見た目はまるでケーキ屋さん…「美味しすぎない」が評判の千葉・竹岡式ラーメン「39名」が大行列を作るワケ
最初は「インスタントラーメンだ」とバカにされたが…
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駅から徒歩20分超の場所に立つ「黄色いおうち」
東武アーバンパークライン・逆井駅から約1.5km。印西道沿いに一軒の人気ラーメン店がある。「柏 濃麺や 39名さくな」だ。
2023年1月にオープン。千葉県の南房総出身の佐久名祐亮さん・美香さんご夫婦が営むお店で、決してアクセスのいい場所でないにもかかわらず、行列の絶えない人気店に成長。『ラーメンWalkerグランプリ2024』では見事金賞を受賞した。千葉のご当地ラーメンである「竹岡式ラーメン」を進化させた独自の一杯を提供している。
祐亮さんは南房総市で生まれ、鴨川市の高校に通っていた。美香さんとはすでにこの頃に出会っている。
北海道の専門学校に通い、成田空港のグランドスタッフとして就職した。当時から付き合っていた美香さんとの間に子供ができ、結婚することになった。祐亮さんが21歳、美香さんが19歳の頃だった。
空港での仕事を辞め、実家の南房総へ夫婦で移ることになる。祐亮さんは他の仕事をしていたが、いつか飲食店をやりたいという思いが昔からあって、美香さんに相談すると「やろうやろう。ダメでもまず1回やってみよう」と背中を押してくれた。
定食屋をやるはずが、作るのはラーメンばかり
南房総で開業するということで定食や海鮮を出すドライブインのようなお店を考えていたが、祐亮さんはいつまでたってもラーメンしか作らなかった。
「作っているうちにどんどん楽しくなってきてしまったんです。いろんなスープを試作しながら、麺や具材を合わせて化学実験をしている日々でした」(祐亮さん)
目の前が海、後ろは山というロケーションの家賃4万円の漁師の小屋を改装し、店を作った。こうして2016年12月に「えびす家」をオープンした。
メニューにはラーメンもラインナップしていたが、レバニラ炒めや餃子なども提供する定食屋風のお店としてスタートした。いざオープンしてみると、思いのほかお客さんが来て、オペレーションが大変な日々が続いた。
「単純な話ですが、メニューが多いと大変なんです。お客さんがたくさん来てくださるので、餃子は焦がすし、お互いがミスするたびに喧嘩になっていました。2人でやっていたので、すぐ喧嘩になってしまうんです。オペレーションなど何も考えずにオープンしたので、てんやわんやでしたね」(美香さん)