「タンパク質といえば肉」では不十分…管理栄養士が「60歳を超えたらコレ」と強く勧める"高タンパクおやつ"
厚労省の推奨量は「達する」ではなく「超える」を目標に
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60歳から健康を維持するために、食生活で心がけるべきことは何か。管理栄養士の大柳珠美さんは「60歳からの食事では、先に野菜ではなくお肉かお魚から食べることをルールとしたほうがいい。肉は胃もたれするから食べないという人は、肉にこだわらずに、魚・卵・大豆製品に目を向けるといい」という――。 ※本稿は、大柳珠美『糖質を“毒”にしない食べ方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
食事のたびに肉・魚・卵・大豆製品の摂取を
皮膚や髪や爪、骨や筋肉、内臓、ホルモンや酵素、抗体に至るまで、私たちの体のほとんどはタンパク質でできています。脳も半分はタンパク質、残り半分は脂質です。
これほど重要なタンパク質が不足してしまうと健康を維持することはできませんから、食事のたびに肉・魚・卵・大豆製品などからタンパク質を摂取する必要があるのです。
タンパク質は、たくさんのアミノ酸がつながってできています。アミノ酸は自然界に数百種類も存在していますが、タンパク質を構成するアミノ酸は20種類だけ。
20種類のうち11種類は体のなかで合成できるため「非必須アミノ酸」といい、合成できず食品から摂取しなくてはいけない9種類を「必須アミノ酸」といいます。20種類のアミノ酸のうちひとつでも欠けてしまうとタンパク質を合成することはできません。
食事で摂取したタンパク質はそのまま使われるのではなく、消化酵素によってアミノ酸に分解されます。分解したアミノ酸を、髪や爪、ホルモンや酵素といった目的に合わせてタンパク質に再合成して使用します。
アミノ酸の分解・合成を経てつくられる人体のタンパク質は10万種類といわれています。わずか20種類のアミノ酸でこれほどの種類をつくれるのは、アミノ酸がつながる数、つながるときの形、別の物質との結合など、さまざまなバリエーションがあるからです。