断熱性能の等級とは。等級4の意味や断熱性の高い家づくりのポイント

断熱材の厚みや地域区分について

断熱性能の等級とは。等級4の意味や断熱性の高い家づくりのポイント

住宅の断熱性能について知りたいママやパパもいるのではないでしょうか。今回の記事では、等級4などの等級とはどういったものなのかや、断熱材の厚みを考えるなどの断熱性能を上げるための工夫、地域区分の確認などの断熱性能のよい家をつくるときに意識したことを国土交通省の資料や体験談をもとにご紹介します。

断熱性能のよい家とは?

家づくりを考えているママやパパは、断熱性能のよい家とはどういった家なのか気になっているかもしれません。一般的に断熱性能の高い家は、冬暖かく夏涼しいというイメージがあるかもしれませんが、「冬暖かく夏涼しい家」とはどのような家なのでしょう。

国土交通省の資料では、「断熱等性能等級」の「評価事項」に次のように記載されています。

評価事項 ① この性能表示事項において評価すべきものは、評価対象住戸における外皮平均 熱貫流率及び冷房期の平均日射熱取得率の小ささ並びに壁体内等の結露の発生を 防止するために必要な対策の程度とする。

出典: 評価方法基準/国土交通省

これによると家の外壁や窓を通して熱を損失することが少ない住宅が、断熱性能のよい家とされているようです。平成25年に断熱性能にも関わる住宅の省エネ基準の見直しが行われたそうなので、見直しの概要についてご紹介します。

省エネ基準の見直しの概要

国土交通省の資料によると、平成25年の見直しでは外壁や窓などの断熱性能に加え冷暖房、換気、給湯、照明設備の性能などを総合的に評価するようになったそうです。ここでは断熱性能の等級とはなどについての資料をご紹介します。


断熱性能の等級とは

塗装
iStock.com/BanksPhotos

断熱性能の等級とはどのような基準のことなのでしょう。国土交通省の資料には

等級は、地域の区分が1、2、3又は4地域である場合にあってはイ及びハに掲げる 基準、5、6又は7地域である場合にあってはイからハまでに掲げる基準、8地域であ る場合にあってはロ及びハに掲げる基準

出典: 評価方法基準/国土交通省

と記されています。

※この場合のイは外皮平均熱貫流率に関する基準、ロは冷房期の平均日射熱取得率に関する基準、ハは結露の発生を防止する対策に関する基準となっているようです。

また、上記の他に

省エネルギー対策等級を断熱等性能等級とし基準の指標をこれまでの熱損失係数( Q)、 日射取得係数(μ)から外皮平均熱貫流率(U A)、冷房期の平均日射熱取得率(η A)に変更

出典: 1.省エネ基準の見直し等に伴う改正/国土交通省

と記載されており、断熱性能の等級とは地域区分毎に設けられた外壁の表面積や日射熱などに関する基準のようです。では、等級4はどのような基準になるのでしょう。


等級4の基準

断熱性能の等級4は平成25年度の省エネ基準の見直しにより設定された等級のようです。等級4の基準について資料には

最上位等級(5-1断熱等性能等級は等級4、5-2一次エネルギー消費量等級は等級5)

出典: 1.省エネ基準の見直し等に伴う改正/国土交通省

と記載されていることから、等級4は新築をする際の最上位等級のようです。また、断熱性能等級4の水準として

熱損失等の大きな削減のための対策が講じられていること

出典: 評価方法基準/国土交通省

とあり、外皮平均熱貫流率、冷房期の平均日射熱取得率、結露の発生を防止する対策の3項目それぞれに等級4の基準値が記載されています

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断熱性能を上げるための工夫

家づくりをするときに断熱性能を上げるためにはどのような工夫があるのでしょう。実際にママやパパが工夫したことを聞いてみました。


断熱材の厚みを考える

「私たちは外張り断熱用の断熱材にグラスウールを使うことにし、より断熱性能をあげるために厚みをどのくらいにしたらよいかを業者と相談しました。寒暖の差の大きな地域なので、業者の提案で床や屋根の断熱材を厚みのあるものにしてもらいました」(40代パパ)

断熱性能を上げるためには、施工業者と断熱材の厚みについて検討するとよいかもしれません。断熱材の厚みの他に、グラスウールのような繊維系断熱材と発泡プラスチック系断熱材のどちらを使うとよいかも相談したというパパの声もありました。


日差しを考えて窓の大きさなどを決める

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「断熱性能を上げるために窓の大きさや数、窓をつける方角などについても検討しました。部屋の位置や向きによって日当たりの程度も変わってくると思ったので、夏の日差しの角度などを確かめて決めました」(30代ママ)

窓の大きさや位置、数なども住宅の断熱性能に関係があるかもしれません。天窓を作ろうと考え、断熱性能を下げないように業者に大きさや角度を相談したというパパの声もありました。


断熱性能のよいサッシを選ぶ

「我が家では住宅を新築するときに断熱性能のよいサッシを使いたいと考え、業者に相談してみました。ペアガラスとトリプルガラスのどちらのサッシがよいか迷いましたが、三重になっている方かよいのではないかと思いトリプルガラスを選びました」(30代パパ)

サッシの種類もさまざまあるようですが、断熱性を考えて複層ガラスのサッシを選んだパパがいました。トリプルガラスはペアガラスなどより重いけれど、断熱の他に外からの音が聞こえにくいというよさもあると聞いて使うことにしたというママの声もありました。

断熱性を考えた家づくりで意識したこと

断熱性能のよい家づくりをしようと考えたときに、どのようなことを意識するとよいのでしょう。ママやパパに気をつけたことを聞いてみました。


地域区分を確認する

「省エネ住宅をつくる際、断熱性能に地域区分があると業者から説明されました。地域区分は1から8まであり、住宅の種類や断熱材の施工法、屋根や壁などの部位によって仕様基準が異なっているそうなので、業者の資料を夫婦で確認しました」(40代パパ)

断熱材の熱抵抗の基準は細かく決められており、木造、鉄筋コンクリートなどの住宅の種類などによっても条件が違ってくるようです。また、

開 口部比率の条件は、地域区分 ごとに戸建住宅と共同住宅等でそれぞれ設定。開口部比率に応じて、3つの区分(緩和、現行、強化)を設定し、それぞれの区分ごとに開口部の性能を定める。

出典: 1.省エネ基準の見直し等に伴う改正/国土交通省

と資料にもあるように地域区分によって窓やドアなどの大きさについての条件も変わってくるようなので、設計の段階で業者に確認するとよいかもしれません。


税金の特例措置について確認する

「省エネ住宅をつくると税金の特例措置を受けることができると聞いたので、条件などを業者に確認しました。長期優良住宅の認定を受けることで、所得税の控除対象限度額が引き上げられ登録免許税が引き下げになりました」(30代ママ)

省エネルギー性や耐震性などの、長期優良住宅の条件を満たすことで受けられる税金の特例措置があるようです。国土交通省の資料の資料によると

新築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期間を一般住宅より延長する。

出典: 長期優良住宅に対する税の特例/国土交通省

というように、一般住宅よりも減税期間が延長される措置もあるようなので、手続きの仕方を税務署などに確認するとよいかもしれません。

断熱性能を考えて住みよい家をつくろう

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家づくりをするときに断熱性能について考えるママやパパがいました。断熱性能の等級とは地域区分毎に設けられた外壁や日射熱に関する基準とされ、等級4は新築する場合の断熱性能の最上位の等級のようです。

断熱性能を上げるために断熱材の種類を選んだり厚みを検討したりして住みよい家づくりができるとよいですね。

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※記事内で使用している参照内容は、2019年5月10日時点で作成した記事になります。

2019.05.14

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