子どもの口座開設は何歳から?本人名義口座のメリット、作り方【FP監修】

子どもの口座開設は何歳から?本人名義口座のメリット、作り方【FP監修】

教育資金など子どものためのお金を銀行に預ける際、誰の名義にしていますか?幼少期からお金に対する意識を根付かせるためには、子ども本人の名前で口座を開設することも一つの方法です。子ども名義口座開設のメリット・デメリット、口座開設の方法などをご紹介します。

口座開設は何歳から?

戸籍があれば、0歳から開設することができます。

もちろん0歳児が手続きを行うのは不可能なので、実際には親権者法定代理人(母親、父親など)が本人に代わって口座を開設することになります。

出生祝やお年玉、政府や自治体からの給付金などを子どもの将来のために貯めておく口座として、子ども本人名義で開設する保護者も少なくありません。

子ども名義の口座を開設するメリット

※写真はイメージ(iStock.com/takasuu)

子ども本人の名義で銀行口座を開設するとどんなメリットがあるのでしょうか。

子どものための貯金とその他の区別がつきやすい

保護者名義口座にまとめてしまうと、生活費用か子ども専用なのかを見分けにくいですが、子ども名義であれば一目瞭然で便利です。

子どもへのお金教育になる

教育資金など子どものための貯金を本人名義の口座で行い、お小遣いやお年玉を貯めるためにも使用させれば、子どものころからお金を管理することへの抵抗を少なくすることができるでしょう。

口座ごと子どもにプレゼントできる

子どもが進学のために実家を出る、就職するなどのタイミングで、それまで子どものために貯金してきた本人名義の通帳を渡すことができます。保護者の子どもへの思いを示す一つのかたちになるでしょう。

子ども名義の口座を開設するデメリット

子ども名義の口座開設にあたって、どんなことに注意すべきでしょうか。

子どもの成人後、本人以外はお金を管理しにくくなる

子どもが未成年のうちは、保護者が代理人としてお金を管理することになりますが、成人後は原則として手続きができるのは本人のみとなります。

保護者が入出金や解約を行いたい時には、委任状が必要になります。手続きの煩雑さを考えて、子どもの進学のための費用に関しては、保護者名義の口座で管理する人もいます。

10年以上放置すると休眠口座になる

銀行口座を10年以上取引のないまま放置すると、休眠口座扱いとなります。休眠口座になっても預金を引き出すことはできますが、その際には新しい口座番号となる場合や解約手続きが必要となる場合があります。

※写真はイメージ(iStock.com/LukaTDB)

お年玉やお祝い金を貯めておいた口座の場合、あまり頻繁に入出金することはないかもしれませんが、記帳だけでも取引があったとみなされます。定期的な記帳で休眠口座化を防ぎましょう。

贈与税がかかる可能性がある

こちらはのちほど解説します。

口座開設に必要なもの

以上のメリット、デメリットを踏まえ、実際に口座を開設するためにはどんな書類が必要になるのでしょう。銀行窓口に出向いて口座開設する場合と、インターネットで口座開設する場合に分けて説明します。


銀行窓口で口座開設する場合

窓口で手続きする際は、分からないことをその場で銀行員に確認できるほか、お礼品などをもらえることもあります。窓口に持参するものをまとめました。

子どもの本人確認書類

健康保険証、マイナンバーカードなどの子どもの現住所が記載されている本人確認書類が必要です。

親権者の本人確認書類

親権者の運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど、本人確認書類が求められます。

親権者であることがわかる書類

母子手帳や子どもの健康保険証など、法定代理人の証明になる書類を持参しましょう。

届出印(銀行印)

金融機関によっても必要書類が異なるため、事前に該当する機関の情報を確認するようにしましょう。


インターネットで口座開設する場合

銀行窓口に足を運びたくとも、時間の制約などでむずかしい場合もあるでしょう。そんな時は自宅からインターネットで口座を開設しましょう。印鑑不要で開設できる場合が多く便利です。必要なものは下記です。

子どもの本人確認書類

窓口での開設と同様に健康保険証、マイナンバーカードなどの子どもの現住所が記載されている本人確認書類が必要です。

親権者の本人確認書類

こちらも窓口での開設と同様、親権者の運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど、本人確認書類が求められます。

ネットでの口座開設は便利ですが、キャッシュカードや書類が届くまで口座を利用できないため、お急ぎの場合は窓口での開設を検討してください。

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金融機関選びのコツ

子どもに本人名義の口座を作る際、どの銀行を選ぶとよいでしょうか。三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行などのメガバンクと、楽天銀行、PayPay銀行など実店舗を持たないネット銀行を比較してみましょう。

金利で選ぶならネット銀行

預金金利を優先するならばネット銀行のほうが有利です。人件費や店舗コストが抑えられている分メガバンクよりも高く設定されており、0.1~0.2%のところもあるほど。一方メガバンクは2022年3月現在、普通預金金利は0.001%、スーパー定期、定期預金金利では0.002%のものもありますが、ネット銀行よりはどれも低いのが現状です。

信頼性ならメガバンク

メガバンクは、金利が低い分、窓口が多く設けられていることに利点があります。困った時に窓口で直接銀行員に相談できるのがメガバンクのメリットです。

また海外の主要都市に支店があることも多く、子どもが将来海外に留学した場合などにも便利です。ただし、海外支店や現地法人で円の引出しが可能の場合と、外貨預金口座を開設しないと引き出せない場合があるので注意が必要です。

メガバンクでもインターネットバンキングの利用がオススメ

メガバンクで口座開設する場合も、インターネットバンキングの利用をオススメします。窓口に行かずとも、PCやスマホなどを使って気軽に銀行取引ができます。子どもが将来生活する地域に、該当する銀行の窓口がない場合でも安心でしょう。

また、インターネットバンキングでは管理画面を見せることでお金の動きが確認しやすく、マネー教育の観点からもメリットがあります。インターネットバンキングアプリの使いやすさなども、銀行選びのポイントに入れておくとよいでしょう。

※写真はイメージ(iStock.com/kohei_hara)

子ども名義の口座にも贈与税がかかる?

子ども名義の口座を本人に渡す場合でも贈与税がかかることがありますが、用途によって目安となる金額は異なります。

結婚・子育て資金については、子どもや孫に贈与する額が受贈者1人につき1,000万円まであれば非課税です。ただしそのうち結婚資金については、受贈者1人につき300万円までが上限です。

贈与税基礎控除は110万円分あり、上述のそれぞれの贈与額に上乗せできます。

なお、国税庁は「贈与税がかからない場合」として、「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」を挙げているため、お年玉もこれに当たると判断できます。

出典:国税庁ホームページ

※写真はイメージ(iStock.com/zepp1969)

不安なことがある場合は、税理士に相談するとよいでしょう。

体験談

長男が生まれてすぐに本人名義の口座を作り、そこに子ども手当を入れていました。今は本人におこづかいを管理させるために使用していて、毎月いくらを口座に預けるかを本人が決めています。

子ども手当のお金を貯める口座は子ども名義でつくっていますが、ほとんど触ることはありません。そのうち一緒に銀行に行って子どもが自分で管理するための口座を開設しようと思っていましたが、今はそもそも銀行口座に預けるのがベストかどうかちょっと悩んでいます。

子どもがお金と健やかに付き合っていくために

子どもが将来お金に困らないよう、小さなころからお金の管理に慣れておくことは大切なことでしょう。子どもの名義の口座を作って、お金と上手に付き合っていけるようマネー教育するのがいいかもしれません。

※写真はイメージ(iStock.com/Iam Anupong)

Profile

福本眞也

福本眞也

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP®認定者(日本FP協会)、2020年日本FP協会広報センタースタッフ 3男児の父。 三菱UFJモルガンスタンレー証券(ユニバーサル証券)、TD銀行・証券、クレディスイス証券、JPモルガン証券など日系・外資系大手金融機関勤務を経て2009年に独立。 金融の幅広い知識を持ち、個人相談、企業研修、マネースクール講師、金融記事執筆・監修などを務め、楽しく、わかりやすい金融コンサルティングを行っています。

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