これに気付かなければ今の成功はなかった…稲盛和夫が断言する「生まれ持った能力」よりも大事な2つのこと
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学歴が高くても失敗する人もいれば、学歴が低くても成功する人がいる。何が違うのか。京セラ創業者の稲盛和夫さんは生前、「生まれ持った能力だけで成功は決まらない」と語っていた。稲盛さんの講話を集めた稲盛ライブラリー編『「迷わない心」のつくり方』(サンマーク出版)より、善通寺市立東中学校の生徒たちに贈られた講話の一部を紹介する――。
人生が能力で決まるなら「普通くらい」で終わっていた
先生方の指導もあり、みなさんはたいへんよく勉強しておられますし、また、スポーツの世界でも一流選手を輩出しているとお聞きしました。
頭のよい生徒さんもいれば、運動が上手だという生徒さんもいらっしゃるわけですが、人はいろんな能力を持ってこの世に生を享けるのです。あまり物覚えがよくない子もいれば、すぐに何でも覚える子もいる。いろんな子どもが生を享け、育っていくわけです。
それぞれに違う能力を持った子どもたちが現世に生を享けるのですが、その子たちが成長をして一生を終えていく。その中で、生まれ持った能力だけがその人の人生を決めていくのであれば、能力にはもともと差がありますから、それでは人生を生きていく意味がありません。
神さまは能力だけで人生が決まっていくようなことをしていないのです。
先ほども言いましたように、私は田舎育ちのどこにでもいそうな少年でした。ですから、もし能力だけで人生が決まっていくのだとすれば、たぶん普通くらいの人生しか送れなかったでしょう。
人生は3つのファクターのかけ合わせ
「人生というものはどういうふうになっているのだろうか」ということを、私は若い頃からずっと考えてきました。そして、一生懸命に考えた末に、人生は次のような方程式で決まるのだろうということに気がつきました。若い頃にこのことに気づき、それを守ってきたために、私は京セラやKDDIといった、すばらしい会社をつくることができたのだと思っています。
若い頃、私が気がついた人生の方程式とは「人生の結果=考え方×熱意×能力」というものです。考え方、熱意、能力という三つのファクターをかけたものが人生の結果をつくっていくのだということに、私は気づいたのです。
田舎者であった私が、そんなに優れた能力を持っているわけではない。ですから、せめて熱意だけは人一倍持とうと思いました。人が遊んでいるときでも努力をしよう、オレにはそのくらいしか能がないと思い、人一倍努力だけはしよう、熱意を強く持とうと思ったわけです。