そりゃ視聴率が伸びるわけだ…NHK朝ドラ「あんぱん」が"豪ちゃんと蘭子"の号泣シーンを描いた意図【2025年5月BEST】
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今田美桜さん主演のNHK朝ドラ「あんぱん」の初回は、NHKプラスの配信で歴代ドラマの中で最多視聴数を記録した。視聴率もじわじわ上昇している。コラムニスト矢部万紀子さんは「思い出すと今でも目頭が熱くなるシーンがある。脚本を担当する中園ミホさんが、かつて『花子とアン』で痛感したであろう反省が生かされている」という――。
2025年5月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。カルチャー・テレビ部門の第3位は――。
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▼第3位 そりゃ視聴率が伸びるわけだ…NHK朝ドラ「あんぱん」が"豪ちゃんと蘭子"の号泣シーンを描いた意図
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豪と蘭子が結ばれた
「あんぱん」第6週、放送日でいうと5月8日、豪(細田佳央太)が出征した。豪の詳細は端折るが、とにかく心配だ。翌9日、女学校に戻ったヒロイン・のぶ(今田美桜)は戦地の兵隊さんへの「慰問袋」を思いつく。街頭でも募金集めをするほど熱心に取り組んだのは、豪と妹の蘭子(河合優実)が結ばれたことが大きかったと想像する。
のぶはそれまで、「忠君愛国」に懐疑的だった。が、妹のことがあり、「兵隊さんの武運長久」が身近&切実なものになったから、行動力を発揮したのだろう。街頭でも募金活動をしていたら、「愛国のかがみ」として高知新報の記事に紹介された。とはいえ、銀座からお気楽な電話をしてきた後の夫・嵩(北村匠海)を叱り飛ばしていたから、すっかり忠君愛国派?
という話は、今回は置いておく。豪の武運を心配しているオールジャパンの皆さまを代表し、先行きを推理してみる。
豪はきっと帰ってくる
その1 のぶが載った高知新報の日付が、「昭和十二年七月二十九日」だった。
真珠湾攻撃まではまだ4年ある。この頃に出征し、無事に帰ってきた人の話は割とよく聞く。我が祖父がそうだったと父から聞いたことがあったし、朝ドラでは「カーネーション」(2011年度後期)の勘助も帰ってきた。「勘助と戦争」は後世に語り継ぐべき物語だがそれとは別に、とにかく豪は帰国する。
その2 5月9日の「あさイチ」のプレミアムトークに豪役の細田さんが出演した。
いわゆる「死亡フラグ」だと、ネットがざわついている。確かに「ちむどんどん」(2022年度前期)でヒロインの父親役だった大森南朋さんは、出演した翌週に死亡していた。であれば、豪は戦死してしまう。
1対1の引き分けだ。が、ここで推理をググッと勝手に進めて、結論を書こう。
その3 脚本家の中園ミホさんにとって、「あんぱん」は2作目。だから、豪は帰ってくる。
全然わからない、というオールジャパンの皆さま、すみません。説明してまいります。