)をしている証拠をつかむのが目的で、誰袖は、うまくいったら意知に身請けしてもらうという条件で、情報収集に協力していた。

逢瀬を重ねるうちに、2人はともに心を通わせるようになっていたが、天候不順に浅間山の噴火が重なり、いまや米不足の最中。第26回では意知は誰袖に、米の値が下がるまで当分は吉原に通えない旨を告げた。

誰袖が「仮の名で、しかも月に1度のお越し。バレるとも思えんせんが」と返すと、意知は答えた。「近々、若年寄になるということもあってな。しかし、かような折ゆえ、風当たりが強くなることは必至でな」。誰袖は聞き返した。「それでは、身請けの話は?」。

しかし、意知は間もなく、「当分」どころか永遠に吉原に通えなくなる。とんでもない悲劇に見舞われたからである。

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2025.07.16

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