「コメが売るほどある」江藤大臣には一生わからない…「高いコメを買わされる国民」を国会議員が軽視するワケ

「コメが売るほどある」江藤大臣には一生わからない…「高いコメを買わされる国民」を国会議員が軽視するワケ

小泉進次郎はJA農協にメスを入れられるのか

「コメは買ったことがない」などと失言をした江藤拓農林水産大臣が更迭された。キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「コメの値段が一向に下がらなかったのは、江藤農林大臣がJAや農家の支援を受ける農林族議員だったからだ。次の大臣には、減反廃止や輸入関税引き下げという本当にコメの値段を下げられる政策に取り組んでほしい」という――。

備蓄米入札に関する素朴な疑問

“コメを買ったことがない”発言で江藤拓農林水産大臣が更迭された。後任には小泉進次郎元環境大臣が起用された。江藤大臣は、すぐに謝罪・撤回したとはいえ、「支援者の方々がたくさんくださる」「売る程ある」という発言が出たことで、農家に支援されている“農林族議員”であることが国民の目にも明らかになっただろう。


その発言に先立つ5月16日、江藤大臣は記者会見を開き、備蓄米の放出方針の変更を公表した。

方針変更は大きく2点ある。一つは、落札した集荷業者(JA農協)から卸を介さず直接小売業者へ販売する場合には優先枠を設けること、二つ目は、1年以内の買い戻し要件を5年以内に延長したことである。

この日の会見では、卸売業者の経費・利益等は、2022年産2206~4689円/60kgだったが、今回の備蓄米については7593円/60kgであることを強調する資料が記者たちに渡された。

この方針変更を受けて、18日午前にフジテレビの「The Prime」には小野寺自民党政調会長と重徳立憲民主党政調会長が(橋下徹氏同席)、NHKの「日曜討論」には各党の農業関係議員(主に国会の農林水産委員会のメンバー)が出演し、討論が行われた。

番組を視聴していて不思議だったのは、集荷業者から直接小売業者へ販売する優先枠の設定について、どの出演者も集荷業者に販売することに異論を呈さなかったことだ。「流通の目詰まりがなくなり、円滑に消費者に届くだろう」という評価だったように思われる。

しかし、以前から私が指摘してきたように「なぜ卸売業者に売らないのだろうか」という問題を指摘する議員はいなかった。

食糧管理制度時代には、政府はJA農協からコメを買い入れて卸売業者に売っていた。JA農協から買い入れた備蓄米を、なぜまた消費者から離れているJA農協に売り戻すのか? 全く理解できない。卸売業者に売った方が余計な取引段階がなくなるので、より早く消費者に届くはずだ。卸売業者が目詰まりさせているというなら、大手スーパーや小売店の連合会を入札資格者に加えればよい。

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2025.05.24

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