「塾の夏期講習」宿題を全部やろうとしたらパンクする…中学受験のプロが教える"今から立てておくべき戦略"

「塾の夏期講習」宿題を全部やろうとしたらパンクする…中学受験のプロが教える"今から立てておくべき戦略"

6年生の夏休みは大人から見ても非常にハード

中学受験生の夏休みは忙しい。勉強量で潰れないためにはどうすればいいのか。プロ家庭教師集団名門指導会代表の西村則康さんは「宿題は必ず取捨選択をしよう。6年生の場合は、オプション講座を受講しないという選択が功をなすケースが多い」という――。

夏期講習に起きている変化

もうすぐ夏休みがやってくる。小学生の子供たちにとっては「遊び三昧の日々!」……というのは、かつての話。今や首都圏では5人に1人が中学受験をする時代。夏休みは塾通いで終わってしまう子も少なくない。

夏休みになると、各塾では夏期講習が実施される。夏期講習の対策については、これまでいろいろなところで伝えてきたが、数年前から変化が出てきている。首都圏の大手中学受験塾といえば、SAPIX、四谷大塚、早稲田アカデミー、日能研の四大塾が挙がるが、以前は予習型のSAPIX、復習型の日能研、予習・復習の折衷型の四谷大塚と早稲田アカデミーというように、3つに分類されていた。

予習型というのは、夏期講習の間も次々と新しい単元を学習し、9月以降も先へ先へとどんどん進む塾。復習型というのは、夏期講習中はこれまでに習った単元の復習に徹し、新しい単元は扱わない塾。折衷型は復習を中心に行いながら、一部新しい単元にも触れる塾。ただし、新しい単元は9月の授業でもう一度学習をする。

そして、私は「予習型のSAPIXは参加必須だが、復習型と折衷型の3塾については、4・5年生は参加の取捨選択をしたほうがいい」と言い続けてきた。すでに基礎ができている子なら、その期間は一部の苦手単元や理科社会の学習に充てたほうが効果は高いからだ。

四谷大塚と早稲田アカデミーが「予習型」に近づいている

ところが、4年前に四谷大塚と早稲田アカデミーのメインテキストである「予習シリーズ」が大改訂をしてから、その内容が極端に難化し、進度も速くなった。そのため、もはや四谷大塚と早稲田アカデミーは折衷型の塾とは言い難くなってきているのだ。現時点でも復習分野はあるものの、新しい単元が多く含まれていて、しかも夏期講習中に習ったものは9月以降に復習せず、そのまま先へ進むという予習型のSAPIXに近い進度になってきているのだ。

新しい単元の学習をしつつ、それまでの復習もしなければならない。そのため、以前よりも学習量が大幅に増え、ハードな内容に変わっている。以前のイメージのままでいくと、大混乱に陥るので注意が必要だ。「受講しない」という選択肢はほぼないと思っておいたほうがいいだろう。

また、すべてを全力で頑張らせようとすると、子供がもたなくなる。事前にカリキュラムを見ておき、「今日はこの教科を重点的に頑張ろう」「算数のこの単元は重要単元だから、ここはしっかり時間をとって復習しよう」など、カリキュラムに応じて勉強量を増やしたり減らしたりとメリハリをつけることをすすめる。小4の算数では「小数と分数」、小5の算数では「比」が全員にとっての重要単元になる。大事なのはここで、できるだけ苦手単元を作らないことだ。

詳細を見る

この記事を読んだあなたにおすすめ

画像

https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-column-250609-82158347

2025.06.13

ニュースカテゴリの記事

「イクメンって言葉が嫌い」は男女の分断を広げる?【てぃ先生×治部れんげ】
子育てや教育のテーマを元に読者から集めた質問にゲストスピーカーと対話する動画記事コンテンツ。