空気が読めない、いつも会議に遅刻する…職場の「グレーゾーン部下」に上司が絶対に言ってはいけない一言
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学生時代はうまくやっていたのに、就職してから職場環境になじめない――。ストレスマネジメント専門家の舟木彩乃さんは、「近年、社会に出て初めて、グレーゾーンを含む発達障害が自分にあることが分かったという人が増えています」という――。 ※本稿は舟木彩乃『発達障害グレーゾーンの部下たち』(SB新書)の一部を再編集したものです。
「自分はグレーゾーンでは」と社会に出てから気がつく
近年、社会に出てから初めて発達障害を疑い、精神科や心療内科を受診する人が増えています。企業でカウンセリングをしていても、「自分は発達障害かもしれない」という悩みを抱えて相談にくる人が少なくありません。メディアなどで頻繁に発達障害が取り上げられることも影響しているでしょうが、社会構造が複雑になり、適応できない場面が増えてきたことも一因ではないかと思われます。
筆者のところに発達障害を疑ってカウンセリングにくる人は、比較的若い世代が多いように感じます。学生時代は環境に適応できていたけれど、社会に出てから適応が難しくなり、ネットなどで調べると発達障害の特性が自分に当てはまるので心配になったという人が多いです。
発達障害は脳機能の発達に関する障害で先天的なものとされています。それまで気づいていなかっただけで、社会人になって初めて発達障害を発症することはありません。専門医が見ても診断名がつかない、いわゆる「グレーゾーン」のケースではなおさら、社会に出てから発覚することが多いといえます。