子どもが政策提言に取り組むために開発された教材が無料提供開始

子どもが政策提言に取り組むために開発された教材が無料提供開始

政府や自治体、学校、地域に働きかける方法を子どもの頃から身につける教材。声をあげる子ども・若者を叩くのではなく応援する社会に。

認定NPO法⼈「フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(以下、略称「FTCJ」)」が、日本の子どもが政策提言に取り組むための教材「SPEAK UP ACTION KIT」を開発。11月20日の「世界こどもの日」にあわせ、無料提供を開始した。

SPEAK UP ACTION KIT

他の先進国とくらべて日本では「担い手として積極的に政策決定に関与したい」と思う若者が少なく(※)、政治への参加意識、社会を変えようという意識が低いと聞かれて久しい昨今。

※ 平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(内閣府) 

FTCJはこの状況に問題意識を持ち、子どもが政策提言に取り組むための無料教材「SPEAK UP ACTION KIT」を開発した。

日本では、子どもや若者は上の世代から「出しゃばるな」と押さえつけられたり、子どもや若者が社会運動に参加すると叩かれるという光景を目にすることも多い。

また学校でも既存の校則を見直し、自分たちの手でルールを作り、悪い所は話し合って変えるという機会を与えられることは少ない。

日本の若者は幼少期から、自分たちの声が、地域や社会を変えていけるという体験をほとんどしていないため、政治への参加意識、社会を変えようという意識が低いのかもしれない。

そういった現状を鑑み、FTCJは子ども・若者が声をあげることを応援する社会をつくる一助になりたいとの思いから、無料教材「SPEAK UP ACTION KIT」を今回発表する運びとなった。

SPEAK UP ACTION KIT

国連総会で制定された世界こどもの日(11月20日)は、すべての子どもたちが健やかに育ち、自分の声をあげ、未来に向かって自らの持つ可能性を伸ばせるようにと願って、1954年に制定された記念日。そして、1989年の11月20日には、「子どもの権利条約」が国連で採択された。

子どもの”参加する権利”は、子どもの権利条約で保障されており、子どもには自分の考えや意見を表す権利がある。そして、子どもには社会や世界を変える力がある。

「SPEAK UP ACTION KIT」はこの考えをベースに構成され、4つのステップを踏んで、子どもが気になることや変えたいと思う問題があれば、『「変だな」と感じること + 声をあげる = 未来に変化を起こす!』を合言葉に、政府や自治体、学校、地域に働きかけ、子どもが行動を起こせるようになっている。

当時小6の坂口くり果さんが、世田谷区の母子手帳に子どもの権利条約の掲載を保坂区長に提言したことで、翌年度から子どもの権利条約が印刷された母子手帳の配布が世田谷区で開始した事例を、教材内で紹介している。
当時小6の坂口くり果さんが、世田谷区の母子手帳に子どもの権利条約の掲載を保坂区長に提言したことで、翌年度から子どもの権利条約が印刷された母子手帳の配布が世田谷区で開始した事例を、教材内で紹介している。

「SPEAK UP ACTION KIT」は、PDFをダウンロードのうえプリントアウトして使用、もしくはPC・スマホ・タブレットの画面を見ながら取り組むことが可能。

※ダウンロードはこちらから

https://ftcj.org/we-movement/weactioncampaigns/speakup

このほかにも、新学習指導要領に則り、SDGsの達成、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指し、地域社会や国際社会の課題解決のための社会的活動を、4つのステップ+6つのアクションで実践することができるようデザインされた教材を無料で提供している。

SPEAK UP ACTION KIT

子どもたちの声により、社会が変わるきっかけ作りを提供する「SPEAK UP ACTION KIT」。ぜひチェックをしてみては。

問い合わせ先/認定NPO法人 フリー・ザ・チルドレン・ジャパン

tel.03-6321-8948

info@ftcj.org

https://ws.formzu.net/fgen/S36268320/

2021.12.07

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