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内科医
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内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中。
毎日、家事や育児でクタクタで、なかなか疲れがとれない…。「何か病気かな?」「でも、何科に行けばいい?」「ちょっとしんどいぐらいで病院に行っていいのかな?」「人間ドック受けた方がいいのかな?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。痛みや怪我などのわかりやすい症状に比べて、漠然としていて放置しがち。そんな時どうしたらいいのか、お医者さんが解説します。
著者:箕島みな
内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中
「ちょっとしんどい」も立派な受診理由
「ちょっとしんどい」だけで病院を受診するのをためらう方もおられると思いますが、「ちょっとしんどい」は専門用語で「全身倦怠感」といい、大切な症状のひとつです。
もちろん、「疲れているだけで、特に病気ではない」という場合もありますが、中には身体の病気や心の病気が隠れている場合があるので、医師の立場からすると「ちょっとしんどい」でも遠慮なく受診して頂きたいです。
病院と人間ドック、どっちに行ったらいいの?
人間ドックでも全身の検査ができますが、全額自費となります。
病院を受診していただければ健康保険が使えますので、人間ドックより安く検査ができます。まずは、病院や診療所の内科外来を受診することをおすすめします。
「ちょっとしんどい」、その原因は?
それでは、「ちょっとしんどい」と受診された場合、よくある病気をいくつか見てみましょう。
貧血
育児世代の女性に多いのは、貧血です。鉄分が不足しているだけでなく、中には胃潰瘍(胃潰瘍からジワジワと出欠し、貧血になる)や子宮筋腫(筋腫のせいで生理の出血が多くなり貧血となる)などの病気が隠れていることがあります。
甲状腺疾患
喉の前方にある「甲状腺」という臓器は、身体の活動性を司る「甲状腺ホルモン」を分泌します。このホルモンの異常で、疲れやくなる場合があります。血液検査でホルモンの値を測ることができます。
うつ病など、精神疾患
精神疾患の場合にも「しんどい」という訴えがよくあります。うつ病の場合は、「眠れない」「食欲がない」など、睡眠と食欲の異常が出ることが多いです。また、「朝がしんどく、夜は比較的元気」など、症状が一日の中でも変動することがあります。
その他にも、病気の可能性があります
可能性は低いかもしれませんが、感染症、自己免疫疾患、悪性腫瘍など、重大な病気が隠れている可能性もあります。どんな検査が必要かは医師が診察の上で判断しますので、ご心配でしたらぜひ病院を受診してください。
自己判断で、放置しないでくださいね
もちろん、「ちょっとしんどい」は病気ではない可能性もありますが、大切なのは、自己判断で長い間放置しないことです。
きちんと治療すれば良くなる病気が隠れている可能性もありますので、「ちょっとしんどい」が続く場合は(目安としては、2〜3週間以上続く場合は)、一度病院でご相談頂けると良いな、と思います。もちろん、「とってもしんどい」時には、すぐに受診を!
黄色信号を見逃さないで
家族のことに一生懸命で、自分の身体の不調は放っておきがちなお母さん。でも、大切なお母さんだからこそ、健康管理は大切です。
「ちょっとしんどい」は、大切な黄色信号。この機会に病院で検査を受けて、安心して「ちょっとしんどい」を解決できるといいですね。
著者:箕島みな
内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中