郷ひろみが社名連呼のCMへの評価でビジネスセンスがバレる…「セオリーに反する」と思った人が鈍いと言える訳

郷ひろみが社名連呼のCMへの評価でビジネスセンスがバレる…「セオリーに反する」と思った人が鈍いと言える訳

消費者の購買意欲を向上させるマーケティングの鉄板理論に「AIDMA」がある。だが、2019年から美容中心の医療機関「にしたんクリニック」の支援事業を展開しているエクスコムグローバル社長の西村誠司さんは「当社はAttention(認知・注意)しか意識していません。消費者のみなさんにとにかく知ってもらうことの一点突破で、認知度を高めることだけに全精力を傾けている」という――。 ※本稿は、西村誠司『最強知名度のつくりかた 売り上げ98%減からのV字逆転を実現した必勝術』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

商品説明不要。名前を知ってもらうことだけに全力を注ぐ

「ワンフレーズ・ポリティクス」という言葉をご存じでしょうか。

これは、小泉純一郎元首相が多用したことで知られるようになった政治手法です。まさにワンフレーズで、自分の政策やメッセージを国民に届けることをこう呼びます。「自民党をぶっ壊す」「改革なくして成長なし」といった小泉元首相が発信したワンフレーズを覚えている人も多いのではないでしょうか。良きにつけ悪しきにつけ今なお印象に残っているという時点で、少なくとも政治家のマーケティング戦略としては大成功だったと言えるでしょう。

私たちのマーケティング手法「知名度一点突破戦略」も考え方は同じです。

当社は2020年の新型コロナウイルスの感染により大きな危機に直面しました。これにより海外旅行客が一気にいなくなったことで当社の屋台骨を支えてきた海外用Wi-Fiレンタルサービス「イモトのWiFi」の需要も激減し、会社全体の売り上げが実に98%減まで落ち込みました。コロナ禍で窮地に陥った企業は数多くあると思いますが、ここまで急速に業績が落ち込んだ会社は珍しいのではないでしょうか。

そんな正真正銘、絶体絶命のピンチを救ったのが、2020年8月に開始した「にしたんクリニック」の新型コロナウイルスのPCR検査事業でした。

とにかく「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」という名前を覚えてもらうことが狙いです。だから商品説明は一切せずに、「にしたん」だけをほぼひたすら連呼しているのです。CMの歌詞(30秒バージョン)を書き起こすとこうなります。

た~んたんにしたん たたんたん

たん たたん にしにし にしたん

に~したんたん に~しにし たたんたーん にしたーん!

にしたんクリニックへGo!

郷ひろみさんに歌唱していただくために書き上げたオリジナルソングです。いかがですか? PCR検査の「ピ」の字すら流れていないことがわかりますよね。

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https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-240627-04305453

2024.11.19

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