睡眠ホルモンは「寝る前」よりも「朝の一杯」で育つ…医師が勧める「6時間睡眠」の効果を上げる飲み物の名前
「寝溜め」よりも日中の仮眠が重要なワケ
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睡眠の質を向上するためにはどうしたらいいか。内科医の工藤孝文さんは「睡眠の質を改善するなら、就寝前にホットミルクを飲むよりも朝に牛乳を飲むべきである。牛乳に加えて、バナナや納豆、大豆を朝食に含めることで睡眠の質はさらに向上する」という――。 ※本稿は、工藤孝文(監修)『「休養」にいいこと、1冊にまとめました』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。
朝、コップ一杯の牛乳を飲むと睡眠の質が上がる
「夜、寝る前にホットミルクを飲むと安眠できる」という話はよく耳にしますが、実は質の良い睡眠をとるためには、「朝に牛乳を飲むべき」ということはあまり知られていません。この情報は、睡眠の質を改善するための一つの効果的な方法として注目されています。
これには、牛乳に含まれる睡眠ホルモン「メラトニン」のもととなるトリプトファンの性質が関係しています。トリプトファンがメラトニンに変換されるには14〜16時間程度かかるため、朝に牛乳を飲んでおくと、ちょうど寝るころにはその生成が完了し、安眠に導いてくれるのです。したがって、朝の牛乳摂取が夜の快適な睡眠へとつながります。
ほかにも、大豆製品や卵、バナナ、ナッツ類、肉や魚などにもトリプトファンが豊富に含まれています。特にバナナはトリプトファンが多く、消化吸収も早いため、朝食にバナナと牛乳を摂ることで、エネルギー源を補いながら、夜も快適な睡眠をとれるようになります。
朝食に納豆や卵を含めるといい
これらの食材を朝食に取り入れることで、昼間のエネルギーを補充しつつ、夜の睡眠に備えることができます。つまり、バランスよくトリプトファンを摂取することで、質の良い睡眠をサポートすることができるのです。
さらに、朝食に納豆や卵を含めるのもおすすめです。これらはタンパク質が豊富であり、簡単に準備できるため、忙しい朝にもぴったりです。タンパク質は体の修復やエネルギーの供給に欠かせない栄養素で、睡眠の質にも大きな影響を与えます。タンパク質不足は睡眠に悪影響を及ぼす可能性があるため、日々の食事からしっかり摂取することが質の良い睡眠を得るためのコツと言えるでしょう。
このように、朝食の内容を工夫することで、夜の睡眠の質を高めることができます。特にトリプトファンを豊富に含む食品を取り入れることによって、睡眠ホルモンの生成がスムーズに進み、より深い睡眠へと導いてくれるのです。