子どもの鼻水が続くと風邪なのか、もしかしたら花粉症なのかどっちなのか迷うことがあるかもしれません。それぞれ特徴的な症状があるのかをチェックしてみました。また、風邪と花粉症を併発した場合の対処法と受診する病院についてもご紹介します。
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子どもの鼻水が止まらないのは風邪ではなく、花粉症の可能性があるかもしれません。花粉症と風邪の違いはどのように見分けたらよいのでしょうか。
透明でサラサラした鼻水が止まることなく出る、鼻づまりの症状が強く出て長引くことや、くしゃみが続けて数回出ることが特徴です。
風邪とは違い、目の充血、目や鼻、のどにかゆみがある、花粉がよく飛ぶ時期に症状が出ることがあります。子どもの場合は鼻血を出すことも多いです。
子どもが風邪にかかると、微熱から38℃程度の熱が出ることが多いです。
初めはサラサラな鼻水からだんだんと粘り気のある黄~緑色の鼻水が出るようになります。
くしゃみが出ることも多いですが、花粉症のようには続かず、くしゃみよりも鼻づまりの症状が強く出て、数日間続きます。のどの痛みや腫れを伴い、咳が数日間続いたり、だるさや頭痛などの症状が出ることが、風邪の特徴です。
風邪は通常、数日から1週間程度で治りますが、鼻水がそれ以上続くときは花粉症かもしれません。花粉症か風邪か迷ったときには自己判断で市販薬などを飲まずに医療機関を必ず受診してください。
鼻水やくしゃみなど鼻の症状が強ければ耳鼻咽喉科、目のかゆみや充血がひどければ眼科など特につらい症状にあわせて病院を受診するべきか、初診で何科の病院に行くべきか悩むかもしれませんが、花粉症かどうか迷ったらまずは小児科を受診しましょう。
症状に応じてアレルギー科など専門の病院を紹介してくれるでしょう。
風邪と花粉症では対処法が変わってきます。病院ではどのような治療法が行われるのでしょうか。
風邪と診断されると、熱や咳、鼻水などの症状に応じて解熱剤や粘膜を整える薬、場合によっては 抗生剤などの薬が処方されることが多いです。
くしゃみや鼻水の症状が強く出ているときには、鼻水やくしゃみを抑える飲み薬が処方されるでしょう。
また花粉症の場合は、鼻づまりに効きやすく、鼻の粘膜に直接作用するステロイド点鼻薬や、目のかゆみや充血があるときは点眼薬が処方されたり、症状に特化した処方薬で治療することになります。
原因となるアレルゲンをなるべく避けることで症状が緩和されるかもしれません。
花粉症はアレルギー反応が原因で起こり、風邪はウイルスが原因で起こるため、花粉症が風邪を引き起こしたり、風邪が花粉症を引き起こすことになるわけではありません。
ただし、花粉症と風邪が同時にかかる可能性はあります。また、風邪を併発することで花粉症の症状が悪化する場合もあります。
花粉症と風邪を併発したときには症状を悪化させたり、長引かせないようにするために以下のようなことに注意しましょう。
花粉症と風邪の薬の成分は被っている部分が多いため、併用は避けましょう。
花粉症と風邪同時にかかったときには、病院でどちらの薬を優先したり、どの薬を飲むべきかを医師に相談することが大切です。
風邪の症状が悪化すると肺炎になる可能性があります。また、花粉症の鼻づまりに風邪が併発することによって蓄膿症や中耳炎になる場合もあるため、免疫力を回復させるようにします。
風邪をひいているときは免疫力が下がります。
安静にして、栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠で体力と免疫力を高めることが大事です。
花粉症と風邪の症状には違いがあり、花粉症は季節によって発症する場合が多いです。
花粉症は、鼻水がサラサラで連続するくしゃみ、目やのどのかゆみが特徴です。一方で風邪は、発熱や鼻づまり、倦怠感や頭痛の症状が強く出ます。
それぞれの特徴的な症状と違いを知っておくと花粉症と風邪を見極める目安になるでしょう。
花粉症の場合は、鼻水や目のかゆみ、充血など症状が強く出ている病院を受診することで症状を早めに改善できるかもしれません。
もしも、花粉症と風邪に同時にかかったら、安静にして栄養バランスのとれた食事や睡眠をたっぷりとってまずは先に風邪を治すことが大切です。
処方薬の併用や気になる症状があるときには、病院で医師に相談するようにしましょう。
眞々田容子(クローバーこどもクリニック)
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。
症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。
お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
2019年01月12日
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