【産婦人科医監修】妊娠したら基礎体温は変化する?理由や何度くらいになるか

【産婦人科医監修】妊娠したら基礎体温は変化する?理由や何度くらいになるか

基礎体温は女性の身体の変化を教えてくれるバロメーター

妊娠すると基礎体温が変化します。毎日基礎体温を測っている人は、基礎体温の変化から妊娠に気づくこともあるでしょう。妊娠するとなぜ基礎体温が変化するのか、何度くらい違うのかなど、基礎体温についての基本知識と妊娠との関係について詳しく解説します。

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

基礎体温の変化は妊娠のサイン?

妊娠したら体温は変化する?
iStock.com/NataliaDeriabina

妊娠すると、女性ホルモンの働きにとって身体にはさまざまな変化が現れます。基礎体温の変化も妊娠のサインのひとつです。

普段から基礎体温を測っている人は、妊娠に気づきやすいこともあるでしょう。

妊娠するとなぜ基礎体温が変化するのかや基礎体温について解説します。

妊娠に気づくために、基礎体温の変化の仕組みについて知ることも大切です。

基礎体温について

基礎体温は、人間が生きる上で必要最低限のエネルギーしか使っていない安静時の体温です。一般的には、女性が朝目覚めた直後、起き上がらずに舌で計った体温を「基礎体温」と呼びます。

基礎体温は二相になっている?

女性の基礎体温は、女性ホルモンと呼ばれるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量で微妙に変化します。

基礎体温は、低温期と高温期の二相に分けられ、低温期と高温期を一定のサイクルで繰り返すようになっています。

低温期は、基礎体温が下がる時期です。生理周期が28日の場合、生理が始まってから排卵日数日前までの約14日間程度、低温期が続きます。

高温期は、基礎体温が上がる時期です。排卵日から生理が来るまでの約14日間程度、高温期が続きます。


低温期はエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が多く、高温期はプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が多い状態です。

2つのホルモンには、それぞれ女性の身体を健康に保つための作用がありますが、プロゲステロンは、子宮内膜の状態を受精卵が着床しやすいように整える役割や妊娠を継続させる効果、体温を上昇させる作用があります。

基礎体温の測り方

基礎体温を測る女性
Siriluk ok/Shutterstock.com
基礎体温は「基礎体温計」と呼ばれる目盛りの細かい体温計で計ります。

基礎体温の正しい計り方の手順は以下の通りです。
  1. 就寝前、起き上がらずに手が届く場所に基礎体温計を準備する
  2. 朝、目覚めたら体を起こさず、寝たままの状態で舌の付け根に基礎体温計の感温部を当て、口を閉じ検温する
  3. 基礎体温をグラフに記入する

高温期は生理が始まった日から「リセット」され低温期に移行します。

基礎体温のポイント

女性の基礎体温は高温期と低温期の体温差が0.3℃以上あり、36℃~37℃の状態をキープするのがよいとされています。生理周期は25日~38日程度、低温期から高温期への移行が3日以内、高温期が10日以上続くのが理想的です。

ただし、低温期と高温期の温度差や生理周期には、個人差が大きいので、一般的な目安としてください。

高温期の途中で急激な体温低下がある、生理不順や生理痛がつらくて我慢できないなど、気になる症状がある場合は、一度病院を受診しましょう。

基礎体温を測るときの注意点

基礎体温は脇の下で計る普通の体温計では、正確に計測できません。

基礎体温は必ず専用の基礎体温計(婦人体温計)を使い、小数点第2位まで正確に計測しましょう。口の中の体温は、脇の下よりも0.3~1℃高くより体内温度に近い体温を計測できます。

起き上がるための小さな動作でも体温は上昇することがあるので、基礎体温を測るときは寝起きの状態でゆっくり、体温が上昇しないように心がけて計測しましょう。

月によっては、体調が悪かったり、ストレスによって生理周期が乱れることもあるでしょう。1カ月間の記録だけでは、正確な基礎体温はわかりません。基礎体温を正確に知るためには、継続して記録することが大切です。

また、正確に計測するためには、一定時間(4~5時間)以上の睡眠をとったあとに計測するようにしましょう。

妊娠したときの基礎体温は何度になる?

妊娠すると、通常生理が始まる前に減っていくはずの、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増えます。黄体ホルモン(プロゲステロン)には、受精卵を着床しやすい状態に整える役割や基礎体温を上昇させる作用があるので、高温期が続きます。

妊娠初期に身体の火照りや熱っぽさを感じるのは、黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響によるものです。

妊娠初期は、低温期と比べ体温が0.3℃~0.6℃以上高い状態が続きます。基礎体温には個人差がありますが、低温期の体温が36.5℃程度の人の場合、36.8℃~37℃前後の体温(基礎体温の高温期)が17日以上続く場合、妊娠の可能性があります。

生理予定日をすぎても、基礎体温の高温期が続き、吐き気があったり、おりものの量が増える、乳房の張りを感じるなど、妊娠の初期症状があるときは、予定日から2~3日経過したあとに妊娠検査薬で確認したり、病院へ行き医師に診断してもらいましょう。

基礎体温を正しく計測しよう

基礎体温を正しく測る
ms.nen/Shutterstock.com

基礎体温は、女性の身体に起こるさまざまな変化を把握するために大切な記録となります。

基礎体温を計測し、グラフ化にすることで、生理予定日や排卵日の予測、女性ホルモンの分泌が正常に行われているかどうかなど、たくさんのことを知ることができます。

基礎体温から妊娠のサインを見極めるのは、難しいこともありますが、2~3周期程度計測すると、基礎体温表から低温期と高温期の変化に気づくことができると思います。

最近は基礎体温を入力するだけで、グラフ化してくれたり、生理や排卵日を予測してくれるアプリケーションもあるので、活用してみるのもよいでしょう。

ご自身の基礎体温を知り、健康管理、赤ちゃんを迎える準備に役立ててみてくださいね。

監修:杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

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杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

杉山太朗 監修の記事一覧(バックナンバー)

信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。

患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

田園調布オリーブレディースクリニック

2019年10月28日

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