「机の下」は接待相手から見られている…フランス料理店オーナーが「マナー違反」と考える、食事中にやりがちな仕草

「机の下」は接待相手から見られている…フランス料理店オーナーが「マナー違反」と考える、食事中にやりがちな仕草

接待を成功させるために「やってはいけない」3つ

接待を成功させるにはどうすればいいのか。ノンフィクション作家・野地秩嘉さんの連載「一流の接待」。第1回は神楽坂のレストラン「ラリアンス」熊谷誠社長が語る「会食で必ず守るべきルール」――。

接待し、接待され、接待の場を提供するプロの視点

最初に接待についての知恵を授けてくれる達人は熊谷誠氏だ。神楽坂一帯の土地建物を管理する会社を経営し、都内50箇所のウェディング会場のプロデュースも手掛けている。さらにフランス料理店「ラリアンス」を始めとする飲食店を数軒、持っている。ラリアンスはミシュランの星を持っていた店であり、日本航空のファーストクラスの機内食を手がけていたこともある。また、不動産開発者としては神楽坂一帯の再開発も手掛けている。地域のために仕事をしている人だ。

熊谷氏が接待の達人として適任なのは、まず彼は接待をする側としての経験がある。また、される側でもある。かつ飲食店経営者だから接待の場を提供している。接待する人とされる人を観察する立場でもあり、接待に関わる3者の視点を持っている達人だ。

食材、ワイン、日本酒にも詳しい。手土産となるスイーツを製造販売もしている。

「いきなりひっぱたかれた」新卒時代の大失敗

熊谷氏は「もう30年以上も前のことですが、初めて接待の場に出た時、大失敗をしました」と言った。

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撮影=門間新弥

「大学を出て、一部上場食品メーカーに入社しました。すぐに接待する側として接待の場に連れて行ってもらったんです。料亭で食事をして、もう食べたことのない高級な料理が出てきました。その後、2次会で先方と当時の上司だった課長と一緒に生まれて初めて銀座の高級クラブに行ったわけです。

なにしろ22歳でしたから、隣にきれいな女性が座ってくださって、ブランデーを勧められるなんて初めての経験でした。もう嬉しくなっちゃって、取引先の方のことなどすっかり忘れて、きれいなホステスさんと夢中でしゃべっていたんです。

そうしたら連れてってくださった上司がニコッと笑って言いました。

『あー、熊谷くん、ちょっとトイレ。一緒に行こうか』

トイレに入ったらいきなりひっぱたかれました。

『今日はお前を接待してるんじゃねーぞ』と言われ、いいか、よく聞け、この後3次会でカラオケスナックへ行く。取引先の方々は歌を歌う。そこにもホステスさんがいるが、お前はひとことも口をきくな。手から血を流すまで本気で手拍子をしていろ。

はい、その後、3次会の会場では課長の言いつけを守り、私は手が真っ赤っかになるまで手拍子をしました。ほんとに血が出ました」

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2025.05.25

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