血糖値上昇を抑えるのは「野菜」ではなかった…「痩せ効果ホルモン」を分泌するために「一口目」に食べるべきもの
「ばいきんまん」と「フランケンロボくん」にそっくりな親子関係
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NHK朝ドラ「あんぱん」では、やなせたかしをモデルにした嵩の母・登美子の毒親ぶりが話題だ。実際の親子関係はどうだったのか。ライターの市岡ひかりさんは「彼女は間違いなく息子を愛していた。だが、それをうまく伝えられない人だった」という――。 ※本稿には6月6日放送回以降のネタバレを含みます。
毒親と批判される登美子の本当の姿
「逃げ回っていいから。卑怯だと思われてもいい。何をしてもいいから、生きて帰って来なさい」――。
NHK連続テレビ小説「あんぱん」第50話(6月6日)で、出征する柳井嵩(演・北村匠海)を涙ながらに見送った登美子(演・松嶋菜々子)。
これまで「毒親」などとネット上の評価は散々だった登美子だが、崇への不器用ながらもまっすぐな愛情があふれる回に涙した人も多かったのではないだろうか。
嵩を叔父や叔母の家に押し付けたまま金持ちと再婚し、離婚後は何事もなかったかのように柳瀬家に転がり込み、嵩が高知第一高等学校の受験に失敗すると再び家を出ていく……という一連の登美子の行動だけみると、確かに身勝手な母に違いない。
しかし、これまでも嵩の東京高等芸術学校の合格発表を、陰からひっそりと見守っていたりと、嵩を思う気持ちの片鱗が描かれており、本心がわかりにくい、なんとも謎めいたキャラクターだった。
そんな謎めいた存在、登美子とは――。
探っていくうちに「あんぱん」では明確に語られなかった登美子の秘めた嵩への愛や、「それいけ!アンパンマン」のとある人気キャラクターとの興味深い共通点が見えてきた。
一生消えない心の傷
登美子について語る上で、まずはモデルとなった、やなせたかしの母、登喜子とはどんな人物だったのか、史実から紐解きたい。
やなせたかしの著書『アンパンマンの遺書』(岩波現代文庫)によると、登喜子は大地主の娘として生まれ、都会にもときどき遊びに行くなど華やかな生活をしていたという。しかし、父が大変な浪費家だったため家は没落。その後、朝日新聞の記者だった柳瀬清と結婚し、やなせたかしと弟を出産する。しかし、夫は33歳の若さで中国の広東で亡くなってしまう。
夫の任地に同行せず、一人で逝かせてしまったことを登喜子は生涯、心の傷として持ち続けたそうだ。「あんぱん」で、憲兵に制止されながらも「生きて帰って来なさい」と嵩に叫んだ登美子の思いは、夫を一人で逝かせてしまったことへの強い後悔に裏打ちされている。
登喜子は容姿端麗で、香水の匂いが強く、派手好み。時々ヒステリーになって荒れることもある、激情の持ち主だった。息子へのしつけは厳しく、ものさしでぶつこともあったという。しかし、やなせたかし本人は「恐ろしいと思うことはなかった」そうだ。