子どもの未来のための、外あそび推進シンポジウムが開催

子どもの未来のための、外あそび推進シンポジウムが開催

今年6月に作成した政策提言の実現に向け、子どもの発育や外あそびの重要性を専門とする有識者や、現場で外あそびの推進を行う第一人者を招き、今後の展望や推進における課題について議論

「子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会」が、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニーの協賛にて、8月17日(火)に「子どもたちの未来のための外あそび推進:政策提言の実現に向けて」と題したシンポジウムを開催した。

「外あそびを推進する会」は、すべての子どもたちが身近な環境で外あそびができる社会の実現に向け、政策的な働きかけや啓発活動を行う任意団体。

今年6月には、国会議員勉強会と共同で作成した政策提言を、加藤勝信官房長官に提出した。
※1 参照 https://kodomo-sotoasobi.com/jisseki/

今回のシンポジウムは、提言内容の実現に向けた第一歩として行われたもの。子どもの発育や外あそびの重要性を専門とする有識者や、現場で外あそびの推進を行う第一人者を招き、今後の展望や推進における課題について議論された。

まず、井上信治内閣府特命大臣(健康・医療戦略担当)の挨拶に始まり、続いて「外あそびを推進する会」の顧問である小倉將信衆議院議員より、6月に提出した政策提言の概要について説明。

その後、京都ノートルダム女子大学の石井浩子教授による基調講演では、過去約10年間にわたる外あそびの減少傾向とその原因、コロナ禍における加速、それによる子どもたちの身体的成長や社会性の育成に対する負のインパクトについて報告があった。

続いて、子どもの健全な成長における外あそびの重要性について、早稲田大学の前橋明教授と、筑波大学の平岡孝浩准教授が講演。

前橋教授からは、生活リズムの夜型化、自律神経機能の低下、疲れやイライラ感、「キレやすい」など、学業や社会活動に悪影響を及ぼす症状について、近年子どもや若者の間で増加が見られること、外あそびがその改善に貢献することについて説明があった。

平岡教授からは、近年の児童における近視急増の現状について、衝撃的な最新の調査結果を引用して報告。この状況は、外出抑制やデジタルデバイスの利用増加をもたらしたコロナ禍においてさらに悪化しており、教育現場でのICT化もすすむ中、目の健康への対策が急務であることが示された。

また平岡教授は、国家的に子どもの屋外活動を推奨するとともに、近視抑制に貢献した諸外国の例を紹介し、日本においても同様の政策をとることを提案した。
iStock.com/yamasan
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シンポジウムの主題である今後の推進施策や課題については、NPO法人放課後NPOアフタースクール代表理事の平岩国泰氏、株式会社Deportare Partners代表の為末大氏、公益社団法人MORIUMIUS(モリウミアス)フィールドディレクターの油井元太郎氏の3名が登壇。

放課後NPOアフタースクールは、子どもの個性を伸ばす貴重な時間である放課後に、学校施設を使い、企業や地域ボランティアを巻き込んで、さまざまなプログラムを提供。

平岩氏は、外あそびに必要とされる「時間、空間、仲間」(3つの間、サンマ)を提供できる効果的な取り組みである一方、十分な人材確保や安全管理のために政府による予算確保と、学校現場における責任問題への対応が必要であると訴えた。

続いて為末氏からは、少子高齢化が進む日本でこそ、子どもを中心とした政策づくりや取り組みが重要であること、ケガや事故に関する責任問題をはじめ、外あそび推進における課題の多くは、社会の誰もが「公共の場」に責任を持たず、互いに押し付けあっていることから生じているのではないか、という問題提起があった。

MORIUMIUSは、被災地で廃校となった校舎を再利用し、子どもたちに自然体験活動や、持続可能な生活体験を提供する施設。

油井氏は、最近の調査結果を引用し、自然体験が子どもの社会性やメンタルヘルスにもたらす好影響を説明したうえ、都心にいても実践できる自然との触れ合いや、さらにその機会を増やすための都市開発における工夫の必要性などについて、提案を行った。

意見交換では、公共のルール作りに頼るばかりではなく、日本社会の特徴である信頼関係を生かし、公共の場への責任感、コミュニティ意識、子ども中心の社会づくりを目指す意識が重要であるとのコメントも出た。

学校施設の活用推進については、予算の確保に加えて、教育長の意識改革が重要であるとの指摘があった。
T.TATSU/Shutterstock.com
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締めくくりとして、コロナ禍における外あそびの注意点と、今後の会の活動予定について、「外あそびを推進する会」代表発起人の前橋教授が説明。

継続的な啓発活動に加え、政策提言の実現に向けて、提案事項ごとに有識者を集めたワーキンググループを設立し、具体的な議論を進めていくとした。

そして最後に小倉將信衆議院議員が、こども庁での対応を含む今後の政府での取り組みについて決意表明を行った。

オンライン配信されたこのシンポジウムの内容は、下記リンクから視聴可能。ぜひ、目を通してみては。
※2 https://www.youtube.com/watch?v=LkbeuOOBz2w
問い合わせ先/子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会
playoutdoor@apcoworldwide.com
https://kodomo-sotoasobi.com/

2021年09月02日

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