「子育てにお金がかかりすぎる」に行政が応えなければ…明石市長が「人口増加率日本一」のためにやったこと
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日本の政治はむしろ少子化を加速させてきた
兵庫県明石市は2020年の国勢調査で、全国の中核市(62市)の中で人口増加率1位になった。泉房穂市長は「市民にお金がない。お金がない時代だからこそ、行政が子どもにお金を使う。そうすればお金もまちも、すべてが回り始める」という――。
※本稿は、泉房穂『社会の変え方』(ライツ社)の第1章<「子どものまち」から始まる好循環>の一部を再編集したものです。
「子どもを応援しない社会に未来はない」
日本で生まれる子どもが減り始めたのは1982年。私が大学生のころです。教育学部で教育哲学を学び、「子どもを応援しない社会に未来はない」と論文に書きました。
残念ながら今もこの社会は、当時からほとんど変わっていません。40年以上、子どもはずっと減り続けています。少子化は加速し、長らく経済も停滞しています。その原因は、私たちの社会が子どもに冷たすぎるからだと思えてなりません。
2011年から、ついに総人口も本格的に減り始めました。そんな年の春に、私はようやく明石市長に就任。まずは「子ども」です。