長嶋茂雄さん訃報から見直す「肺炎予防」…血液サラサラだけではない週2摂取で肺強化が期待できる身近な食材

長嶋茂雄さん訃報から見直す「肺炎予防」…血液サラサラだけではない週2摂取で肺強化が期待できる身近な食材

歯磨き、水分摂取、呼吸、予防接種…今すぐできる肺炎回避の「A to Z」

プロ野球の巨人の終身名誉監督・長嶋茂雄さんの突然の知らせに列島が悲しみに包まれる中、再認識されているのが、近年増加している肺炎・誤嚥性肺炎の恐ろしさだ。医師の谷本哲也さんは「高齢になると罹患リスクは高まりますが、現役世代も若いうちから、日常生活の中で肺炎予防や肺の維持強化をすることが可能だ」という――。

長嶋茂雄さんの訃報から見直す肺炎予防

6月3日、「ミスタープロ野球」と呼ばれた長嶋茂雄さんが89歳で永眠されました。原因は肺炎でした。1936(昭和11)年の二・二六事件の6日前に産声をあげ、戦後の高度経済成長期に巨人軍の四番打者として国民に夢と活力を届け、その後も長く監督として、そして野球界のシンボルとして多くの人々に愛され続けたレジェンドの訃報は、肺炎という病気を改めて見直すきっかけになります。

野球界の巨人をも苦しめたこの病気は、昔から非常に多い死因の一つです。最新の2023(令和5)年の政府統計によると、日本人の死因の第5位は約7万6000人で肺炎、さらに第6位は約6万人で誤嚥性肺炎と報告されています。両者で死亡総数の8.6%を占めており、年間約13万6000人が肺炎でお亡くなりになっています(「呼吸器系の疾患」では年間約19万5000人)。

肺炎で亡くなる方の約7割が75歳以上の高齢者です。高齢になるほど免疫力や体力が低下し、ウイルスや細菌への抵抗力が弱まる。また、飲み込む力や咳の反射が弱まるため、食べ物や唾液などが誤って気管に入る。このことが肺炎・誤嚥性肺炎の要因になっています。

高齢化による肺炎のリスクの高まりは避けられません。しかし、肺炎を「高齢になってから考えればよい病気」としてひとごととして捉えるよりも、若い世代から始められる予防法を知っておくことが重要です。今日から始められる小さな習慣が、将来の自分の肺を守る大きな力になるのです。

口から始まる誤嚥性肺炎

肺炎は、細菌やウイルス、カビなど、さまざまな種類の病原体による感染や、感染以外の免疫異常などによって、肺に強い炎症反応を起こした病気の総称です。中でも、特に高齢者に多くみられる誤嚥性肺炎の特徴は、その発症メカニズムにあります。

誤嚥性肺炎では、前述したように食べ物や唾液が誤って肺につながる気道の中に入り込み、口やのどに潜む細菌が肺に侵入して炎症が引き起こされます。健康な若い人であれば、たとえ少量の食べ物が気管に入りかかっても、強力な咳反射が働き、むせ込みや咳払いで異物を外に追い出してくれます。しかし、加齢とともにこの防御システムが衰え、さらに口腔内の細菌が増殖することで、誤嚥性肺炎のリスクが飛躍的に高まるのです。

そのため、若いうちから口腔ケアに真剣に取り組むことが何より重要になります。口腔ケアは、虫歯だけでなく肺炎の予防にもなるのです。朝起きた時、毎食後、そして就寝前の歯磨きを習慣化することから始めましょう。特に就寝前の数分間の丁寧なケアは、睡眠中の細菌繁殖を防ぐ最も重要な予防策となります。睡眠中は唾液の分泌が減り、口腔内が細菌にとって格好の繁殖環境となるからです。高齢世代だけでなく、忙しい現役世代でもいま一度、歯磨き習慣の徹底をすることが重要です。

日々の歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間の汚れを除去したり、舌ブラシで舌の表面も1日1回やさしくケアしたりすることで、細菌の温床を清掃することも大切です。また、セルフケアだけでなく、数カ月に1回の歯科受診により、専門家による口腔清掃と早期の問題発見を行うことで、口腔内環境を最良の状態に保つとよいでしょう。

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2025.06.07

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