恋人同士が本当に話すべきは「楽しかったこと・面白かったこと」ではない…相互理解に役立つ"2つの話題"
「ケンカしても円満」には理由があった
Profile
男女間の強固なパートナーシップを築くにはどうすればいいか。恋愛中の二人が、ある日ささいなケンカをきっかけにして、現実に引き戻されるのは、実は「本当に話すべきこと」を話していなかった可能性があるという。臨床心理士の平木典子さん、明治学院大学心理学部心理学科教授の野末武義さんの共著『大切な人とうまくいく「アサーション」』(三笠書房)より紹介しよう――。
「相手のことしか見ていない」人ほど要注意
二人が一緒に過ごしていることが自然で、心地よくて、無理がない。
そんなカップルになるためには、やはりある種の“努力”や“コツ”が必要です。
それが「観察」「想像」「聴く」「伝える」です。
これができていれば、二人はときにはケンカをしたり、相手に腹を立てたりしながらも、円満に暮らしていけるでしょう。
これは、パートナーとの関係だけに限らず、すべての人間関係にいえることです。
この4つがうまく日常生活に取り入れられている人は、おそらく多くの場面でスムーズに物事を運ぶことができます。カップルの間でもきちんと互いの意見を言い合う関係が築けるのではないでしょうか。
①相手を「観察」する
一番身近にいる相手なのに、パートナーのことがわからない。
それは逆に、「近いからこそ見えていない」「近い相手こそ見えづらい」ということでもあります。
ある精神科医の本に、こんなエピソードがありました。
若い医師が初めて患者と面接を行なったあと、「患者さんとがっぷり四つに組んで面接してきました」と先輩であるベテラン医師に報告しました。
するとベテラン医師はこう言ったといいます。
「そんなことをしたら、相手のことが見えないじゃないか!」
そう、がっぷり四つに組んでいたら、相手は見えません。
これはパートナーとの関係でもまったく同じです。
毎日一緒に暮らしていると、その存在や言動が当たり前になってしまい、一番知っていると思っている相手を、実は“きちんと見ていない”ということが起こり得るのです。
「一緒にいる間は、相手のことしか見ていません」
と思う人こそ、ぜひ「観察」を心がけてみてください。