こちらの記事も読まれています
ほかの家庭はどうしてる?今すぐ取り入れたい子どもの動画視聴ルール
子どもたちに大人気のYouTube。視聴の機会が増える年末年始、なんとなく罪悪感を抱く保護者は多いかもしれないが、付き合い方次第では多くの学びを得ることができる。そこで未就学児を持つ保護者達の座談会を実施。リアルな視聴状況とさまざまな活用法、さらには驚きの学習効果をご紹介する。
デジタルネイティブな子どもたちにとって、もっとも気軽に動画を楽しむ手段は、今やテレビと並ぶコンテンツプラットフォームとなったYouTubeだろう。
保護者にとっても重要なインフラのひとつといえるが、子どもたちのYouTube視聴については、リアルでもネットでも「長時間見てしまう」「動画依存にならないか心配」「気がついたら危険な動画を見ていた」「親の子育て放棄」など否定的な意見と心配の声が目立つ。
しかし大人たちがすべきことは子どもたちをYouTubeから引き離すことではなく、この新たなプラットフォームと向き合うことではないだろうか。
そこでKIDSNA編集部では「YouTubeは本当に害悪なのか、子どもたちはYouTubeからさまざまな学びを得ているのではないか」という仮説のもと、未就学児を持つ保護者たちにアンケートと緊急座談会を実施。
YouTubeを頭ごなしに否定するのではなく、YouTube視聴の実情をもとに、子どもたちが自ら学び、興味関心を広げるためのツールとして活用する方法を話し合ってもらった。
参加メンバー
・Iさん
5歳男子の父
・Nさん
10歳(男子)、8歳(性別)、3歳(性別)の母
・Hさん
5歳(女子)の母
未就学児の1日の平均視聴時間は1時間前後、人気YouTuberはヒカキン
未就学児の保護者におこなった事前アンケートでは、もっとも多かったのは1時間前後で、もっとも長く見ている家庭は3時間。
さらに休日は平日の倍以上見ているというご家庭が多く、平日3時間のご家庭は6時間とかなり差があることが分かった。
ーお子さんは1日何時間くらいYouTubeを見られていますか?
Iさん
Nさん
分かる!!自分がしたいことがあるときに見せますね。
Hさん
うちは3歳くらいまではよく見ていたけど、5歳になってからは絵を描いたり字を書いたり、自分でできることが増えててそっちのほうが楽しいみたいです。
Nさん
うちも1時間くらいで、パパと小学生の姉弟が遊園地に行ったりおもちゃで遊んだりする動画が好きで見ていましたね。
Iさん
息子もKids Lineという人気YouTuber姉弟の真似をしてジャンプしたりしてました。
ちなみにアンケート結果結果では未就学児の人気番組は以下のとおり。
・ヒカキン
・まいぜんシスターズ(※ゲーム実況)
・ヒマワリチャンネル(※キッズYouTuber)
・Kidsline
そのほかにも、ふうはや、きむん、アナケナなど、ゲーム実況やおもちゃ紹介の動画などを視聴していることが分かった。
YouTube視聴のお悩みと対策は?
続いて、多くの保護者の頭を抱えるYouTubeのお悩みについて触れていこう。アンケート結果にはさまざまな意見が寄せられたが、大きく分けると以下の3つに分類される。
①危険な動画を見てしまうこと
・ホラーが好きなのが気になる
・CMのエロや暴力表現が困る
➁汚い言葉、間違った知識を覚えること
・「勃起」など下品な言葉を覚える
・都市伝説みたいなのを真に受ける
・嘘の情報を信じるから困る
③長時間見続けてしまうこと
・『YouTube見たい』が口癖になってきた
・ダラダラと見せないようにしたい
・次の動画を提案され延々と続くので、視聴をやめるタイミングが難しい
以上が保護者の考えるYouTubeの懸念点といえる。これに対し、参加者の方がたはどのように対応しているのか話を聞いた。
対策1.自動再生オフ
ー暴力的、性的なCMや動画がサジェストされ、それがきっかけで危険な動画を検索するようになった話や、親のスマホで見せている際にたまたま性的表現のある広告が流れたことから、知らない間にほかにも危険なCMを見ているかもしれない、といった不安もあるそうです。
Nさん
長男はもう4年なので検索はしますが、履歴を見ると「カバ△うんこ」とか…(笑)。
一同:(爆笑)
Nさん
でも女子のママに聞くとYouTubeで「キス」「セックス」なんてキーワードを調べていたという話も聞くので油断できません。
Iさん
あとは海外の番組でリアルなモデルガンで射ち合ったりするものは血が出るグロ表現があるので見せたくないですね。
ー子どもにトラウマを与えるような動画がサジェストされて見てしまったことから、自動再生をオフにしたというご家庭もありました。
Iさん
なるほど。これまで家のテレビで見ている分にはすぐに大人が気がつけるから安心だと思っていましたが、うちも自動再生の設定は見直したいと思います。
Hさん
たしかに、この先もすべての動画をずっと一緒に見ているわけにはいかないですし対策はしたいですね。
近年問題となっている子ども向けを装った悪質なコンテンツ。これらが紛れ込んでくる可能性は常にある。
視聴内容のすべてを把握してコントロールすることはできない以上、有害な動画のサジェストを阻止する「自動再生オフ」は、今すぐおこなえる有効な対策だ。
対策2.「興味なし」ボタン
どんなに対策を講じてもうっかり目にしてまうこともある。スポンジのように知識を吸収する子どもが卑猥な言葉を覚えたり、間違った知識を信じてしまうというお悩みにはどのように対応すべきだろう。
Nさん
「それは言ってはいけない言葉だよ」と教え、見て欲しくない動画は興味なしボタンでNG設定にしています。
Iさん
わがやも下品なYouTuberは禁止にし、誤解している事があればその場で正しい知識を教えています。
見せたくない動画がある場合「興味なし」ボタン、またはチャンネルごと非表示にすることも可能だが、これらは一時的なもので永久に表示されないわけではない。
不適切な動画に対しては、大人が子どもに何故ダメなのかをしっかりと説明する姿勢が必要といえるだろう。
対策3.YouTube Kidsとプレミアムプラン
Hさん
我が家は危険な動画に関してはYouTube Kidsアプリから見せているので安心です。
Iさん
うちもスマホではYouTube Kidsです。テレビで見る際は普通のYouTubeですが親の見ている格闘技はサジェストされないですね。
僕自身はいつも一緒には見るわけではありませんが、ヒカキン、セイキンは安全な内容だなと思います。
Nさん
うちは子どもが広告を毎回うっかりクリックして、別サイトに飛んでしまうので、CMがスキップできる有料会員になりました。100本くらい動画をダウンロードしておけるのでお出かけの際などにもオススメです。
ちなみに今回の座談会参加者のお宅では「長時間見続ける」というお悩みはなかったが、アンケートでは、「無理やり終了」「他に楽しいことをして忘れさせる」「時間を決めたり、見る前に約束したりする」など、家庭ごとに対策を講じていた。
YouTube視聴のメリット
ここまでデメリットをお伝えしてきたが、一方でYouTubeを見ることで「検索したいがためにひらがなを覚えた」「科学的知識や語彙力などが増えている」など、子どもの学びにつながっていると感じられる意見も多かった。
ハウツー動画は本で見るより伝わりやすい
ーアンケートでは、縄跳びなどのノウハウ系は動画のほうが伝わりやすいという意見もありました。
Iさん
言葉や歌を覚えてくるだけではなく、ゲーム実況やおもちゃ紹介の動画を見ると遊んだ気になるみたいで、あまり欲しがらなくなりました。
Hさん
結局子どもって、パッケージの中身とか、どういうことができるか知りたいから欲しいわけで、それが分かれば満足しちゃうんですよね。
Iさん
ハウツーでいうと子どもが折り紙にハマっていた時期があって、突然の「ピアノ作って!」とか「ドラゴン作って!」というときに見せました。折り紙動画ってすごい種類があるんですよね。
一同:分かる!!
Hさん
あやとりも保育園で習っても、帰宅するとやり方を忘れてるから、そういうときにも動画は便利。本で見ても折り紙やあやとりとかの立体の作り方は分かりにくいですから。
Nさん
あとは緊急事態宣言が出て自宅に籠っていたときは、子どもたちとフィットネスを動画を見て一緒にやりすぎて全員汗だくになったこともありました。
新たな興味関心を引き出しやすい
Hさん
うちは保育園で習った国旗にハマって、一時期子どもYouTuberの国旗クイズをずっと見ていて国の名前をかなり覚えました。
あとは海外の女の子がおもちゃで遊んでいる動画が好きで、教えてもいないのに「I like orange!」とか英語を話すように。
Iさん
ヒカキンの動画は「スライムを湯舟に入れる」など実験動画も多くて、そこから息子は「実験」という言葉を覚え、自分もいろいろ試し始めているんですよ。
たとえば「段ボールで作品を作って、その上からシャワーで水をかけるとどうなるのか」など、本人がやりたいということは基本一緒にやってみます。
Nさん
今の時代、デバイス上で完結することが多いから見るだけで終わるんじゃなく、自分もやってみたいと思わせてくれるのはすごくいいですよね。
YouTubeのメリットとして、アンケートでは「手洗いを覚えた」「歌やダンスを覚えていた」という意見以外にも、「遊び方やおもちゃの組み合わせの幅が広がった」「音楽や、動画を見ることで、平面だけではわからないことも理解できることがある」という声も多く寄せられた。
保護者が教えられない学びを得られたり、子どもの興味関心を広げたりする場としても上手に活用している家庭も多いようだ。
YouTubeとの付き合い方をアップデートしよう
座談会を終え、あらためて感じたのは、YouTubeは作り手の見せ方や技術の進歩により、楽しみながら子どもの興味を引き出してくれるコンテンツが増えているということ。
そして、学校の勉強だけではない、さまざまな学びの可能性があるということだ。
印象的だったのは、参加者の方がたは世の中で言われているYouTubeへの不安に対する対策をしながら、子どもがどんな番組に興味を示しているかをしっかり把握していたということ。
「YouTubeはよくない」「だから見せたくない」というの簡単だが、自らが受け入れられない新たな技術やサービスの登場を否定しているだけでは思考停止だ。
視力低下や過激な動画によるトラウマなど、実害のある不安に対しては、親が時間などのルールをある程度決め、自動再生をやめる、premiumプランやYouTube Kidsを活用する、親が一緒に見るなどの方法でほぼ回避可能といえる。
だが、子どもたちは今後もさまざまなデバイスに触れ、多くの情報を収集していく。すべての危険な情報から子どもたちを守ることは不可能に近く、であれば幼いうちから情報選択の仕方について教えていく必要がある。
万が一見てほしくない動画を子どもが見てしまった場合は、「何故見てはいけないのか」「どんな言葉や表現が人を傷つけるのか」を親子で話すきっかけにするのもいいだろう。
どんなツールも使い方次第だが、YouTubeも付き合い方次第では子どもの新たな関心を引き出し、家族の新しいコミュニケーションを生み出してくれるはずだ。
<取材・執筆>KIDSNA編集部
隙間時間に子育て記事がサクサク読める
▼今すぐアプリをDL!!▼
うちは5歳の男の子で、平日も休日も1時間くらいです。ヒカキン、セイキンがお気に入りでダンスしながらチャンネル登録の歌を歌ってました。YouTubeを見ていいかどうかは基本的には奥さんの気分次第ですね…(笑)