「22時までに夕食は済ませる」毎日決まった時間にスムーズに眠るために医師が実践している"夜のルーティン"
どうしても昼寝するなら「椅子仮眠法」で
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布団に入ってからスムーズに眠りに入るためのポイントはあるのか。医師の加藤浩晃さんは「自分に合ったルーティンを見つけるといい。私のルーティンを紹介しよう」という――。 ※本稿は、加藤浩晃『休養ベスト100 科学的根拠に基づく戦略的に休むスキル』(日経BP)の一部を再編集したものです。
就寝90分前に39~40℃の湯船に15分つかる
快眠のためのルーティンとしては、就寝の90分前にお風呂に入り、少しぬるめの39~40℃の湯船に15分つかるのがおすすめです。これにはきちんとした理由があります。
・熱めのお湯につかると自律神経に影響が出て寝付きが悪くなってしまう
・ぬるめのお湯に15分つかると体温が上昇し、その後、体温の低下が大きくなって、眠気がやってくる
この2つのポイントについて、解説していきましょう。
まず、「自律神経」とは、呼吸や消化吸収、心拍、体温などをコントロールして体の機能を一定に保つもので、「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。交感神経は、昼間に心身を活発に活動できるよう導くもので、興奮や緊張をもたらします。副交感神経は、逆に、夜に心身を休息に導き、リラックスさせる働きがあります。
交感神経が優位になると寝付きが悪くなる
夜に心地よく眠るためには、副交感神経が優位になる必要があるのですが、熱めのお風呂に入ると、交感神経のほうが活発になり、なかなか眠気がやってこなくなってしまうのです。
ぬるめのお湯でも15分つかることで、体をしっかり温めることができます。ここでカギを握るのは、体の中心部(脳など)の温度である「深部体温」です。深部体温は、昼間は高めにキープされていますが、就寝中は下がります。入浴によってこの深部体温を一時的に上げると、その後の深部体温の低下が大きくなり、そのときに自然と眠気がやってくるのです。
就寝前には、手のひらと足の裏から放熱が起こり、深部体温が低下します。このとき、靴下をはいていると体温の調節が妨げられる可能性があります。冬に寒いからと靴下をはいていると、寝付きが悪くなってしまうかもしれないのです。
一方で、熱めのお風呂が好きという人もいるでしょう。実は私も熱めのお風呂が好きで、42℃くらいのお湯につかるとリフレッシュできると感じています。
熱めのお風呂に入ると交感神経が優位になり、寝付きが悪くなってしまうので、確かに気を付けなければなりません。ですが、寝る90分前ではなく、もっと早い時間に、42℃くらいのお湯に短い時間入るのなら、そこまで影響は大きくないと考えています。私は、熱めのお風呂に入りたくなったときは、平日でもそのようにしています。