血液をサラサラにし、骨のヨボヨボ化を防ぐ…大さじ1杯入れるだけで「納豆の真の力」が引き出せる液体の名前
逆に納豆を「唯一食べてはいけない人」とは?
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【前編】朝に食べると「ダイエットと睡眠」に絶大な効果、夜なら死亡リスク減…コンビニで買える"最強の一品"とは? 健康維持のためアンチエイジングのため、はたまたダイエットのため、毎日食べたほうがいい食品を挙げるとすれば「納豆」だ。その納豆を朝に食べるか、夜に食べるかで高まる作用を前回紹介した。しかし、残念ながらそんな優秀食品「納豆」を“食べてはいけない人”がいる。今回はそれを理由とともに解説しよう。加えて前回紹介しきれなかった納豆の魅力、「最強の食べ方」とは――。(後編/全2回)
納豆を食べてもいい薬、悪い薬
超健康食品「納豆」を食べてはいけない人は、ワーファリンを服用中の人だ。ワーファリン=血液をサラサラにする薬だが、どんな人が服用するのだろうか。
東邦大学名誉教授で平成横浜病院総合健診センター長、循環器内科学を専門とする東丸貴信医師がこう説明する。
「心臓や血管の病気があり、血液が固まりやすい状態の患者さんに処方します。心臓の人工弁置換手術を受けたり、心房細動という不整脈があったりすると、心臓の中で血のかたまり(血栓)ができやすくなり、人工弁の機能障害や脳梗塞、全身の血栓症が生じる危険性が高まります。これらの予防のためにワーファリンを服用します」
しかしここで疑問に思わないだろうか。納豆を食べると血液サラサラになるといわれる。その正体はナットウキナーゼという酵素だ。納豆は蒸された大豆が納豆菌によって発酵することでできるが、この発酵過程で生成されるのがナットウキナーゼで、血中にできた血栓に働きかけて溶解する作用や降圧効果をもつ。
なぜ血液をサラサラにする薬を服用中の人が、血液サラサラ効果のある納豆を食べてはいけないのだろうか?
抗凝固薬の中でワーファリンだけが納豆NG
「実は、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)の中でも、ワーファリンだけが納豆と組み合わせられません。血液を固める時には、12個の血液凝固因子がリレーのように“血液を固めよ”という指令を伝えていき、最後に血液が固まります。血液凝固因子のいくつかがビタミンKによって肝臓で産生されるのですが、ワーファリンはこの凝固因子を作るビタミンKの働きを弱める薬です。つまり、血液凝固因子を産生させないという間接的な働きによって血液を固まりにくくする=血液をサラサラにします」(東丸医師)
一方で現在、抗凝固薬における主流は、DOAC(直接的経口抗凝固薬、ドアック)と呼ばれるもの。こちらは血液凝固因子のひとつのみに直接働きかけるため、ビタミンKの影響を受けない。
「ですから、DOACを服用している患者さんは納豆を食べてもかまいません。抗凝固薬(DOAC)を服用しても納豆が食べられるということを知ると喜ぶ患者さんが多いですね(笑)。簡単にいえばワーファリンを服用した場合は納豆を食べることで薬の力が弱まってしまう、DOACの場合は納豆を食べてもナットウキナーゼとの相乗効果で血液がサラサラになるのです」(同)