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植物性たんぱく質など栄養成分が豊富な豆乳を離乳食に
離乳食初期のメニューに豆乳を取り入れたいと考える保護者もいるかもしれません。豆乳はいつから赤ちゃんに与えられるのでしょうか?今回の記事では、離乳食に豆乳を取り入れられる時期、食物アレルギーや冷凍保存などの注意点、豆乳の栄養成分などについての基本的な知識、また豆乳スープや豆乳シチューなどのレシピを離乳食初期から離乳食完了期まで最適な時期ごとに紹介します。
豆乳はいつから与えられる?
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植物性たんぱく質などの栄養が豊富といわれる豆乳を、離乳食に使いたいと考える保護者もいるでしょう。豆乳はいつから離乳食に取り入れられるのでしょうか?
厚生労働省やこども家庭庁の資料によると、離乳食開始から1カ月程度経過して、おかゆや野菜に慣れてから、豆腐や豆乳などの大豆食品を取り入れることができるようです。
豆乳にはさまざまな種類があります。離乳食に豆乳を使う際は、大豆以外の原材料が加えられていない「無調整豆乳」を使うようにしましょう。
豆乳は赤ちゃんによっては消化しにくい場合もあるようなので、小さじより少ない量に水を加えて2倍の薄さにし、加熱して冷ましたものをなめさせる程度から始めるとよいでしょう。少しずつ慣れてから量を増やしたり、さまざまなレシピに使ってみましょう。
離乳食初期から離乳食後期頃までは、豆乳を加熱して使うといいようです。
離乳食で豆乳を活用するメリット
文部科学省のデータによると、豆乳は植物性たんぱく質が豊富な食品です。また、カルシウムや鉄分なども含まれており、栄養バランスがとれた食材として知られています。
離乳食に豆乳を活用することで、以下のメリットがあるようです。
消化の良い植物性たんぱく質が摂れる
豆乳は、豆腐やきな粉などと同じ大豆食品のひとつで植物性たんぱく質が多く含まれています。植物性たんぱく質は、肉や魚介類、乳製品などの動物性たんぱく質と比較すると、消化しやすく必要な栄養素を摂取できるというメリットがあるようです。
豆乳には様々な成分が含まれていますが、原材料は主に大豆と水です。無調整豆乳を選ぶことで、よけいな添加物を避けることができます。
牛乳と比較すると、脂肪分が少なく消化もよいため、離乳食初期から取り入れやすい特徴があります。乳製品代わりに使用するママもいるようです。
鉄分を補給できる
母乳育児をしている場合、離乳食中期以降は鉄分が不足する傾向にあります。そのため、離乳食中期以降は、鉄分を摂取できる離乳食を意識して作る必要があるようです。
豆乳には鉄分も豊富に含まれているため、離乳食に積極的に取り入れたい食材のひとつです。
食べにくい食材のクセをまろやかにできる
おかゆやスープなどに豆乳を入れるとまろやかな味わいになります。このような豆乳の特徴を活かして、苦手な赤ちゃんが多い青菜などと組み合わせて離乳食を作っているママもいるようです。
青菜やにんじんなど赤ちゃんが苦手とする野菜と豆乳を組み合わせた離乳食を作ると、赤ちゃんも食べやすくなるかもしれません。
栄養価の高い離乳食づくりができる
離乳食での豆乳の活用方法は多岐にわたります。豆乳スープや豆乳シチューなどの料理に使用したり、豆乳プリンのようなデザートを作ったりすることができます。緑黄色野菜と組み合わせることで、栄養成分の高い離乳食を作ることができるでしょう。
ただし、豆乳は食物アレルギーを起こす可能性が高い食材のひとつです。慣れるまでは小さじで少量を与えるなどの注意が必要です。
離乳食に豆乳を使うときの注意点
栄養価の高いといわれる豆乳ですが、離乳食に使うときは、次のようなことに注意が必要です。
食物アレルギーに注意
豆乳の原材料である大豆は、食物アレルギーを起こしやすい食材のひとつです。離乳食に豆腐や豆乳などの大豆食品を導入する際は、小さじ1さじなど少量から始めましょう。湿疹や下痢・嘔吐など食物アレルギーの反応がないか慎重に観察しましょう。これは調製豆乳であっても無調整豆乳であっても同様です。豆乳飲料も大豆を使用しているため、注意が必要です。
特に牛乳アレルギーがある場合、豆乳は乳製品代わりとして使用されることがありますが、交差反応の可能性もあるため、医師に相談の上で使用を検討してください。
豆乳などアレルギーが心配な成分や原材料を使用している食品をはじめて与える際は、平日の午前中などすぐに小児科などにかかれるタイミングで試すことも重要なポイントです。湿疹や下痢や嘔吐などの食物アレルギー症状が見られた場合は、すぐに使用を中止し、医師の指示を仰ぎましょう。
また、離乳食で使うエビや牛乳、たまごなどの食品も同様にアレルギーの可能性がありますので、使用の際は慎重に取り入れるようにしましょう。
離乳食に取り入れる食材で不安なことがある場合は、自治体が運営している保健センターの管理栄養士に相談してみるのもいいかもしれません。
無調整豆乳を選ぶ
豆乳には大きく分けて「無調整豆乳」と「調製豆乳」の2種類があります。調製豆乳は飲みやすさを考えて砂糖や香料などを加えているので、離乳食には大豆と水だけで作られている無調整豆乳を使うようにしましょう。
豆乳飲料も調製豆乳と同様ですので、気になるようであれば避ける方がよいかもしれません。
そのまま冷凍しない
豆乳は冷凍後に解凍すると食感や風味が変化するため、冷凍保存には向かないといわれています。離乳食では一度に大量の豆乳を消費することが難しいため、小さいパックのものを購入するとよいでしょう。
どうしても冷凍保存したい場合は、ホワイトソースなどにしてから凍らせるなど、一度調理してから冷凍ストックにするとよいようです。また、離乳食完了期には凍らせた豆乳をそのまま削るなどしてアイスとして食べることもできるようになります。
離乳食初期の進め方
離乳食初期とは具体的にどのような時期なのか、あらためて知りたいという保護者もいるでしょう。食べられる固さや食事量について紹介します。
離乳食初期はいつから?
授乳・離乳の支援ガイドによると、離乳食初期の目安は生後5カ月~6カ月頃とされています。赤ちゃんは離乳食初期の頃に、くちびるを閉じて飲み込むことや、口に入ったものを舌で前から後ろへ送り込むことができるようになります。
赤ちゃんが食べ物に興味を示したり、スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなることが、離乳食を始める目安のようです。
厚生労働省の資料によると、生後5〜6カ月頃が適切と記載されています。ただし、生後5〜6カ月はあくまで目安で、赤ちゃんの食べたがっているサインに気づくことが重要と記載されています。
離乳食初期に離乳食を与える目的は、食べものから栄養を得ることよりも、飲み込む動作や食材の舌触り・味などに慣れることにあります。うまく食べられないことがあっても焦らず続けることが大切でしょう。
離乳食初期の目安量
授乳・離乳の支援ガイドには、離乳食初期における1回の食事の目安量については特に規定がありません。すりつぶしたおかゆからはじめ、その次にすりつぶした野菜を試し、慣れてきたころに豆腐や白身魚、卵黄などを与えるとよいようです。
離乳食初期には、まだ調味料は使用しません。だしや素材の味を活かした離乳食づくりをしましょう。
離乳食に徐々に慣れていく時期のため、少ない量しか食べられなくても心配する必要はないでしょう。
離乳食初期に食べられる豆乳レシピ
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離乳食初期に豆乳を使う際には薄めて使用し、赤ちゃんの成長に合わせて徐々に濃度を上げていくとよいでしょう。離乳食初期に取り入れられる、豆乳のレシピを紹介します。
豆乳のトマトリゾット風おかゆ
- トマトは湯向きして種をとる
- 耐熱皿に10倍粥、トマト、少量の豆乳と水を入れて混ぜる
- 電子レンジで10~20秒ほど加熱し、取り出してかき混ぜる
- ほどよい温かさになるまで2を繰り返す
シンプルなおかゆの味にアレンジを加えたくなったら、電子レンジで手軽に調理できる豆乳のトマトリゾット風のレシピを試してみてはいかがでしょうか。豆乳に加えてきな粉を入れる方もいるようです。きな粉を入れる際は、粉っぽさが残らないようよくかき混ぜてから、赤ちゃんに食べさせましょう。
おかゆは加熱しすぎると飛び散るため、電子レンジでの加熱は少しずつ、数回に分けて行いましょう。
豆乳のホワイトソース
- 鍋に米粉と水を入れて溶く
- 豆乳とベビー用コンソメを加えて混ぜながら、弱火にかける
- 少しずつ固まってくるので、ちょうどよいとろみになったら火を止める
米粉の量を1とすると水は1.5、豆乳は5~6の割合で作るとよいようです。離乳食の進みに合わせて水を足したり加熱時間を変えて、とろみの固さを調整してあげましょう。焦げ付きやすいためかき混ぜながら加熱するのを意識してください。
ホワイトソースを作り製氷皿やフリーザーバッグで冷凍ストックしておくと、他の野菜やおかゆと混ぜるなど離乳食初期のレシピに活用できます。
豆乳のホワイトソースに、青菜やにんじんなどの野菜を混ぜるとまろやかになり、食べやすいと感じる赤ちゃんが多いようです。離乳食の冷凍ストックのレシピとしておくと、便利かもしれませんね。
野菜ペーストとポタージュ豆乳
- にんじん、じゃがいも、ブロッコリーなど緑黄色野菜をやわらかくなるまで茹で、すりつぶす
- 豆乳を加えて弱火で加熱し、なめらかになるまで混ぜる
- 1に2を加えて混ぜ、スプーンですくいやすい濃度に調整する
彩りある複数の野菜を組み合わせてつくる、シチュー風のポタージュ豆乳レシピです。ホワイトソースのとろみがつくので赤ちゃんも食べやすいかもしれません。ちょうどよいとろみになるよう、水を加えて調整してもよいでしょう。
離乳食中期に食べられる豆乳レシピ
豆乳はさまざまな食材と相性がよく、離乳食レシピのレパートリーを広げるのに役立ちます。離乳食中期以降に適した豆乳レシピを見ていきましょう。
豆乳うどん
- うどんと小松菜を茹でてやわらかくし、細かく刻んですりつぶす
- 鍋にだし汁と1を入れて煮る
- 水溶き片栗粉を加えてとろみがつくまで加熱し、器に盛る
- 豆腐を茹でてすりつぶす
- 鍋に4と豆乳をいれてひと煮立ちさせ、3の器にのせる
豆乳のコクとだし汁の風味が組み合わされて、赤ちゃんの食が進むかもしれません。うどんは離乳食中期からがのぞましいですが、離乳食初期にあげるときは、1カ月程度経過した離乳食初期の後半以降にしましょう。初めての場合は飲み込みやすいようすりつぶして与えるとよいでしょう。
かぼちゃの豆乳シチュー
- かぼちゃを柔らかく茹でてすりつぶす
- 豆乳を加えて弱火で加熱し、トロトロになるまで混ぜる
- 塩分控えめの調味料で味を調整する
かぼちゃは豊富な栄養成分を含む緑黄色野菜の一つです。豆乳と組み合わせることで、たんぱく質も補えるバランスのよい離乳食になります。トロトロの食感は赤ちゃんにも食べやすく、豆乳シチューとして人気のレシピです。調製豆乳ではなく無調整豆乳を使用し、赤ちゃんに優しい味に仕上げましょう。
バナナ豆乳プリン
- バナナを薄切りにして豆乳と混ぜ、ブレンダーで混ぜる
- 1を弱火で加熱し、とろみをつける
- 器に入れて冷やし固める
バナナと豆乳の組み合わせは、自然な甘みと栄養価の高さが特徴です。バナナ豆乳プリンは離乳食でも人気の料理で、消化によい食品として知られています。豆乳飲料ではなく無調整豆乳を使うことで、余計な添加物を避けられます。スプーンですくいやすい固さに仕上げるのがコツです。
離乳食でバナナを食べすぎてしまう赤ちゃんもいるようです。バナナを食べすぎていると感じる場合は、バナナを入れずに豆乳プリンとして作ったママもいるようです。バナナの代わりに豆乳の量を調整してきな粉を入れると、きな粉特有のコクが加わるようです。
離乳食後期~離乳食完了期に食べられる豆乳レシピ
離乳食後期になると使う食材も増やしていきましょう。豆乳とあわせられる食材は多いですが、たまごやエビなどくれぐれも食物アレルギーには注意しましょう。ここでは離乳食後期から離乳食完了期にかけてのレシピを紹介します。
エビとトマトの豆乳煮
- むきエビを粗くつぶし、湯通しして水気を切る
- トマトは湯むきし、種を取り除いて、細かく切る
- 小鍋に豆乳としょうゆなどの調味料を入れて、1と2を煮る
エビは良質なたんぱく質源であり、トマトは栄養豊富な緑黄色野菜です。豆乳を加えることで、まろやかな味わいの豆乳スープのような仕上がりになります。エビの食物アレルギーに注意し、離乳食後期から少量ずつ試してみましょう。トロトロの食感で赤ちゃんも食べやすい一品です。
緑黄色野菜の豆乳蒸しパン
- 蒸し器に水をいれ沸かしておく
- ボウルに薄力粉、ベーキングパウダー、すりつぶしたかぼちゃとほうれん草を入れ、泡立て器で混ぜ合わせる
- 2に豆乳を入れ、粉っぽさがなくなるまで混ぜたら、ベーキングカップを敷いたプリンカップに4等分にスプーンですくい入れる
- 3を蒸し器に入れ110分ほど強火で蒸す
かぼちゃやほうれん草などの緑黄色野菜と豆乳を使用した蒸しパンは、栄養バランスに優れた離乳食です。豆乳の原材料である大豆のたんぱく質と、野菜の食物繊維が豊富に含まれています。ふわふわの食感で、赤ちゃんも喜んで食べてくれるでしょう。
離乳食初期のメニューに豆乳を取り入れよう
© polkadot - Fotolia
今回の記事では、離乳食に豆乳を取り入れられる時期、食物アレルギーや冷凍保存などの注意点、豆乳の栄養成分などについての基本的な知識、また豆乳スープや豆乳シチューなどのレシピを離乳食初期から離乳食完了期まで最適な時期ごとに紹介しました。
離乳食を始める時期や進め方などで不安なことがある場合は、自治体が運営している保健センターの管理栄養士に相談したというママもいるようです。
牛乳など乳製品代わりとして選ばれる豆乳は、豊富な栄養成分とコクがあるのが特徴で、大人向けの料理だけでなく離乳食初期から取り入れている保護者も多いようです。鉄分不足が気になる、離乳食中期・後期以降は、積極的に使いたい食材のひとつです。いつから与えるかは離乳食の進みにもよりますが、おかゆや野菜に慣れたあとに始めるとよいでしょう。
豆乳はトロトロのおかゆや豆乳シチュー、豆乳スープ、ポタージュ豆乳などからバナナ豆乳プリンや緑黄色野菜の豆乳蒸しパンなど、主食からおやつまで幅広く活用できます。また、だしや醤油など和風の調味料とも相性がよい食品です。
はじめのうちはスプーン一杯から与えるようにするなど、大豆の食物アレルギーには十分注意して取り入れるようにしましょう。離乳食初期の赤ちゃんに、おいしく豆乳を味わってもらえるとよいですね。
※記事内で使用している参照内容は、2019年8月28日時点で作成、2025年3月27日に更新した記事になります。
※今回の記事で紹介したものは、離乳食の一例です。新しい食材をとり入れる場合は、お子様の消化機能の発達に合わせた適切な食材・調理法を選びましょう。