NHK 日テレ フジにはできない…なぜ「総務省」がTBS「VIVANT」ではなく"愛犬家ラブストーリー"に大注目するのか
日本のドラマ史上に名を刻むかもしれない「初恋DOGs」
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2025年の夏ドラマが始まった。昨今のドラマ人気度はテレビ放映時の視聴率だけでなく、ネットでの見逃し配信の再生数なども加味されて測られる。次世代メディア研究所代表の鈴木祐司さんは「TBSの『初恋DOGs』は日本国内だけでなく、世界の視聴者をターゲットにしており、同局の動向には総務省も注目している」という――。
TBS『初恋DOGs』…視聴率は凡庸だが業界が動向を注視するワケ
2025年の夏クール開始初日に、日本のドラマ史上に名を刻むかもしれないドラマが始まった。TBS『初恋DOGs』(火曜22時)、愛犬同士(豆柴、ミニチュアゴールデンドゥードル)の一目ぼれから始まる飼い主によるラブストーリーだ。
同作はTBSと韓国のスタジオが共同制作し、放送前から世界展開が決まっていた。いま広告収入減に苦しむテレビ局は新たなビジネス展開、儲けの種を模索しており、TBSの同作はまさにそれに先駆けたトライアル番組だ。
主演は、愛を信じない「クールな弁護士」を演じる清原果耶。そして、動物しか愛せない「こじらせ獣医」に扮する成田凌。2人は愛犬たちの“初恋”をきっかけに急接近するが、そこに、日本ドラマ初出演であるナ・イヌ演じる韓国財閥の「ワケアリ御曹司」が絡むというラブストーリーだ。
スイッチメディア「TVAL」から作成
7月1日の初回の視聴率は凡庸だった。個人全体の3.3%は、直近の火曜22時枠の10作の初回と比べても低い。テレビをリアルタイムで視聴する人は近年減り続けており、プライムタイム帯(19~23時)のPUT(総個人視聴率)は、2022年度から24年度で15%縮小している。同作の初回も、残念ながらその流れには抗し切れていない。