申請を忘れるのは損…FPが「ゴミ箱に捨てている人は少なくない」と指摘する"節税効果を期待できる"書類の名前
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会社員の節税対策では何ができるのか。ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんは「年末調整と確定申告での所得控除の申請が重要だ。年末調整で申請できるものと、確定申告でしか申請できないものがあるため、チェックしてほしい」という――。 ※この連載「高山一恵のお金の細道」では、高山さんの元に寄せられた相談内容を基に、お金との付き合い方をレクチャーしていきます。相談者のプライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。
会社員の節税は「年末調整」と「確定申告」
早くも2025年の終わりが近づいてきました。……ということは、「年末調整」の季節であります。すでに会社への書類提出を完了された方が多いかもしれません。うっかり忘れていたという方は、急いでチェックしましょう。
「年末調整」と「確定申告」は会社員が節税するために重要な手続きです。節税につながる所得控除には15種類ありますが、中には年末調整では手続きできず、確定申告が必要なものもあります。また、年末調整で申請を忘れても、自分で確定申告をすれば控除を受けられる可能性があります。年末調整には間に合わなかったという方も、ぜひ確認してみてください。
まずは年末調整から見ていきましょう。
そもそも年末調整とはどんな手続きなのでしょうか。会社員や公務員の場合、前年の収入や家族構成を基準に、毎月の給与や賞与から所得税が差し引かれています。これがいわゆる、「源泉徴収」です。ただ、1年間のうちに子どもが増えたり生命保険料を支払ったりした場合、納めるべき所得税額も変わります。
その「差分」を所得が確定する年末に調整し、正しい所得税の金額を出すのが、「年末調整」の役割です。年末調整の結果、源泉徴収で所得税を多く払いすぎていた場合には還付となり、足りなかった場合には追加納税が必要になります。
iDeCoは掛け金の全額が所得控除
年末調整でできる所得控除には種類がいくつかありますが、「給与所得者の保険料控除申告書」に記入し、あわせて自ら会社に必要書類を提出しなければいけない主な所得控除は以下になります。
《各種証明書を合わせて提出》
・生命保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除(※iDeCoに加入している場合)
・地震保険料控除
《「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出》
・扶養控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・障害者控除
・寡婦控除
・ひとり親控除
・勤労学生控除
※住宅ローン控除については、税務署から送られてくる「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」等の書類に記入する。1年目は確定申告が必要。
まずは「生命保険料控除」からいきましょう。生命保険料控除の対象となるのは、定期保険や終身保険といった①一般生命保険料控除、医療保険や介護保険などの②介護医療保険料控除、③個人年金保険料控除の3種類になります。契約時期によって計算方法は変わりますが、2012年以降の契約の場合、3種類を合わせると最大で12万円の所得控除が受けられます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、掛け金の全額が所得控除に。「地震保険料控除」は最大5万円まで所得控除が可能です。





























