花王がおむつ替え時の言語コミュニケーションと子の社会性発達の関連を確認

花王がおむつ替え時の言語コミュニケーションと子の社会性発達の関連を確認

言葉が少なくなりがちなおむつ替えの場面においても、コミュニケーションの時間として接することの重要性を示唆

「花王」感覚科学研究所、サニタリー研究所と立命館大学 総合心理学部の矢藤優子教授の研究グループが、日々のおむつ替え時における親子のかかわり方が乳児の社会性発達にどのような影響を及ぼすかについて、行動観察などの手法で検討。

その結果、おむつ替え時に親が子に対して言葉で多くコミュニケーションを取るほど、遊びの場面で測定した子の社会性指標が高いことを確認。おむつ替えの場面は単に親が子の世話をするというだけでなく、親子のかかわりにとって重要な場面になりうるという新しい視点を与えることがわかった。
「花王」は、ベビー用品の開発に向けた基礎研究や、育児家庭をサポートする情報発信のため、さまざまな分野の専門家と協働し、乳幼児を深く理解する研究を行なっている。また、立命館大学の矢藤教授は、乳幼児期の子どもの行動発達について、養育者や家族、地域や文化など、周りの環境とのかかわりに重点を置いた研究を行ない、親子のかかわり方と乳幼児の発達に関する共同研究を2018年から行ってきた。

今回の研究では、おむつ替え時の親子のかかわりに着目。おむつ替えは1日に何度も行なわれる育児行動であり、この研究に先立つ調査では、月齢5カ月の乳児の1日のおむつ替え回数は約8回にものぼることがわかったが、日々のおむつ替え場面における親子のかかわり方が、子の社会性発達にどのような影響を及ぼすかについては、これまであまり注目されてこなかった。

そこで今回、親と子が積み木で遊んでいる様子と、親が子のおむつ替えをしている様子についての行動観察を実施。試験参加者は、親(母)子47組で、月齢5カ月の乳児47名(男児20名、女児27名)と、初めて子育てする母親46名。

それぞれの場面での親の発話量を比較したところ、おむつ替えの方が少ないという結果から、遊ぶ時間と比べて、おむつ替えが親子のかかわりにとって重要と考える親の認識が薄いことが推測される。
花王
また、おむつ替え時の発話量の多さで親を2群に分け、積み木遊び時に測定したかかわり指標を比較すると、子の主体性、応答性、共感性は、おむつ替え時に発話量が多い親の子の得点が高いことがわかる。おむつ替え場面の親子のかかわり方と子のこれらの性質の発達に関連があることを示唆する結果となった。
花王
一方、積み木遊び時の母親の発話量とかかわり指標の子の得点との間に関連性は見られなかった。積み木遊びは親子で協力して課題を遂行するため、発話が発生しやすい状況であるが、おむつ替え場面は一般的に発話がなくても世話に支障はない。そのような場面であえて発話するということが、子の社会性発達に関連している可能性が考えられる。

今回の研究結果から、おむつ替えは遊びと異なり親子のかかわりにとって重要であるとの親の認識が薄いことが推測されるが、実際にはおむつ替え時の親の発話量が多いほど子どもの社会性発達指標の得点が高いことを確認。また、言葉が少なくなりがちなおむつ替えの場面においても、コミュニケーションの時間として接することの重要性が示唆された。

研究内容は、第61回日本母性衛生学会学術集会、また一部は日本心理学会第84回大会で発表されている。

この機会に、おむつ替え時の赤ちゃんとのコミュニケーションを見直してみては。

2020年10月29日

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