【小児科医監修】赤ちゃんの下痢が続くとき。緑色などうんちの色別に原因を解説

【小児科医監修】赤ちゃんの下痢が続くとき。緑色などうんちの色別に原因を解説

赤ちゃんの下痢が続くと、病気を心配するママも少なくないでしょう。下痢が長引くときに考えられる原因と、うんちの色が緑色や白、赤色などいつもと違うときに病気かどうかを見極めるポイント、病院受診の目安や注意点をご紹介します。また、下痢の赤ちゃんを保育園に預けられるかどうかの判断基準などについて解説します。

下痢が長引く原因

赤ちゃん おもちゃ 
ucchie79/Shutterstock.com

赤ちゃんの下痢が続くとママも心配になりますよね。下痢が長引く原因として消化不良や赤ちゃんの体質などの場合もありますが、発熱や機嫌が悪いといったときには下記のような理由が考えられます。

専門家は長く続く赤ちゃんの下痢に対して

下痢は、感染性胃腸炎(ロタウイルス、ノロウイルスなど)、冷え、牛乳アレルギー、乳糖不耐症、などが原因の可能性があるでしょう。

出典: Askdoctors

と述べています。それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。


感染性胃腸炎

赤ちゃんの身体はまだ十分に免疫力がついていないため、さまざまなウイルスに感染しやすい状態です。赤ちゃんの下痢が続くときには感染症にかかっている可能性が高いです。

感染症のなかでもよく知られている「ロタウイルス」や「ノロウイルス」に感染すると、下痢や嘔吐などの症状が現われます。

「ロタウイルス」にかかると、典型的な便の色は、白っぽいクリーム色で酸っぱいニオイがあるのが特徴です。便の色が普段と変わらなくても下痢が続くときには「ロタウイルス」に感染している可能性があるので要注意です。

「ノロウイルス」は食べ物を介しても感染する病気ですが、黄色っぽく水っぽい便が続きます。人から人へも感染します。

胃腸炎での下痢が続いているときには、室内温度を調整したり、特にお腹を冷やさないように衣服を増やすなど工夫するとよいかもしれません。


冷え

赤ちゃんの下痢が長く続いても食欲があったり、普段と変わらず元気であれば冷えからくる下痢かもしれません。赤ちゃんにとって快適な室温や衣服を心がけてみましょう。


アレルギー

食べたあとの下痢と共に、嘔吐や咳、蕁麻疹などの症状が出る場合は食物アレルギーの可能性があります。特定の食物を食べた直後に毎回症状があらわれるなど、下痢をする状況や時間が決まっていないか、様子をよく観察してください。


消化不良

赤ちゃん お腹痛い
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食べたものが腸で分解されずに下痢としてあらわれる場合もあります。赤ちゃんが下痢をしているときは消化しづらく胃腸に負担を与えがちな食物繊維の多い野菜や脂肪分、乳製品、海藻類などは控えるようにし、うどんやおかゆ、豆腐など消化のよいものをあげるようにしましょう。

赤ちゃんがもともと消化不良を起こしやすい体質ということもあるかもしれません。ほかに気になる症状がなく、赤ちゃんが元気な場合でも、一度かかりつけ医に相談するとよいでしょう。

うんちの色別。原因と受診のタイミング

緑色のうんち

健康なときには黄色や茶色っぽい色が基本ですが、緑色っぽい色のうんちがでることもあります。うんちがお腹の中に長い時間とどまっていたり、ガスが多いとうんちが緑色になることがあります。赤ちゃんでは母乳栄養では黄色っぽく、ミルク栄養では緑色っぽい便が多いといわれています。


赤、黒、白色のうんち

感染症など病気にかかると赤や白、黒色になることがあります。

出血を伴うイチゴジャムのような赤いうんちや赤みがかったクリーム状のうんちは腸の病気にかかっている可能性が高いです。また、黒色のうんちは、消化管(胃や十二指腸)の中で出血が起こっている場合があります。ほかにも、お米のとぎ汁のような白いうんちは、ウイルスや細菌に感染している可能性があります。

赤、黒、白色のうんちが出たときには病院での治療が必要な場合がほとんどです。早めに受診しましょう。

病院へ受診と再受診の目安

受診 赤ちゃん
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初受診の目安

以下のような症状があるときには早めに病院で受診するようにしましょう。

・発熱や嘔吐がある
・水分がとれない
・ぐったりしている
・体重が急に減る


再受診の目安

初診から1週間以上下痢が続いたり、処方された薬を飲んでもよくならない場合には再受診をしましょう。


受診の際に持って行くとよいもの

病院を受診する際に、赤ちゃんの便がついたままのオムツをビニール袋に入れ、封をして病院に持って行くと、便の状態が分かりやすく診察がスムーズになるでしょう。色やにおいが異常な便の現物は下痢の原因を見定める判断材料になります。

すぐに病院に行けないときや、うんちを持っていけないときには、うんちを写真に撮って受診するのもひとつの手です。時間が経つと、うんちの色や形が変わってきてしまうため、気になるうんちが出たらなるべく早く病院に行くようにしましょう。

受診時には、赤ちゃんが下痢をする前、最後に食べたものや下痢が出た時間や回数、そのときの赤ちゃんの様子をメモして伝えられるようにしておくとよいかもしれません。

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下痢のときの保育園

普段保育園に通っている赤ちゃんの下痢が長引いていると「下痢がまだ続いているけれど、仕事を何日も休めない」と悩むママもいるでしょう。

しかし、頻回の下痢がある場合は、脱水症状を起こす可能性もあります。
また、食事が普段通りに摂れないときは保育園でも食事がとれないかもしれません。食欲や元気が戻り、普段の便に近い便が出るようになってから、保育園に登園しましょう。

ウイルス性の胃腸炎の場合には、保育園に登園するときに医師の判断に従い登園許可証が必要になります。赤ちゃんが完全に回復するまで待つのが難しいときは、医師に相談し、ウイルス性胃腸炎ではないか見極めたうえで保育園の登園を検討しましょう。

長く続く下痢は健康状態を知るサイン

赤ちゃん ママ 笑顔
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赤ちゃんがいつもと違う様子で、下痢が長引くと「なにかの病気かな?」と不安になりますよね。何かの病気の可能性もあるため、早めに受診をしましょう。

また、下痢が長引くときにはうんちの色が緑色なのか、赤や茶色なのかなど、しっかりと確認することが大切です。

さらに脱水症状に注意して水分をこまめに飲ませたり、消化のよい食べ物を与えるなど家庭でのケアを大切にするとよいでしょう。


監修:金髙太一(おひさまクリニック 院長)

Profile

金髙太一(おひさまクリニック)

金髙太一(おひさまクリニック)

おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。 子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。

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