仕事と子育ての両立に悩むママも少なくないと思います。人によっては、そこに介護が加わる方もいらっしゃるでしょう。どんな生活スタイルになるのか、仕事は続けていけるのか、不安に思う人もいるかもしれません。いつ自分のことになるか分からない子育てと介護、仕事の両立について、困った点や対処方法を、仕事をしながら両立しているママの体験談を交えてご紹介します。
子育てをしていると、かわいいわが子でも感情的になってしまうこともあります。介護も同様で、いくら身内とはいえ、同じことを何度も繰り返したり、言っても頑固に聞かなかったりする相手に少なからずストレスを感じてしまうことがあるようです。
しっかりしていた父や母が弱っている姿を見ることに、ショックを感じる人もいるでしょう。子育てと介護を同時に進めることを「ダブルケア」といいますが、子育てと介護で感じる負担が一度にかかるので、辛いと感じる方もいるかもしれません。
また、心の疲れだけでなく、育児と介護を仕事と両立させるためには、体力が必要になるかもしれません。介護の程度にもよりますが、体を拭いたり、排泄物の処理をしたり、同居していれば食事の準備なども必要です。自身のことだけでなく、子どもや親など、お世話をする人が増える分、体力的にも負担が増える可能性があります。
心にも体にも大きな負担がかかることが、育児と介護、仕事の両立を難しくしている要因のひとつと言われています。
介護と育児を両立するために、仕事を時短勤務または離職する場合もあります。
内閣府の調査では、育児と介護の両立のため、それまでの業務量や時間を変更しなかった人は男性で約半数ですが、女性は約3割のみです。労働量や時間を減らした人は男性2割、女性4割ですが、その中で男性2.6%、女性17.5%が離職しているというデータがあります。
育児と介護を両立することになった場合、特に女性の仕事への影響が大きくなる傾向があるようです。
育児と介護、仕事の両立には、物事が思うように進まなかったり、子育てと介護の両方に時間を取られて自分の時間が取れなかったりすることで、ストレスが溜まってしまうかもしれません。
旅行や外出も思うようにできないこともあったりと、気分転換する方法が限られてしまう場合もあるでしょう。
子育てと介護の時期が重なる要因は、ライフスタイルの変化が関係しています。
介護と子育てを同時にする世代は30~40代が多く、育児のみを行う人も同じく30~40代が多いというデータがあります。
女性の社会進出が進み、晩婚化や高齢出産が増えている影響で、これまでは育児が一段落してから介護という流れが多かった時期にずれが生じて、育児と介護の時期が重なる人が増えています。
政府が女性管理職の増加を目標に掲げるなど、女性の活躍を後押しする雰囲気のなか、女性の社会進出は今後も増えていくでしょう。それに伴って、晩婚化や少子化が進むと考えられています。
同時に、医療の発達で長寿命化、高齢化も進行傾向にあり、今後も介護と子育てを両立させる必要のある人が増加するでしょう。
「義母には軽度の認知症があるのですが、義母自身でも考えつかないような行動も増えてきました。小学校に上がったばかりの娘もいるので、仕事と育児、介護となると娘にも構ってあげられないときがあります。
義母もグループホームに入りたいとの希望でしたので、家族で相談をしてグループホームに入ることを検討しています」
「フルタイムで働いているときに、保育園に迎えに行ってもらうなどして助けてもらっていた母の介護が必要になり、近くに住んでいる私が毎日母の家に行っています。毎日の介護、仕事、子育ての同時進行で私が体調を崩してしまい、以前の職場よりも近い場所にパート勤務に変更しました。
家族で旅行に行くときなどは、独りにしておくのが心配なので、グループホームのお世話になるようにしていますが、行きたくないと言われてしまうので、何度も利用するのが心苦しいです」
育児と介護、仕事を両立する上で、周りの協力は欠かせないと言えるでしょう。産休や育休制度など子育てに関する制度が整っている企業は多いですが、育児と介護を同時に行うことについては、まだまだ認知度が低く、実態を把握できていない部分が多いようです。急な休みや早退に理解をしてくれる環境づくりが大切です。
また、通い介護ならば、姉妹兄弟が交代で介護を担当するなど、一人に負担がかかりすぎない仕組みが大切です。パートナーの協力も必須で、育児にしても介護にしても、やって当たり前だと夫が妻に任せっきりにならないように夫婦での相談も大事ですね。
介護や育児への関わりが多い少ないはありますが、「いつもありがとう」と夫婦間でお互いに思いやる気持ちを持つとよいかもしれません。
働きながら、家族だけで、育児も介護も両立させようと思うと大きな負担になります。乳幼児や小学生を対象には、病児預かりや、保育施設や学校終了後の子どもの預かりなどがあるファミリーサポートが利用可能です。
介護サービスも訪問介護やデイサービス、ショートステイや老人ホームという、状況に合わせたサービスがあります。これらのサービスを上手く利用した負担軽減を考えましょう。
今の自分には関係無いと思っていても、いつ親が要介護になるかは分かりません。自分たちを育ててくれた両親に恩返しをしたいと体に無理をして、子育てと仕事の両立、さらに介護を頑張りすぎて体を壊してしまってはご両親も悲しんでしまうことでしょう。
すべてを一人で抱え込んではパンクしてしまうので、頼れるところは頼って、周りの人や夫婦で協力し合いながらより良い家庭を築けていけるとよいですね。
※記事内で使用している参照に関する内容は、2017年10月18日時点の情報となります。
2017年10月18日
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