「打倒トランプ」がより鮮明に…習近平主席が公金をじゃんじゃん注ぎ込む「人型ロボット」が世界の覇権を握る日
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ハーバード大留学生を追い出している場合ではない
足許、米・中の競争はさまざまな分野で一段と激化している。中でもAI関連の開発競争は熾烈を極めている。AIそのものの技術、AIに使うハードウェア(AI端末、AI機器、以下、AIデバイス)開発競争は目を見張るものがある。
米国では、エヌビディアやオープンAIを中心に多くの企業が、AIやそれに付随するデバイスの開発を競っている。中国では、華為技術(ファーウェイ)など大手に加えデバイス開発に取り組むスタートアップ企業も急増している。中国政府は、経済の効率性向上のためAI関連企業への産業支援策を拡充する方針だ。
そうした競争の激化により、今後、AI関連分野での合従連衡や淘汰は増えるだろう。世界的に水平分業を重視する企業も増えそうだ。それに伴い、台湾への影響力を含め、米中対立の先鋭化は避けられない。トランプ大統領は、ハーバード大学の留学生に転出を要求したようだが、そんなことをして研究者の環境を悪化させている場合ではない。
なぜエヌビディアが独走状態を続けられるのか
ソフト・ハード両面でのAI関連分野の変化は、わが国の経済に重要な影響を与える。現在、わが国はAIチップの開発で遅れている。今後、AIデバイス開発競争でも後塵を拝するようだと、経済成長率は一段と下振れすることが懸念される。自動車や工作機械分野で磨いてきた製造技術と先端分野を、これからAI関連分野に応用することが必要不可欠だ。それができないと、わが国経済の復活への道は一段と厳しくなる。
米国で、ソフトウェアに続き、ハードウェアの開発に取り組むAI関連企業は顕著に増加している。代表的な企業はエヌビディアだ。
同社は、画像処理半導体(GPU)の設計開発を主に行う。また、AIの開発環境である、CUDA(クーダ)と呼ばれるITプラットフォームも提供した。それによって、AIチップ分野で同社は今のところ独走状態だ。