【調査】巨大地震、各家庭での防災対策はどのくらいの規模を想定?
12月21日、政府は日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定を発表した。試算された最大死者数は19万9000人と、2011年の東日本大震災の被害を大きく上回る。KIDSNAでは、巨大地震を想定した各家庭での防災について調査を行った。
12月21日、政府は日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定を発表した。
北は北海道・襟裳岬沖から、南は千葉・房総半島南東沖まで、本州東方を走る日本海溝。もし日本海溝沿いで巨大地震が発生した場合、最大19万9000人もの死者数が想定された。また、太平洋北西部のカムチャツカ半島南部に発し、千島列島南岸に沿って北海道南東部に至る千島海溝沿いでは、最大10万人の死者数を試算。参考:日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定について
いずれも、2011年の東日本大震災での死者数約1万6000人、行方不明約2500人を大幅に上回る被害想定だが、これほど大規模の地震が発生する可能性を前に、私たちはどのような防災対策ができるのだろうか。
KIDSNAでは、巨大地震を想定した各家庭での防災について調査を行った。
防災意識は家庭によって大きな差が
まずは、巨大地震が発生した場合に、どう行動するか家族で話し合ったことがあるかどうか尋ねた。例としては、連絡が取れなくなった時の集合場所の話し合いなどが挙げられる。
はいと答えた方が9名、いいえと答えた方が10名で、ほぼ半数だった。
次に防災グッズの準備について聞いたところ、ひとりを除き全員が何かしらの準備をしていると答えた。
防災グッズとして用意しているものを複数回答可で聞いたところ、下記の結果となった。
・飲料水 9名
・食料品 8名
・懐中電灯、携帯ラジオ 8名
・救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬など) 7名
・予備電池、携帯電話の充電器 7名
・貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証など) 4名
・ミルク・紙おむつ・ほ乳びん 2名
・衣類、下着、毛布、タオル 1名
また、これらの中身が入った防災バッグを購入し、玄関に置いているという答えもあった。
そしてどの程度の被害を想定した準備を行い、どのような対策をしているのか尋ねた。
子どもたち用の非常持ち出し袋を玄関に置いているのと、私の通勤バッグには常に最低限必要なものがつまったポーチを入れています。また、マンション住まいなので、基本的には体育館などへの避難ではなく、家で過ごすことを想定しています。断水、ガスや電気が止まっても生活できることを考え、水や食品などを備蓄しています。それに加え、今書いていてバッテリーが必要だなと思いました
一応の準備はしているものの、家族全員分揃っていなかったり、子ども用のものを用意していなかったりと、十分とはいえないと思います。対策と言うまででもないかもしれませんが、リビングに『東京防災』(編集注:東京都が2015年に都内の全世帯に配布した防災用のハンドブック)を置いていて、いざというときすぐ手に取れる場所に置いてあります。また、最近万が一に備えて消化器を購入しました
実のところ、あまり具体的にイメージできていません。ただ、防災バッグの中は定期的に見直したり、ウォーターサーバーの水を常に多めにストックしたりはしています。余談ですが、家がまあまあ新しいので、家から避難所に避難する想定があまりありません。(それが正解なのかは分からないのですが)
「十分と言えるかはわからない」と前置きしつつも、ほとんどの人が自分の住環境に合わせて何らかの準備をしていることがわかった。一方で、あまり準備していないという率直な声もあった。
東日本大震災を想定していますが、あのときでもそれほどの用意が実際は必要がなかったので、今はあまり用意していないです
よく考えたらあまり対策していないかもしれません。そう意識して対策することは大切ですね! 今夜にでも何が必要か調べて対策するようにします
いつ、どんな規模で発生するかわからない巨大地震。インフラや交通機関が止まってしまうことも見こして準備するに越したことはない。この年末年始の時間を使って、自宅の防災グッズ、家族での集合場所などを確認してほしい。
【調査概要】
・対象:KIDSNA読者を対象にアンケート調査を実施
・調査期間:2021年12月22日~2021年12月23日
・回答数:19人
<執筆:KIDSNA編集部>
地震などによってインフラや物流が止まってもしばらく自宅待機できる程度の対策をしているつもり