【耳鼻科医監修】中耳炎の症状や原因は?急性中耳炎の子どもの様子や治療について

【耳鼻科医監修】中耳炎の症状や原因は?急性中耳炎の子どもの様子や治療について

子どもや幼児に多い病気のひとつ、急性中耳炎はプールの水が耳に入ることが原因と聞いたことはありませんか。急性中耳炎の真の原因や中耳炎が悪化する理由、症状や子どもの様子などを解説します。また中耳炎にかかったときは、いつからプールやお風呂には入れるのか、注意点や対策についてもご紹介します。

三塚沙希(エムズクリニック白金)

中耳炎とは?

赤ちゃん耳
Roman Sorkin/Shutterstock.com

中耳炎とは音を感知する耳の内部、鼓膜の奥にある「中耳」に膿がたまると、起こる病気です。中耳炎は感染症ではありませんが、鼻水を伴う風邪や感染症などがきっかけでかかることが多いため、風邪の季節などには注意が必要です。

中耳炎の種類

中耳炎にもいくつか種類があります。中耳炎の種類によって、症状や治るまでの期間が異なります。

急性中耳炎

急性中耳炎は、中耳炎のなかで最も一般的なものです。早期に病院でしっかり治療をすると、数日~10日程度で治ることがほとんどです。

慢性中耳炎

中耳炎を治療せず放っておいたり、急性中耳炎を繰り返すことで炎症が慢性化し、慢性中耳炎になります。慢性中耳炎になると炎症は、中耳だけでなく、鼓膜にまで影響を与えているケースがほとんどです。

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎は、膿ではなく滲出液が中耳にたまります。滲出液とは、細菌性の炎症を起こしたときに、出てくる液のことです。滲出性中耳炎は、ほとんどのケースで急性中耳炎が治ったあとに起こります。痛みはほとんどなく、自然に治る場合が多いですが、鼓膜の奥に滲出液がたまって症状が悪化すると、聞こえが悪くなり、鼓膜を切開したり、鼓膜にチューブを入れる手術での治療になる場合もあります。

中耳炎のなかでも、子どもがかかりやすく慢性中耳炎や滲出性中耳炎の前段階である、急性中耳炎の原因や症状、注意点について詳しく見ていきましょう。

急性中耳炎の原因

鼻をかむ男の子
iStock.com/baona

中耳炎は、細菌やウイルスが耳管を通り、中耳に感染して起こる病気です。乳幼児は大人と比べて、耳管が短く、まっすぐなため、鼻やのどから影響を受けやすい傾向があります。風邪をひいて、免疫が落ちているときなどは鼻やのどで起こった炎症の細菌が耳管を通って中耳に入りこみ、急性中耳炎を起こします。

なかには、子どもが夏に中耳炎になりやすいのはプールの水が耳に入るからという説を聞いたことのあるママやパパもいるかもしれません。しかし中耳炎は耳の中にプールの水が外耳道から入ることが原因でかかることはありません。

鼻を上手にかめない子どもが鼻水をすすったときなどに病原菌が耳管を通じて中耳に入ることでかかりやすくなります。

急性中耳炎の症状

耳痛い女の子
iStock.com/GOLFX

中耳炎になると、以下のような症状がみられます。

・発熱
・痛み
・耳だれ
・耳鳴り

大人が急性中耳炎になると、違和感や痛みはあっても発熱することは少ないでしょう。一方、幼児の急性中耳炎の大多数のケースで発熱が見られます。

子どもの中耳炎に気づくには、子どもの様子をよく見ることが大切です。

急性中耳炎のときの子どもの様子

幼児は、言葉で症状を伝えることが難しいため、発熱や痛みで機嫌が悪くなったり、耳をやたらに触ったり、違和感を訴えるなどの様子を見せるでしょう。ほかにも耳垂れがある、耳が臭いなどの様子が見られたら急性中耳炎を疑ってみましょう。

一方、耳垢がたまっていると中耳炎でなくても、耳に違和感を訴えることもあります。中耳炎のなったときに様子の違いに気づいてあげられるように、普段から子どもの耳垢は適度にケアしてあることが望ましいでしょう。自宅で耳掃除を行うと、耳垢を奥に押し込んでしまうこともあるため耳鼻咽喉科に定期的に受診して掃除しましょう。

ほかにも子どもが中耳炎と診断されたときは、どのようなことことに注意をすればよいのでしょうか。

中耳炎になったときの注意点

安静にする

中耳炎で痛みや発熱があるときには、安静にすることが大切です。激しい運動は控え、刺激を与えないようにしましょう。

鼻のかみ方に注意する

幼児の中耳炎の多くは、鼻水をすすることで細菌が耳に感染して引き起こされるため、鼻水はすすらずに外に出すことが大切です。鼻のかみ方も、勢いに任せて強くかまずに、そっと左右交互にかむように伝えましょう。

子どもに鼻のかみ方を言葉で伝えても理解することが難しいかもしれないので、ママやパパが鼻をかむところを見せて教えるのがよいでしょう。

入浴は様子を見て入る

子どもが中耳炎と診断された場合でも、痛みや発熱などの症状が落ち着けば、入浴に問題はありません。

痛みがあるときには冷やす

子どもが耳を激しく痛がるときには、保冷シートや保冷剤をタオルに包んで耳の周りを冷やしてあげてください。冷やすことで痛みが少し落ち着きます。

それでも、痛がる場合には、一時的に鎮痛剤を飲んでもよいですが、きちんと病院で診てもらいましょう。

完治まで治療する

痛みがなくなっても、膿や滲出液が残っていることがあります。その状態で、治療をやめてしまうと、中耳炎を再発したり、慢性中耳炎や難聴を引き起こすかもしれません。

痛みがなくなったからと、自己判断で治療や服薬をやめずに医師の判断で完治まで治療を続けることが大切です。

プールは医師の許可が出てから

プール無人
iStock.com/Prathaan

中耳炎のときにプールに入ると、プールの消毒液や雑菌がのどや鼻の粘膜を痛めて、中耳炎が悪化したり、治りが悪くなる場合があるため、医師の許可が出るまで控えましょう。

治癒直後は、医師の許可が出ても、長時間プールに入ることや、潜って思い切り泳ぐことは控えたほうがよいです。

中耳炎は、早めの治療でしっかり完治させよう

親子笑顔 耳元くすぐったい
iStock.com/Yagi-studio

中耳炎は細菌やウイルスが耳のなかに入ることが原因でおこる病気です。中耳炎にも種類があり、治療で比較的早く治る急性中耳炎が知られていますが、放っておくと症状が悪化したり完治までに時間がかかることがあるため、早めの治療開始が重要です。

子どもに中耳炎の可能性があるのに、耳垢がたまっていると様子に気づいてあげるのが難しくなります。中耳を傷つけないように耳垢はなるべく耳鼻咽喉科電話除去しましょう。

子どもは、耳管の発達がまだ未熟であったり、鼻水を自分で上手にかむことが難しいため、中耳炎にかかりやすく注意が必要です。ママやパパが鼻のかみ方を教えてあげたり、のどや鼻の風邪をひいたときは、急性中耳炎を併発していないか子どもの様子をよく見てあげましょう。

監修:三塚沙希(エムズクリニック)

No Image

三塚沙希(エムズクリニック白金)

三塚沙希の監修記事一覧(バックナンバー)

エムズクリニック白金 院長。

わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。

エムズクリニック白金

2018年07月18日

専門家のコメント
8
    いちぽ先生 保育士
    鼻水がうまくかめず、鼻の中にたまったままだと中耳炎になりやすいですよね。
    耳が赤くなって痛
    とまと先生 保育士
    幼いうちは中耳炎になりやすいですよね。熱が無くても鼻水が続くようなら 一度受診して中耳炎や
    みー先生 保育士
    夜中に突然大泣きして耳をおさえていたので翌朝病院に連れていくと急性中耳炎と診断されました。
    まい先生 保育士
    耳をさわったりいい子して遊んでいたのに突然泣いたりとあれ?と思う行為があれば少し疑った方が
コメントをもっと見る

トラブルの関連記事

  • 子どもの急な発熱やのどの痛み、もしかしたら「溶連菌感染症」かもしれません。実際に自分の子どもがかかった経験がなければ、詳しい症状などを知らない人も多いのではないでしょうか。「猩紅熱(しょうこうねつ)」ともよばれる、溶連菌感染症の原因と症状、特に流行しやすい時期、検査方法、注意したい合併症、治療方法や家庭でできる対応、登園目安や予防法などを医師に伺いました。

    眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

  • 保育園や幼稚園で冬場に集団流行しやすい病気のひとつ「おたふく風邪」は就学前の子どもがかかりやすい病気のひとつ。今回はおたふく風邪の流行時期や症状、そしてワクチンの重要性とホームケアや登園許可、予防法などについてご紹介します。

    金髙太一(おひさまクリニック)

  • 非常に強い感染力を持ち、空気、飛沫、接触など、人から人へとうつっていく麻疹(はしか)ウイルス。免疫を持っていなければ発症率はほぼ100%といわれています。今回は麻疹(はしか)と、混同されがちな風疹の症状や原因、感染経路や予防方法などについて解説します。

    金髙太一(おひさまクリニック)

  • 家庭内で過ごす時間が増えた今、子どもの猫背が気になることはありませんか。猫背は子どもの体にどのような影響を及ぼすのでしょう。今回の記事では、子どもの猫背で起こる影響や受診の目安、家庭でできる対処法について解説します。

    千葉直樹(上高田ちば整形外科・小児科)

  • 誤飲、口呼吸、歯並び、口内炎、口臭……こどもの口周りの悩みは意外と多いもの。そこで今回は医師監修のもと、口周りのトラブルの原因と対処法を解説した記事をピックアップしました。いざという時のため、長期的な子どもの健康のために、子どもに起こりやすい口周りのトラブルについて備えては。

  • トイレトレーニング(以下、トイトレ)は終わったのに、夜はおねしょが頻繁でまだオムツが手放せない…そんなお悩みはありませんか?そもそも何歳までおねしょをするものなのか、どこに相談していいのかも分かりませんよね。そこで今回は、おねしょと夜尿症の違いや、夜尿症の治療について解説します。

    保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)

  • 中耳炎は幼児期の子どもがかかりやすい病気のひとつ。子どもが耳を痛がる場合は、もしかしたら中耳炎にかかっているかもしれません。今回は、中耳炎の症状や早期発見のポイント、治療法と予防について解説します。

    金髙清佳(おひさまクリニック)

  • 「男性不妊」「男性の妊活」という言葉が一般的になりましたが、具体的に何から始めればよいのか、病院でどんな検査や治療をおこなうのか不安…という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、厚生労働省の妊活に関わる調査結果、男性不妊の主な原因、病院での検査内容や治療の流れについて解説します。

    杉山力一(杉山産婦人科)

  • WHOが2030年までに15歳以下の女子の接種率を9割まで高めることを新たな目標にし、注目されているHPVワクチン。しかし日本では、副反応に対する不安などから、ワクチン接種を控える保護者も多くいます。そこで今回は子宮頸がんの予防に有効なHPVワクチンの効果と、副反応について解説します。

    保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)

  • 初めて子どものけいれんを目にした場合、多くの保護者が焦りでパニックに陥るもの。とくに乳幼児に多い熱性けいれんは何故起きるのか、原因と対処法についてご紹介します。

    保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)

  • 子どもの便の量や頻度は人それぞれですが、子どもの便秘は放っておくと悪化して、治療が必要な慢性便秘症におちいることも。そこで今回は、子どもの便秘の原因と対策、さらには慢性便秘症になった場合の治療方法について解説します。

    保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)

  • 「新しい生活様式」が呼びかけられ、長引くマスク生活。マスク着用により、子どもたちに影響はあるのでしょうか?マスク着用の習慣がもたらす健康被害と口呼吸の危険性、マスク選びのポイントやマスクの作り方をまとめました。

カテゴリ一覧