教えててぃ先生×高濱先生!夫婦の価値観はどうすり合わせする!?

教えててぃ先生×高濱先生!夫婦の価値観はどうすり合わせする!?

子育てに関するママパパのさまざまなお悩みに、現役保育士のてぃ先生とKIDSNA編集長・加藤が赤裸々にトークするKIDSNA TALK。今回はスペシャルゲストとして花まる学習会代表の高濱正伸先生との対談が実現!「夫婦」をテーマに、価値観の不一致の解決法や子育ての指針を持つことの重要性について、てぃ先生と熱くトークします。

KIDSNA TALK
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加藤
今回は夫婦の問題がテーマです。まずお聞きしたいのが価値観の不一致について。

一方の親は子どもの知的好奇心を広げるためにいろいろなことに挑戦させたいと考えているのに、もう一方の親は「まだ早い」と子どもの行動範囲を狭めようとする、たとえば母親は子どもだけのキャンプに行かせたり、子ども同士だけの経験をさせたりしたいのに、父親に「必要がない」と言われてしまうそうです。
てぃ先生
夫婦間の価値観のずれを、どう解決していくかということですね。
高濱先生
そもそも夫婦といえどもとは他人で、それぞれ違う家庭で「男」「女」として育てられているのですから、遊びも興味も価値観も違って当然。

恋愛期はお互いの違いも気にならない、むしろそこを魅力に感じてくっつくけれど、その時期が終わり夫婦として人間同士のチームになると、合わないことだらけだと気がつく。

子どもは分身のようなものだから別として、夫婦はもともと他人で、他人と一緒に暮らすためには、頑張らなければうまくいかないのは当たり前なんです。

これはなにも男女の問題だけでなく、会社も社会も全部そうです。同級生で同じ部活をしている男子同士でも考え方はまったく違う。みなさん好きじゃない相手でも、仕事のチームになれば折り合いをつけて一緒にやりますよね。

誰しも自分の価値観をおし通したいものですが、夫婦というチームをうまく運用するには譲ることと受け入れることが重要です。

話し合いやすり合わせを続けると、「私は違うけれどここは譲っておこう」とか「あの人はこうだからいいか」と、だんだんといい感じになっていくものです。それがお互い大人になるということ。

たとえば、妻は野球にまったく興味がないとしても、夫が野球好きで阪神ファンであれば、「野球が好きなんだね」「阪神が勝つと嬉しいんだね」と、相手の好みや関心を知り、どこにこだわりを持っているかを、受け止めるんです。
加藤
問題が起きたときだけではなく、日常から相手に興味があることを示して受け入れるんですね。
高濱先生
大前提としてお互いを受け入れることが大切ですが、僕の講演や父親教室などでは、お母さんに焦点を当てることを伝えています。

子どもにとっての最大関数はやはり母親です。そのことを世の父親たちはよく理解しているはず。

わが子が一番大事なら、母親がにこやかで、すこやかで安心していられる状態に持ってくことが、結果お子さんにとっても最高の状態につながります。

妻にニコニコでいてもらうために、夫である自分は何をするべきなのか、第二の仕事として、研究していかなければ分からないですよ。
加藤
高濱先生も実践されているんですよね。
高濱先生
はい。僕は結婚して30年くらいたちますが、妻が好きなもの、嬉しいものはいつもチェックしていますよ。韓流スターもただのお兄ちゃんにしか見えないけれど、でも好きなんだねと否定せずに受け入れる。

うちの場合はこうだけれど、夫婦の在り方もみんな違うし、価値観も違う。自分の妻の好みや、どんなときに喜ぶかを、世のお父さんたちは研究しましょう。
加藤
壮大な研究テーマですね。
高濱先生
たとえば、僕の妻には双子の弟がいて、お母さんがいないときに代わりにお世話していたから、すごく愛情を持っているんですよ。だから僕のほうから「あの子たちどうしているかな」と話題を持ち出す。すると、ものすごくイキイキして話してきますよ。

もちろん夫側だけではなく、お互いにこの気持ちを持つことが重要ですが、まずは父親たちにこのことを知ってほしくて言い続けています。相手を知ろうとしなければ、夫婦円満なんて無理ですよ。
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加藤
奥さまは嬉しいでしょうね。
高濱先生
たとえば、あんみつを買って帰ったときに、妻がなぜニコニコになるのかを分析すると、単純に甘いものが好きだったからではなく、仕事で忙しい中で自分の事を思い出して、「これ好きだったな」と買ってくれた瞬間の心の動きが好きなんですよ。このことに気がついていない男は多い。

誰しも仕事と家庭、両方で役割を持っているのに、男は仕事で役割を果たしているから十分だと思っている。「仕事で勝ち組でも、本当の意味で妻を笑顔にしていますか?」と聞くとしーんとします(笑)。
加藤
もっと広まってほしいですね。父親たちの反応はどうなんですか?
高濱先生
30年前は「あなたは塾の先生なのになかなかいいこと言いますね」みたいな上から目線な反応でしたが、今の30代、40代の子育て世代の男性は、すごく素直に聞き入れてくれますよ。

講演後は「妻のことを分かっていなかったことに初めて気がつきました!」という内容の感想がたくさんきます。
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加藤
てぃ先生はいかがでしょうか。
てぃ先生
やっぱり、子育てに対しての指針がないと感じるご家庭が多い印象はあるから、お忙しいこともあって、なかなか話し合いをする時間が持てないのでしょうね。
加藤
会話ができないまま、一方が一生懸命で、一方はまったく無関心みたいなパターンが多い気がします。
てぃ先生
保育園ではまず、保育目標を立て、子ども一人ひとりに合わせた指導案を書きます。

「今はこういう状況だから、今週、今月はこういう姿を目指してこんな狙いにしよう」という風に、必ず今の子どもの姿と目標、そして活動が結びついています。

なので、ご家庭で「子どもがこうなるといいね」「ここだけは守れる子にしたいね」という軸を夫婦間で共有するだけでも随分変わります。

先ほどの「キャンプに行く必要はないと夫に止められる」という相談も、普段から「うちの子は自然に親しんでほしい」「自然の中で活発に動けるようにしたい」という会話をしていれば、「キャンプは行った方がいい」と判断しやすい。

その軸がないから、その場の気分で意見も変わり、単純にお互いの価値観のぶつけ合いになっている気がします。
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高濱先生
てぃ先生に「夫婦で書くわが子の指導案」という本を書いてほしい(笑)。

「指導案を一緒に考えよう」という言い方は分かりやすくていいですね。難しく考えず、一週ごとに、「来週はこういうことに気をつけていきたいね」と夫婦で話すだけでずいぶん違いますよね。
加藤
「子どものために何をしたらいいか?」という質問がすごく多いのですが、母親と子どもは一生懸命で、父親は子どもに対して空白の状態ということなのでしょうか?
高濱先生
でも先ほどの質問の書き方はそもそも「それは父親がひどい」と言ってほしいんですよね。要するに切って捨てようとしているわけで、それは病んでる状態。チームメイトのことを尊重してすり合わせていくのが教育じゃないですか。

相手がいかに分かってくれないかだけでは、やっぱりお互いの自由研究が足りないし、指導案を取り入れていかないとね。
加藤
お互いの自由研究、妻も子どもを軸にした夫の研究をしないといけませんね。
高濱先生
うちの妻もガンガン研究をして、だんだんうまくなってきていますよ。

もちろん、子どもを研究することも大事です。男の子って高いところから飛び下りたくなるんだなとか。
てぃ先生
やっぱり観察は大切ですね。あんみつを持ち帰るまでは誰にでもできることですが、持ち帰ったときにどういう反応をするかまで観察をしたい。
高濱先生
やっぱりてぃ先生も人を見ることが好きなんですね。
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加藤
次は、「父と母、それぞれの距離と関わり」について。高濱先生の著書『父親ができる最高の子育て』で、「一般的に母親と子どもは距離感が近いことが多いけれど、父親と子ども、夫と妻の距離感は近くないことが多い」と書かれていました。父親側ができるとよい子育てとは、どういうものでしょうか。
高濱先生
先ほどの話がほぼ答えに近いのですが、子どもを軸にして考えることですね。
03
てぃ先生
そういう意味では、あまり父親・母親と分けて考えすぎなくていいと思います。
加藤
でもこの傾向があるのは何故なのでしょうか。
高濱先生
お互いを研究対象にしようという発想がなくて、自分の見えている世界だけで相手を切って捨てているからです。「うちの妻っていつもイライラしていて、なんであんな風になっちゃったのかな」というレベルで終わっている人が大半。

妻がそこにいたるまでにどんな気持ちでイライラしているのか、寄り添っていこうとしていないのでしょうね。

妻側も同様に、「うちの夫ってひどいのよ」と愚痴って「本当にひどいよね」と同意してもらって終わりで、夫がどんな気持ちでいるのか想像もせず、近づいていかない。
加藤
家庭でスマホを触らない時間を設けるとか、ルール化するのもありなのかと思ってしまいますね。そうしなければ、座ってちゃんと対面で話す時間もなかなか作れないです。
高濱先生
現代の大人は全員スマホ中毒ですからね。
加藤
スマホに気持ちをとられて、お互いの事を話すこと自体があまり大事ではなくなっていると感じます。
高濱先生
でも、スマホが普及してまだ10年くらいですから、この後どうなっていくかは自分次第。

子育てを中心に考えると、やっぱり家族は目を見たり、言葉を交わしたりしながら、しっかり心をすり合わせていくことが大事。お互いスマホの画面を見ながらでは無理ですよ。

全部禁止にしなくてもいいけれど、たとえば、21時~23時は絶対触らないとルールを決める。そういう取り組みをして「うちはラブラブになりました!」とか、誰か報告して欲しい(笑)。
てぃ先生
夫婦じゃなくても、カップル系ユーチューバーみたいな人たちでもいいですよね。でも、「何時から何時はスマホをいじらないようにしようね」と言っても向こうが「え、やだよ」って言ったらそこで終わりになりそう(笑)。

結局、相手を研究していないから、なんとなく2時間という突拍子もない時間を提案して、失敗してしまうんです。相手をよく見ていれば「この人は10分ならいいと言ってくれるかもしれない」ということも分かる。だからやっぱり大切なのはパートナーの観察と研究なんですよね。
次回の更新は10/13(水)予定です。お楽しみに!

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2021年10月06日

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