まるで異世界だよ…「大阪・関西万博」ではオワコン、「20年前の愛知万博」では必需品だった"アイテム"【2025年6月BEST】

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もうスマホがなければ何も知れない、できない

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20年間で様変わりした「万博の情報空間」

この1年の国政選挙や地方選挙で、ソーシャルメディア(SNS)の発信力が伝統的メディアである新聞やテレビを凌駕し、選挙結果を左右するほど大きな影響を与える事態が明らかになってきたが、今やSNSの増大するパワーは、選挙にとどまらなくなっている。

開催中の大阪・関西万博(以下、大阪万博)で、筆者は、SNSが提供する情報の有用性と、新聞・テレビが発信する情報の乏しさを、身をもって体感。「利用者が必要としているメディアとは何か」を、否応なしに突きつけられた。

万博という国を挙げての一大イベントで、来場者が頻繁に利用するメディアは、X(旧ツイッター)やInstagram(インスタグラム)、Facebook(フェイスブック)、それにYouTube(ユーチューブ)などのSNSであり、万博協会の公式サイトも含めた、さまざまなネットメディアなのである。そこには、新聞やテレビが入り込む余地はほとんどないと言っていい。


実は、20年前の2005年に開かれた愛・地球博(愛知万博)で、筆者は、万博協会の情報通信部門の事業を委託された「NTT・KDDI・電通・中日新聞合同企業体」で、公式サイトや万博新聞などさまざまな万博情報の発信を担当する総合編集部の総編集長を務めていた。

当時は、SNSはまだ普及しておらず、ネットメディアといっても、通信回線が貧弱なため、ホームページでのテキストや写真の掲載にとどまり、動画の再生もままならなかった。

「ほしい情報をすぐに得られなければメディアじゃない」

携帯電話も3G(第3世代移動通信システム)のガラケーしかなく、ネットサービスと言えばNTTドコモのiモードやKDDIのEZwebがもてはやされていた時代である(スマートフォンのiPhone登場は2007年)。会場を行き交う人は、公式ガイドブックや万博新聞(会場で入手できた)の印刷メディアを手に、パビリオンをめぐり、イベントを楽しんでいた。

このため、愛・地球博の来場者にとっては、ネットメディアよりも、新聞やテレビが「信頼できる情報源」としてはるかに大きな存在感を持っていたのである。

それだけに、大阪万博における情報の発信や伝播、来場者の情報行動(探索・利用・共有)などに強く関心をもって来場したのだが、来場者のニーズと新聞・テレビが発信する情報には大きなズレがあった。もはや「来場者にとって、ほしい情報をすぐに得られなければメディアじゃない」と言えるほど、メディア環境は様変わりしていた。

2つの「万博の情報空間」には隔世の感があり、かつてメディアの盟主といわれた新聞やテレビのマスメディアの限界を、あらためて実感せずにはいられなかった。

愛・地球博から20年後の大阪万博は、あらゆる意味で「情報革命=メディアの激変ぶり」を見せつけたのである。

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https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-250630-12911437

2025.07.15

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