ビジネスメールで「取り急ぎの御礼とご報告まで」は三流…一流が即レスするときのメールの文面
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返信は早いのに仕事が遅い人はどこがダメなのか
忙しいときにまとまりのない長いメールが届くとうんざりするもの。これまで1万人以上を分析し、「アジアの組織開発コンサルタントトップ10」にも選ばれた経営コンサルタントの佐藤美和さんは「一流のビジネスパーソンは、メールも一流。本文は余計なものをそぎ落とし、10秒以内に読めるようにするなど細部まで気を配っている」という――。
※本稿は、佐藤美和『世界のハイパフォーマーを30年間見てきてわかった一流が大切にしている仕事の基本』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
宛名の順序でトラブルとなったメール送信
ビジネスメールを送るときは、送信ボタンを押す前に本文を念入りにチェックします。誤字脱字がないか、レイアウトは読みやすいか、文章にわかりにくい部分はないか、句読点や記号などを正しく使用しているか、添付ファイルは正しいか。
「これで完璧。安心して送信できる」と思いたいところですが、一流の気配りはこれだけでは終わりません。相手に失礼がないか、負担をかけないか、あらゆる角度から細部までチェックします。メールの宛名の並び順については、絶対的な決まりがあるわけではありません。でも、宛名の順で、人間関係もビジネスも壊しかねないことがあるのです。
ある企業で1人の社員が送った1通のメールが、取引先とのちょっとした揉め事に発展したことがありました。送信したメールの宛名が「経理部マネージャー(男性)→経営管理部シニアマネージャー(女性)」の順になっていたのが原因です。
このメールについて、取引先から「経営管理部よりも経理部のほうが上だと思っているのですか? それとも、『男性→女性』という発想ですか?」と問い合わせが入ったのです。送信者にはそんなつもりは全然なかったのですが、そう言われてしまうと弁解の余地もありません。もしも役職順というルールで並べていれば、こういう事態は防げたはずです。
一流は、役職の高い順(例:部長→課長)、同じ役職ならば苗字の五十音順(例:相川→阿部→石塚)という具合に、誰にでも納得してもらえる自分なりのルールを決めて宛名を入力します。