【まめと私】#30 いつも苦労は想像の斜め上
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イラストレーター。2015年に生まれた3歳の息子まめくん(愛称)とのほっこりかわいらしいエピソードを連載。2017年8月に第二子ゆめこさん(愛称)を出産し、連載にも登場し横峰家の子育てや家族のエピソードを執筆。Instagramでは30万人以上のフォロワーで人気沸騰中。新刊に「まめ旅inハワイ」(光文社)を発売中!
<毎月第1、第3水曜日更新>【まめと私】イラストレーターの横峰沙弥香さんの連載第30話です。
昔わたしがまだ若く、世の中を知らなかった頃
外出先で大泣きしている子どもを連れたお母さんを見かけると
「どうして何もしてあげないんだろう…」なんて考えていました。
自分が子どもを持つまで
「手を尽くしたものの何をしても泣き止まないので結果何もしようがない」状況があるなんて思ってもみなかったのです。
さらに我が子が成長し、自我やこだわりがはっきりしてくるまで
「パッと聞くぶんにはできそうだけど、よくよく聞いてみると要望が細かすぎて現段階では実現不可能」な状況があることに気づきませんでした。
今回のこともしかり。
子どもがはっきりと「絆創膏を貼って欲しい」と口にしながら泣いているのにどうして絆創膏を貼ってあげないんだろう、もしかするとあのお母さんは絆創膏を持っていないのかもしれない……そう考えてあの人はわたしに絆創膏をくれようとしたのでしょう。
まさかロマンスカーの60000形模様の絆創膏でなければ受け付けないなんてことまで想像がつくほうが稀なのです。(というより絶対想像つかないと思う)
あの時の親切なあの人が見せたなんとも言えない表情は、わたしに対する心からの同情でした。
ありがとう、そしてせっかくのご親切を無下にしてしまってごめんなさい……
余談になりますが、先日ロマンスカーに乗るための旅をした際に
ロマンスカーの絆創膏をたくさん買い込んでいたので
その日わたしは50000形(白いロマンスカー)の絆創膏だけはたくさん持っていたのです。
とはいえそれでは絶対にダメだと言い張るまめをみていて
我が子のこだわりの強さに驚くとともに
世のお母様たちの苦労を思いちょっぴり涙するなど。
今回のことで幸運にもまたひとつ経験値を得ることができたわたし。
子育て中の人に限らず、誰しもどうしようもない状況を抱える可能性があるのだということを常に心に留め置いて
できるだけやさしい気持ちで過ごそうと決意しました。
作者:横峰 沙弥香
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横峰沙弥香
イラストレーター。2015年に生まれた3歳の息子まめくん(愛称)とのほっこりかわいらしいエピソードを連載。2017年8月に第二子ゆめこさん(愛称)を出産し、連載にも登場し横峰家の子育てや家族のエピソードを執筆。Instagramでは30万人以上のフォロワーで人気沸騰中。新刊に「まめ旅inハワイ」(光文社)を発売中!